日本への駆け足出張から戻ってきました。3日間と云う短い日本滞在でしたが新幹線の車窓から見えた満開の桜を見て、日本では本当に沢山の桜の木が植えられているんだ!と改めて感じました。当たり前なんですが、他の季節ではなかなか気づかないことかもしれません。
今日は少し、アメリカではなかなか受け入れられない物の話を取り上げてみます。
カーナビ:
日本で沢山の車にカーナビが装着されているのに驚きます。またその機能も道路地図上に現在地と方向が示されるような単純なもので無く、立体地図や諸々の市街情報など、その機能を見せてもらうと、極め細かいと云うか?ただただ驚くばかりです。カーナビの原理となるGPSシステムは日本で車に搭載される以前からアメリカではコンシューマー商品として、プレジャーボートと呼ばれる個人用の小型船舶(ヨットやモーターボート)に相当使われていました。今でも船舶応用と云う分野ではこの分野ではレーダーと連動して動作するものや、海図上に自らの船の航跡や速度、方向等を記録しながら現在地を示すものや自動操舵機能とつながるもの等々、それなりに進んだ機器が数多く出回っています。
アメリカは台数的に自動車王国であり、広い国土で、しかも交通手段が個人の自動車に依存する率が高いことからカーナビ市場は巨大であると考えるのは誰しも同じことで、7−8年前に日本のカーナビメーカーは一斉に米国市場に進出したのですが、今でもカーナビと云う商品はアメリカ市場で人気が無く、こぞって進出した日系企業もこの分野の事業からほとんど撤退してしまいました。
アメリカ国内で現在、限られた数のレンタカーにはカーナビが装着されていて、一日5ー8ドルの料金をレンタカー料金に追加すると、このカーナビ装着車を利用出来、初めて訪れる町で運転する時には大変便利なものと思うのですが、自動車メーカーは今までこの製品をほとんど無視してきたが如く、新型車のオプション装備となることも無く、アフターマーケットと呼ばれるカーアクセサリー、カーオーデイオ店や大型家電量販店の店頭にカーナビはほとんど展示されていません。以前に何回か数社が宣伝活動したことはあったのですが、結果が芳しく無かったのか?出ては消えてしまうと云う訳で、車オーナーの関心を引かない商品の一つです。
カーナビシステムの価格はこちらで2000ドル前後。カーオーデイオ機器に2000ドルを支払う人はそれほど珍しくありませんから、予算的には決して安くはないけれど、手が届かない商品でもありません。カーナビ商品不振の理由に、アメリカは全国の路地に至るまで道路名が存在して番地の命名システムが整っているから、目的の場所探しには地図だけで十分に事足りると云うような話も聞きますが実際のことは分かりません。
ただ、数社の自動車メーカーは高級車の2000年新型モデルの一部にカーナビをオプションとして搭載出来るようになりましたが、今のところ私の知り合いが購入した車で、カーナビ搭載のものを見たことはありません。この市場がどうなるか?興味あります。
横長テレビ:
現在、日本でどのくらい流行っているのか?良く分からないのですが、以前、日本に立ち寄った時、横長テレビを持つ家庭が随分多いことと、大きく宣伝もされているのに気づきました。この横長テレビ、日本で発売開始された直後、アメリカの家電量販店でもその商品が展示されました。しかし、実際にはぱっとした販売実績を出す事無く店頭から姿を消しました。
住宅事情は無論、日本と比べて優れていますから、決して横長テレビを置くスペースが無いと云う訳ではありません。むしろアメリカの家庭は一般的に大型テレビを好み、ブラウン管タイプでは30インチ以上、プロジェクションスクリーンタイプでは48とか52インチとか云う大型テレビを持つ家庭が極普通でも、大型テレビはパソコンに次ぐ家電量販店の売れ筋商品になっているのですが、横長テレビへの関心を持つ人は皆無に等しいのではないかと思います。
アメリカは、政策的に、この5−6年の間に従来のアナログ地上波テレビ放送から、デジタル地上波によるHDTVへの移行が実施されていて、その標準画面は横長になるようですが、果たしてHDTVの横長テレビが、どの程度出回るのか?関心あるところです。
携帯電話機:
アメリカは携帯電話の発祥の地であり、利用者の数も日本同様に多いのですが、どうも携帯電話機そのものの嗜好について日本と大きな違いがあるようです。
日本の家電量販店に立ち寄ると、夜店の陳列の如く並んだ携帯電話の種類と数にはただただ驚くばかりです。日本の携帯電話機は超小型軽量であることに加え、デザインも材質もコンシューマー商品として洗練されていて大変魅力を感じますし、最近は電話機としての機能だけで無く、Iモード機とかでWebやメール端末として発展しているのも驚かされます。
一方、アメリカの携帯電話機ですが、まず携帯電話機を取り扱う店舗に立ち寄ると、商品として陳列されている携帯電話の機種はせいぜい5−6種類、10種類も揃っていれば最高で、しかも本体の色は黒が中心です。その大きさは依然として日本の2倍以上ですが厚みも倍以上ありますから、ポケットに入れると、ズシッと垂れ下がるぐらいの重みを感じます。
機能としてはIモードどころか、デジタルへの移行もスローで、依然としてアナログ機も実際の主流ですし、未だにアナログ機しか使えないエリアも沢山あります。要するにバッテリー以外に買い換えをしないユーザーが多いと云うことかと思います。
日本人的な感覚からすると圧倒的に携帯電話機の製品技術もデザインも日本が進んでいて、日本のメーカーは技術的にも優位にあると思うのですが、日本の携帯電話機メーカは米国市場でアメリカと欧州勢に負けてしまい数年前にほとんどが撤退してしまいました。
アメリカ人は手が大きいから日本で作られるような小さな携帯電話機は使いにくい?なんて云う人もいますが、どうもアメリカ人が携帯電話機に求めているものは電話としての機能以外、通話料の安さであり、携帯電話機として使えれば月額使用量が安い程良いと云うことを一番のポイントにおいているようです。最近ですと200分間の通話は長距離、近距離に関わらず一律月25ドルとか、同じエリアであれば1000分間は一律月10ドル等と云うような契約が携帯電話利用者に最も魅力ある条件になっています。
ですから携帯電話機の売れ筋機も安いと云う理由で大きくて重くて色も黒と云うことになり、持ち運びもポケットに入れるのでなく、腰のベルトにぶら下げると云うようなことになっています。
鍋物:
最後は食べ物の話です。スキヤキは日本食としてアメリカで一番始めに受け入れられた料理のように思うし、その名前も良く知られています(歌の影響?)が、日本食レストランの中でスキヤキを注文したり、食べている人を見かけることはほとんどありません。
日本に来てしゃぶしゃぶを食べて美味しかったと云う人達も多いのですが、こちらで注文する人をあまり見かけません。味がベストか?は別の問題として、食材の安い国ですから、コックの手間があまり要らない鍋料理のようなものは安い値段でたっぷりとした量を食べることが出来る筈なのですが、実際の人気はいまいちです。
鍋物がアメリカ人に流行らない理由は、どうも共通の鍋の中で、みんなが箸をつっつきあうと云うスタイルに何か抵抗があることと、お金を出してレストランに入って、何故?自分で料理をしなければいけないのか?と云う一種のこだわりにあるようです。
材料を単に鍋に移して煮るだけの作業ですが、これが特にアメリカの主婦にとっては非常に不満らしく、同じような理由でお好み焼きや焼き肉の店の類も、味が嫌いでは無く、面倒くさいという理由で好まれないようです。
情報化社会の中で世界の文化はますます融合してきている訳ですが、それでも、ままお互いの価値観の違いを、仕事や人との接触を通じて感じることがあります。個人的にはこのギャップを埋めようとすることより、逆にお互いにその違いを尊重することが、双方の信頼につながるような感じがしますが、アメリカと云う国は政策的にはその違いを認めず、むしろ押しつけようとしているような印象を受けます。
ではまた!
岩間@サンノゼ