鈴木三郎さんの「野鳥散策(78)カッコウ(ホトトギス科)」(06・10・28)
 
 うつろな目で遠くをながめていた。

  全長  35センチ
 
  神宮寺の知人から連絡が入った。

  「自宅の庭で、怪我をして動けなくなった野鳥を保護したが、どうしたらいいか。鳥の名前は分からない」。
 
  トリ小屋に保護された幼鳥。まったく元気がなくうずくまったまま。   柿の枝に模様が似ているので、離れた場所からだと良く分からない。

  駆けつけてみたら、今年産まれたカッコウの幼鳥であった。ニワトリの小屋に入れられていて、うずくまったままで動く気配はありません。尾羽の一部が抜け落ちていることから、おそらくカラスにでもいじめられたのではないだろうかと思われた。

  このまま放っておくわけにはいかないので、五城目町の県立鳥獣保護センターに引き取ってもらうことにした。

  当日は日曜日であったので翌日に連絡したら、まもなく地域振興局の職員が知人宅に駆けつけてくれたようだ。職員が箱の中からカッコウを捕まえようとしたら、飛び出して近くの柿の木に留まった。元気な様子なのでこのまま自然に帰してやったほうがいいだろうと職員は帰ってしまったそうです。

  私はその後に現場に到着したら、カッコウは地上から3メートル程の高さの枝に留まっていた。枝の直ぐ下まで近づいても全く逃げる気配はありません。やはり、まだ遠くに飛び去るまでの体力がついていないのでしょう。
 
  真下に近づいても動きません。   分かりにくいが、尾羽の半分ぐらいが欠けていた。

  また保護したらいいのか迷った。2時間ほど様子を見ることにしてその場をいったん離れることにした。

  時間をおいて戻ってみると、全く同じ場所に同じ姿勢で留まっているのではないか。これではまたカラスに見つかってしまうだろう。もう一度捕まえて保護すべきだと判断し、枝の下に脚立を据え付けた。そうしたら枝からパッと飛び立ち、また近くの木に移ってしまった。

  これ以上の追いかけごっこはカッコウに迷惑だろうと、捕獲は断念することにした。

  カッコウは、5月下旬頃に南から渡ってきて繁殖する夏鳥である。晩秋には既に南に移動している季節であり、幼鳥が市内にまだ残っていた理由はよく分かりませんが、この時期にお目にかかれるとは意外でした。
  擬態しているようだ。

  まもなく北風も一層冷たくなり、餌となる昆虫も少なくなるでしょう。なんとか無事に南に渡り、生き延びてほしいと祈るだけです。(大仙市北楢岡住・日本野鳥の会会員)