鈴木三郎さんの「野鳥散策(32)コクチョウ」(04・02・08)

 撮影=平成16年2月4日。
 
墨絵のような風景。ここが野鳥の聖地となっている。
赤いクチバシと先端の白いストライブが美しい。

 前日の夕方、電話で珍しい野鳥の情報が入った。

 『玉川橋の上から、今まで見たことの無い鳥を目撃した。大きさが白鳥より少し小さめで全身が真っ黒であった。図鑑で調べたらコクチョウと似ているが、珍しい鳥ではないだろうか。2羽いたので、つがいと思う。』

 コクチョウは国内では野鳥として生息していません。しかも、目撃時間が夕方であるのでマガンやヒシクイと見間違えた可能性もあると答えた。いずれにせよ珍しい鳥なので、翌朝現地に行って確認することにした。

 早朝、半信半疑で古い玉川橋を渡った。300メートルほど下流の左岸近くで水面をスイスイ泳いでいたのは間違いなく2羽のコクチョウであった。

 初めて見た姿に少し興奮しながら双眼鏡を握った。撮影の準備に取り掛かろうとしたその時、パッと飛び上がりどんどんとこちらに近づいてくるではないか。

 翼の両端が白く、黒い体とのバランスが優雅であった。あっという間に橋のすぐ手前の水面に着水してくれました。もう目と鼻の先です。
 
 
いつも2人で仲のよいところを見せている。
どう見てもつがい(番)と思われる。

 望遠レンズを使用せず撮影できる距離です。どうぞ私たちを撮影して下さいと言っているようにも見えます。

 大きさはコハクチョウと同じで、全長120センチぐらい。赤いくちばしの先端が白く、真っ黒な体にもどこかかわいらしく見えます。

 水中に長い首を入れ何かを探しています。橋の上から見ると、岸辺の浅瀬に緑色の水草が生えていました。餌があるようです。

 コクチョウの生息地は南半球オーストラリア南部で、北半球への渡りはありません。

 日本では、観賞用として動物園や公園などで飼われていたものが逃げ出し、話題になったことがしばしばありました。

 人懐こくてあまり警戒心が見られないことからも、どこかで飼われていたものが逃げてきた「かごぬけ」ではないかと想定されます。

 いつまでここにいてくれるでしょうか。
 
 
ハート型に見えませんか?。
優雅な泳ぎで寒さもへっちゃら。

驚かせずにそっと見守っていたら、もう少し滞在してくれるのではないでしょうか。(日本野鳥の会会員・神岡町北楢岡住)