日曜日23日はイースター。この日を中心に春休みの休暇を取る人も多いのですが、私の方は相変わらず有給休暇も取らずに仕事をしています。この土地のベンチャー企業で働く人達は習慣的な祝日にこだわらず、本人が休みたい時に休むと云うスタイルが定着しています。それでも年間15日プラスアルファーの有給休暇を全部取得する人は珍しく、自分の周りを含めて平均的に良く働く人が多いように感じます。
さて、日本でも同じようなものだと思うのですが、今、日本メーカーの製品でもメードインジャパンと書かれたものを見つけるのは意外に難しいように思います。それでも、この製品が何処で生産されたか?を不問にしても日本メーカーの製品の品質は一級であり、アメリカ市場でも幅広く受け入れられています。その典型的な製品の一つは家電製品だと思います。この分野で日本メーカーのブランドは品質に関する安心のお墨付きのようなものとアメリカ人も感じています。しかし、それだけ信頼感の高い日本メーカーの家電製品といっても、全てが全てアメリカで受け入れられている訳ではありません。製品群によっては意外に未だに市場に参入出来ていなかったり、既に市場から落ちこぼれてしまったような製品もあるのです。今日はそんな話を中心に取り上げてみたいと思います。
テレビ: 日本の家電メーカーの製品の代表はテレビでしょう。多分、日本の家電メーカーのブランドに対する信頼感はカラーテレビによって作り上げられたのではないかと思います。もっとも日本メーカーの製品と云っても現在は特殊なサイズを除き、ほとんどがメキシコを含めた北米で生産されています。それでもサイズに関わらず日本メーカーの製品は圧倒的な人気があります。一時期、他のアジア諸国のメーカーの製品が市場に入ってきたこともありましたが、結果的には欧州のメーカー一社と僅かな米国メーカ(実際には東南アジアメーカー品を自社ブランド名化したものですが)を残すだけで、残りは全て日本メーカーが市場を制覇。店頭には日本メーカーのブランドが並んでいます。一つ気になるのは間違い無くアメリカ人に受け入れられているのですが、どういう訳か?コンシューマー商品を民間で評価し、その結果を雑誌にしているコンシューマーレポート誌等は日本メーカーのテレビ製品を必ずしも最高にランクしていないことがままあります。
AV機器: レシーバーとかアンプに関して言えば米国メーカーは一定のマニア層の市場を確保しているだけで、これも日本メーカーの製品が圧倒的な市場を確保しています。特にミニコンポとアフターマーケットのカーステレオ等は日本メーカー以外の製品を見つけることが困難な状態です。また、DVDやVCRも日本メーカー製品がほぼ市場の100%を占有しています。しかし、スピーカーとなると日本メーカーの製品は全く元気がありません。スピーカー市場で圧倒的に人気がある製品はほとんどアメリカメーカーのものであり、日本でオーデイオ専業メーカーとして知られたメーカーのスピーカーも、こちらではほとんど関心を持たれません。確かに音に関しては数字で表現出来る性能だけでは無いようにも思うのですが?なぜ競合出来ないのか?個人的には不思議でなりません。たまに広告に載っている日本メーカーのスピーカー製品は安売りの目玉的な存在であり、とても一流品の扱いではありません。こんな状態なんですが、カーステレオ用のスピーカーの話になると日本メーカー勢も結構、元気があるのです。何処に違いがあるのか?良く分からないのですが音の市場は微妙です。
白物家電: 日本メーカーの製品をほとんど見かけない代表のような分野です。冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、電子レンジ等の製品は日本メーカーの存在感すらないような感じがします。、日本メーカーの小型の電子レンジが時々大型デイスカウントショップのチラシ広告に載ることはあるのですが、これも安売りの目玉商品としての扱いです。実際の生活に利用してアメリカメーカーの大型冷蔵庫は特に故障も多くないし、収納
力も大きく、使い勝手に不満もありません。洗濯機や乾燥機等は製品として15年以上の寿命は当たり前。相当古い製品の部品が壊れても、比較的簡単に入手することが可能ですし、メーカー名に関わらず、電話一本で当日に出張修理サービスしてくれる会社(ほとんど個人業ですが)も沢山あります。逆に考えると使い捨て文化の上に成立するような日本の家電メーカーの体質に合わない(?)製品なのかもしれません。
エアコン: 日本と違い全室冷房を一台のエアコンでまかなってしまう為、、必然的に大型の製品になり、エアコンの室外機は1m四方以上のサイズです。日本で云う工業用もしくは商業用のエアコンを家庭に持ち込んだようなものです。アメリカ製エアコンの共通した問題はエアコンの室外機の運転中の騒音がひどく、締め切った室内に居ても室外機の運転中の音は賑やかに聞こえると云うほどです。日本から旅行にこられてモーターインと呼ばれるホテルに宿泊したら、夜中、エアコンの騒音で、ほとんど寝られなかったと云う人がいますが、あながち誇張でもありません。近所の家との距離が無い日本ならではの工夫かもしれませんが、日本のエアコンの室外機は本当に静かだと思います。しかし、それだけ優れた特徴を持つ日本メーカーのエアコン機なのですが、家庭用として日本メーカーのエアコン機をこちらで見かけることはありません。ほぼ100%アメリカメーカーの製品が市場を握っているようです。多分、理由の一つは窓枠に取り付けるような小型のエアコンは例外ですが、普通の家庭用エアコンはその取り付けに電気工事と排水工事が必要となります。この2つの工事は工事方法や用いる部品等々、各町の条例で大変厳しく規定されていて工事免許を持った業者でしか出来ません。また工事が完了した後は市の検査官が現場に来て工事内容を確認し、条件を満たさない場合は再工事を要求します。つまり、エアコンは他の家庭電器製品を取り扱うような店舗で取り扱えるような製品で無く、彼らが取り付け工事をおこなうことが出来ない製品です。日本の家電メーカーが今までに米国で開拓してきた市場は、どちらかと云うと手離れの良い製品を指向して物流を中心とした販売チャンネルを築きあげてきたので、手間のかかるエアコンのような市場は全く未開拓のままになっているようにも思います。
掃除機: これは私も不思議に思うのですが、日本メーカーの製品は市場でほとんどゼロの存在ではないかと思います。市場は昔からあるアメリカのメーカ数社が握っています。技術的に優越つけがたい商品なのか?、あえて日本製品が参入してもセールスポイントが無いと云うことなのか?良く分かりませんが日本メーカーの製品がありません。日本とアメリカの掃除機の大きな違いはアメリカではほとんどがステイック
型と呼ばれる一体型の製品で、ホースがありません。
小物家電品: ひげ剃り機、ヘアードライヤー、ジューサー等々色々ある訳ですが、日本メーカーとして市場で存在感が多少あると思われるのは1社だけ。後は欧州メーカーとアメリカメーカーが強い分野です。多分、これからも日本メーカーが参入してくることも無いように思います。唯一、この分野で日本メーカーが市場を伸ばしているものはアメリカ人の食生活の変化に伴って増加している電気釜ではないでしょうか。これは日本メーカーの過去のノーハウの実績ではないか?と思います。ただ、製品の中には日本ではもう見ることが出来ないような丸形の白い外形に黒の取っ手、クロームメッキの蓋に黒の取っ手と云う電気釜の原型に近いような製品も店頭に並んでいます。
ボータブル家電: ポータブルのCDプレヤー、MD、MP3プレイヤー等は日本のメーカー製品がほとんどの市場を占めています。ただ、今までは日本製品が常に市場に先行して発売されるのが常だったのですが、PC製品の延長上にあるMP3プレイヤーの登場、アメリカでは日本メーカ製品が先行して市場参入した訳でなく、東南アジアメーカーの製品が市場に現れてから半年後に日本メーカーは後追いした形になりまし
た。この分野の製品は今後、日本メーカーを脅かすような海外のメーカーが数多く出てくるような気がします。
携帯電話機: 日本を訪問する度に、日本の携帯電話が小さくて軽いことに関心します。多分技術上の問題でないと思いますが、携帯電話機に関する限り、日本メーカーの製品はアメリカ市場から消えてしまいました。10年ほど前までアメリカで使用されている携帯電話機ば日本メーカーの製品が代表的であったのですが、その後に欧州メーカーが参入し、アメリカメーカーの力が盛り返したこと等が日本メーカーの立場が弱まる原因だとは思うのですが、外形や機能から判断する限り、依然としてアメリカ国内の携帯電話機はどう判断しても日本の4−5世代遅れた製品のように感じます。なぜ市場から消えてしまったのか?業界を知らない私にはミステリーのような感じがします。
コードレス電話機: 携帯電話機が上記のような状況であり、日本メーカーの存在感も無くなってしまったのですが、家庭用コードレス電話機は圧倒的に日本メーカーの製品なんです。2−3社の日本メーカーの製品が市場を独占しているような感じです。日本メーカーの製品としては人気のあるものの一つです。裏話ですがコードレス電話機の価格が日本より圧倒的に安いと云うことで、出張ついでにアメリカで購入して日本に持ち帰って使っている人達が随分います。最も利用電波の周波数や規格の違いなどから法的には違反であり、製品の入った外箱には米国以外では利用出来ませんと印刷書きされています。
こんな訳で、一口に家電製品と云っても、製品によって日本メーカー勢の得て不得手てがあるらしく圧倒的に市場を押さえている製品がある反面、日本勢が全くふるわなかったり、市場参入も出来ない分野や、参入したけれど既に市場から落ちこぼれてしまった分野等々、本当に世界の製品が競争しているのがアメリカだと思います。
ではまた
岩間@サンノゼ