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全長 90センチ。
うっすらと雪が降り積もった広い田んぼの中、1羽のオオヒシクイが見つかった。マガンと似ているがクチバシの色で区別できます。
| マガンと似ているが、クチバシやお腹の模様で区別されます。 | 落ち穂でも食べているのだろうか。 |
過去にマガンが一度だけ飛来したことがありましたが、オオヒシクイは初めてです。常に数十羽から数百羽の群れで行動する習性から、広い田んぼの中にたった1羽でいたことは、仲間からはぐれてしまったのでしょう。
望遠レンズで覗いてみると、右足がケガをしているのか不自由な歩き方です。ケガが原因で体力が低下し、仲間について行けなくなったのだろうか。
| たった1羽で淋しくないだろうか。時折顔をもたげ周囲を警戒していた。 | 右足をアップで見たが、ケガの状況は確認できません。 |
もし、飛べる力が残っていなかったら間違いなく死んでしまいます。このまま放っておいてよいのか迷った。今日はちょうど助手の渡辺亮君が同乗していたので手伝ってもらうことにした。
飛び立つ体力があるのか確かめなくてはならない。驚かさないように出来るだけゆっくりと歩いて近づいてもらうことにした。
100メートルの距離からじわりじわりと進み、あと10数メートルまでに迫った。オオヒシクイは首をあげ亮君をじっと見つめた。そして「グワハン、グワハン」と甲高い声をあげ、目の前を横切るように飛び立った。
| あと10数メートルまで近づいた。 | 目の前を横切るように飛び立っていった。繁殖地までの長旅になることでしょう。元気に到着してほしいものだ。 |
そのまま水平飛行を続けると、まもなくぐんぐんと高度を上げた。やがて双眼鏡でも見えなくなってしまった。
足のケガに負けることなく生き延びることができるでしょうか。一安心してから、小さな不安が頭をよぎった。(大仙市北楢岡住・日本野鳥の会会員)