鈴木三郎さんの「野鳥散策(83)コハクチョウ(カモ科)」(07・01・20)

  全長120センチ。
 どうして水路に入ってしまったのだろうか。救出作戦開始。
 
  昨年の12月30日。例年よりも雪が少ないとは言え、北風が真横から吹き付ける真冬日であった。

  田んぼの用水路にハクチョウが入り込み飛べないので、救出できないかと連絡が入った。
 
  現場に駆けつけてみると深さ1.4メートル程の深い水路の中に1羽のコハクチョウがこちらを見つめていた。
 
  両側からそーっと挟み打ちに。   少し暴れたが難なく保護できました。ケガの状態も見当たらず、直ぐに開放してやりました。
 
  コンクリートで整備された水路は側面が垂直で深く、十分な幅がないので飛び立つ事が出来ません。

  12月6日には、大仙市豊川で排水溝に入り出られなくなったハクチョウを助け出したニュースが秋田魁新報で報じられていました。

  昔は素堀りの水路で、側面には緩い傾斜がついていましたので水路に入っても難なく飛び立つことが出来たのです。

  整然とほ場整備された現代の田んぼは、危険だらけになってしまいました。
 
  やっと広々とした地上に戻り周囲を見渡していた。     開放感に喜びバタバタと伸びをしたが、翼の下は泥だらけである。何日間も閉じ込められていたのでしょう。

  私一人ではどうすることも出来ないので、広域消防神岡分署に協力を要請。署員二人が水路に入り、両側からはさみ無事に保護することが出来ました。

  思ったよりも人馴れしていたのか、それとも弱っていたのか暴れることなく難なく捕獲されました。

  狭い水路を何日間も行ったり来たりしていたのだろう。体は泥だらけになっている。

  羽と体には特別けがなどが見当たらないので、水路から抱き上げて直ぐに放してやることにした。
 
  なかなか飛び立とうとしないので、お腹でも減っているのだろうと、クズ米を与えることにした。   仲間のいる方向へ元気に飛び立ってくれました。

  やっと解放されたコハクチョウは、遠くから聞こえる仲間たちの呼び声に反応するかのように、とことこと歩き出した。

  飛び立つ体力が残っているのかと心配したが、意を決したかのように仲間のいる方向へ一直線に飛び立っていった。

  忙しい中、救出にあたってくれた消防署員に感謝申し上げます。(大仙市北楢岡住・日本野鳥の会会員)