サンノゼは相変わらず不安定な天気が続いています。土曜日には青空が広がりましたが、日曜日は雨の予報。週間天気予報も雨と晴れの日が交互に来るとのことで、雨で汚れた車の洗車をすべきか?本当に迷っています。ただ、植物だけは春を先取りしている感じで、庭の水仙、椿、つつじに木蓮等の花が見事に咲いています。
今日は前回の求人休職の第2部と云うことで書いてみます。履歴書が採用に至る課程の第一歩。ここで落とされては次がありません。さて求人側が履歴書の内容に関心を持つと、応募した本人に電話が入ってきます。面接の日時の確認です。面接はこちらではインタビューと呼ばれます。この日だけはカジュアルの世界のシリコンバレーでも、インタビューを受ける応募者は99%スーツにネクタイ、女性もビジネススーツで求人側の会社に出かけます。(アメリカでもリクルートスーツは存在する訳です)。
集団やグループでインタビューを受けることは、まずありません。大体は小さな会議室を利用してのインタビューとなります。面接者としては最初、人事関係者から本人の経歴の確認や会社の簡単な説明があった後は求人部門に実際のインタービュー作業はひきつがれ、実質、採用
不採用の判断も直接人を求めている部門が決めることが普通です。またインタビュー自体も一度と云うケースは少なく、複数の応募者に対して最初のインタビューを行って2回目のインタビューの為に応募者を絞り込みむと云う形がとられます。ですから第1回目のインタビューでは応募者の総合的な印象とか性格、話し方とか態度からこの応募者は会社の中で旨くやっていける人か否か?履歴書の記述内容に過大な表現が無いか?記述の中の実務経験に関して詳細な説明を求める等にポイントが置かれます。日本の面接は両者が距離を置いて着席し、面接の場と云う独特の雰囲気がありますが、こちらでは小さなテーブルの両側に対面しただけの面接です。
ただし、このインタビューで、求人側が最大限注意を払わなくてはいけない点があります。セクハラまがいの質問はもちろん厳禁ですが、直接仕事の能力に関わらない質問、たとえば人種や出身国、年齢、私生活のこと、家族のこと等々質問することは差別に関わる質問として禁止されています。たとえば何処の生まれですか? 何歳ですか? 既婚ですか?未婚ですか?お子さんはいますか? お父さんの職業は?何処にお住まいですか?等と云うような質問です。また職種に関わりない内容の試験をすることも禁止されています。たとえばワープロ作業を主な仕事をする人の採用試験にワープロ作業能力をチェックする試験は認めれますが、一般常識だからと云って数学の問題を行うようなことは出来ません。
日本企業がアメリカに進出し始めた当時、習慣の違いと云いながらも、現地で人を採用した時に、少なからずこれらの間違いを犯してしまい、労働局から警告を受けたり、訴訟されたケースがずいぶんあったようです。
インタビューが複数回になることは先に説明しましたが、技術者やマネージャーなどの専門職の採用となると少なくとも2−3回のインタビューが繰り返され、応募者の絞り込みが行われます。社内教育によって専門知識をつけさせると云う習慣があまりない国ですから、最終的には応募者が求人のポストをこなすだけの能力を持っているか?否か?と云う判断が一番重要です。それで最終段階のインタビューともなると、専門的な知識に関わる質疑応答がインタビューの主な目的となります。質問が次々に出され応募者は間髪を入れずに、それらの質問に返答して行かなければなりません。その様子はアメリカの議会での証言と同じようなペースです(日本の証言は質問と返答の間がありすぎて、何か間が抜けているように思いますが)。質問する側はその分野の専門家ですから、返答が不十分な時や間違っている場合等、徹底的に指摘され、応募者もガックリきてしまうこともあるようです。
以上のインタビューをパスして正式な採用が決まると、応募者に後日、電話による採用の通知があり、オファーレターと呼ばれる採用の確認と給与や福利厚生条件(以前に書いたストックオプションの条件なども含めて)が記載された手紙が届き、内容条件に合意出来ればサインをして返送、正式採用となる訳です。
以上は普通の採用プロセスなんですが、実はこの方法によらない採用も多く存在しています。例えば、その業種で名のうれた人の引き抜きと縁故による採用です。縁故で新人を採用するケースも無いことはありませんが、多くは以前に勤めていた企業の同僚とか部下の採用です。
実はシリコンバレーでは、新規企業を早く立ち上げる為に、この種類の採用方法が非常に多いのです。つまりは面接を繰り替えしても、その人物の実際のキャリアを見抜くのはなかなか難しいものです。一方、もと一緒に仕事をした人間であれば、その性格も能力も良く分かっているし採用される側も、不安が少ないと云う訳です。そんなことから、ある会社のしかるべきポストの人間が退職して、新しい会社に参加すると、以前の部下もゴソッと辞めてしまい、ある開発部門がほとんど空になってしまったなんてことも良く起こる話です。
是非の議論は別にして、シリコンバレーでの求人求職は以上のようなものです。
岩間@サンノゼ