ノゴマ(ツグミ亜科)。全長15センチから16センチ。国内では北海道だけで繁殖する夏鳥で、運が良ければ春と秋の渡りの時に観察できる程度です。雄物川、玉川の合流点の川原は、私の観察フィールドとしてよく通う場所ですが、5月5日の「子どもの日」はなぜか玉川の上流に足が向いていました。
奥羽本線の鉄橋の下を通り、砂利道を静かに走らせていると、今まで聞いたことのない軽やかなさえずりが聞こえてきます。「チーチョチ、チョロロ、チリリ」と、よく通る甲高い歌声が新緑の木立に響き渡った。目を凝らしながら美声の方向を探し続けて約15分。
手前の藪陰から、パッと飛び出し枝に止まった小鳥が目に入った。双眼鏡で覗くと、喉元が赤く、ノゴマに間違いありません。程なくもう一羽が現れ、追いかけっこが始まりました。どうやら番(つが)いのようです。いつまでも滞在してくれればと願っていましたが、わずか2日間だけのお披露目で姿を消してしまいました。今ごろは北海道にたどり着き、草原で子育ての準備をしていることでしょう。(日本野鳥の会会員・神岡町北楢岡住)