東京や大阪の知人のメールでは雨が降って猛暑も一時中断!なんてことが書かれてました。秋田の方はいかがですか?。サンノゼは相変わらず大満足の天気。朝の気温は低く、昼までに気温は上昇するものの、午後になると冷たい海風が程よく吹いて気温は下がると云う、快晴の心地よい天気が続いています。夜などは半そでではひんやりした感じ。この時期は世界中で一番の夏を過ごしやすい土地で暮らしているような気持ちになります。
今日はこちらの住宅事情を少しお話します。電子関連やソフトウエア産業が盛んなサンノゼ地域には全米からだけでなく、世界中からベンチャー企業の魅力にとりつかれた経営者や技術者が集まって来ています。その影響から、この地域の人口増は急激で、1990年ごろ、人口75万人と云われたサンノゼ市は、99年の統計では人口90万人を超える都市になりました。
驚く無かれ、今ではサンフランシスコ市を抜いて、カリフォルニア州ではロスアンジェルス、サンデイエゴに次ぐ第3の人口を持つ都市になってしまいました。この人口の急激な増加はサンノゼ市だけ出なく、その周囲の都市も同様で、地域全体に都市問題が顕在化してきています。その中で特に深刻になりつつあることが住宅不足の問題です。現在、交通問題とこの住宅問題の2つが行政の最重要課題として上げられ、色々な対策が取られているのですが、住民の目から見ると、結果はさっぱり!と云う状況です。要するに問題になっているのは賃貸住宅も購入住宅も、極度な不足状態が続いていることです。
賃貸住宅の代表はやはりアパートになる訳ですが、市内の中心部の再開発地域を中心に大型のアパート建設がどんどん実施されてきているのですが不足は解消せず、良いアパートを見つけて入居を希望しても、既にウエイテイングの入居希望者名がずらっと!と並んでいると云う状態です。理屈どうり、この需給のアンバランスが家賃の高騰につながり、数年前まで月額900ドルぐらいで借りることが出来た1ベッドルーム+リビングルーム+キッチン+バスルームと云う最小サイズのアパートが、今や月額1300−1800ドル(約14万円ー19万円)と云う家賃の水準に跳ね上がっています。
サンノゼ市を含むシリコンバレーと呼ばれるこの地域の住民の平均所得は他の都市や州の平均と比較すると、著しく高いのですが、それでも異常な値上がりで、入居者にとって毎月の家賃は大きな負担です。まして、住宅補助と云うようなものが給料に上乗せされることの無い給与システムの国ですから、家賃の負担イコール給料の目減りにつながります。まあ、経験ある技術者の給与から考えると、高いとは思いながらも支払える額ですが、学校を卒業して始めて就職したような人達にとって、とても一人ではアパートを借りて家賃の支払いが出来る水準をはるかに超えているため、この地域の多くの独身者は2人もしくは3人で複数のベッドルームがあるアパートを借りて、同居と云う、いわゆるルームメートが必然的になってきています。
流入する人が多ければ、また住宅を購入を希望する人も多い訳ですが、日本から比べれば広い土地とは云え、やはり限られた面積の土地の中で住宅地が無制限にある訳ではありません。特に宅地の新規開発には色々の制約が課せられている為、一戸建ても思ったほど増えていません。市としては条例を緩めて新規な宅地開発を認める傾向にありますが、住宅開発をするより事務所のためのビルを建設したほうが利益を得やすいことや、大型の新築住宅開発が出来る土地も限られてきたことなどから、一戸建て中古住宅の価格の高騰も激しく、4人家族が暮らす平均的な3ベッドルームサイズの中古住宅価格は40万ドル(約4400万円)ー50万ドル。新築であれば60万ドル(約6500万円)代の値段は普通と云う値上がりです。無論、片道の通勤の運転を2時間以上覚悟しても良いと思えば、それなりに離れた土地で同じ様なサイズの住宅を25万(約2600万円)以下で購入することは今でも可能ですが、鉄道などの公共交通機関が完備されていないこの地域では、日本の電車のように混雑はしていても確実に一定の時間内で通勤できる保証が無い車通勤では、平均して2時間の片道運転通勤と云うのは大変なリスクだと思います。そんな訳で、ある近郊の町では住宅購入後のトラブルを避ける為に不動産屋の広告とは裏腹に住宅購入者に対して、この地域からサンノゼ付近に通勤すると、平日は平均3時間程度はかかると云う警告を広告として出していました。
どうも住宅購入者の多くは通勤ラッシュの無い週末に家探しをするので、平日と比べてハイウエーが空いている為に、感覚として思ったより近いと誤解をしてしまい、暮らし始めて始めて通勤の問題の深刻さが分かると云う問題の発生を避けようとしています。
そんな訳で、交通の便が比較的良い地域の住宅はえっ!これがと思うような物件が80万ドル、90万ドルと云うのは珍しくなく、日本流で云う一億円を超える家の広告も驚く人は無くなりました。
アメリカ国内全体で考えると、まだまだ多くの地域で15万ドルから20万ドルも出せば、それなりの家が購入出きることを考えると、やはり、サンノゼ市およびその周辺の都市の住宅価格は一時の日本のバブルを感じさせます。
住宅を相場に合わせて売り出したところ、売出価格より、2割ほど高く売れた等と云う話も珍しくありません。買い手と売り手の間の交渉から生じた結果では無く、買い手どうしが、オークションさながら、購入価格を吊り上げてしまったと云う馬鹿な話です。
これは最近に起こった話ですが、この人口増が学校の生徒数の増加をも招いています。それでも教室や学校は必要に応じて建設することが出来るのですが、先生が足りません。アメリカでは先生の給料と云うのは、大学卒業者が就く職業の中ではずば抜けて安いことは良く知られています。特に、サンノゼ市を含むシリコンバレーでは、その給与差は更に激しく、先生と云う職業に就く人が非常に少ないのも現状です。そんな事情から地元で先生を確保することが出来ないために他の州から先生を集めています。
ただ、新任の先生の給料で、アパートを借りると云うのは先にお話したように大変困難である為、教育委員会がプロモーション活動の一環として割安なモーテルを貸し切って、それを先生に貸し与えていたのですが、モーテルの所有者は教育委員会との交渉で決めた契約料が安すぎると判断し、初回の契約の満了後はその契約を更新しないことを決めたのです。結果としてそのモーテルを住居としていた先生達は明日から住むところが無くなってしまい、数10人の先生が、その最終日に持っていた生活用品の全てを車に押し込んで、宿の無いホームレスになってしまったと云うニュースがありました。
まあ、どう考えても家賃や住宅価格はバブルそのもの。本当にこの状態がいつまで続くのか?不安です。
では! 岩間@サンノゼ
添付写真1:建設中の一戸建て建売住宅(昔と比べて土地も狭く、住宅も小さくなりました)
添付写真2:建売住宅建設地にあるモデルホーム(旗が立っているのは日本と同じ?)