岩間郁夫さんの「アメリカ暮らし(96)ぺブルビーチ」(00・8・17)

 週末はサンノゼから南西に一時間半ほど車で走った太平洋岸にある風光明媚なモントレーと云う町に出かけてきました。このモントレーの町はロスアンジェルスやサンフランシスコと比較にならぬほど長い歴史を持っている町です。解説によると1602年にスペイン人の航海者によって天然の良港として発見され、時のメキシコ総督の名前を取ってモントレーと名付けたそうです。ただ、その後、ここを訪れた人も無く、1770年に彼の航海記録を基に訪ねたスペイン人の宣教師と軍人によって再発見され修道院と基地が建設されたそうです。驚くのは、モントレーはカリフォルニアが合衆国の州として独立する以前、メキシコの領土であったので、この町はカリフォルニアの首府だったそうです。またアメリカの小説家スタインベックの小説に良く出てくる町です。

 更に、この町の南にはアメリカでは芸術家の町として知られ、以前、映画俳優のクイント・イーストウッドが市長を勤めて有名になったカーメルと云う町があります。その2つの町に挟まれた小さなモントレー半島の地域に世界の著名3大ゴルフ場の一つと云われるペブルビーチがあります。ちょっと前に今年のPGAビッグタイトル:USオープンが開催され、タイガーウッドがダントツで優勝したコースです。この地域には難易度が高く、すばらしいレイアウトを持つ美しい複数のプライベートコースやパブリックコースが集中するところで、その中に5億円とか10億円と云うアメリカでは別格に高い高級住宅が点在し、住宅がある関係上、学校やスーパーも存在すると云うところです。もちろんこれらのゴルフコースの中ではペブルビーチゴルフリ
ンクスは名実共にトップの貫禄を持っているのですが、このコース、実はパブリックコースです。

 理屈では料金を払えば誰でもプレーが出来る訳なんですが、1−2ケ月前の予約はまず不可能、4−6ケ月前の予約でもどうかな?と云うような状況で、アメリカのパブリックコースとしては例外的にプレーすることが難しいコースです。しかも、料金は一人350ドルほどですから、これもパブリックコースとしては例外的に高い料金です。短期間の予約で、どうしてもペブルビーチでプレーをしたい場合には、このゴルフ場に隣接したザロッジと云うホテルに泊まると、宿泊期間中にプレー出来る可能性が非常に高くなりますが、しかし、このホテルも一泊最低350ドルしますから、滞在中の食費などの経費を加えるとゴルフを一回する為に最低10万円の予算が必要となります。平均的な宿泊者は5−6日間滞在して、この地域の有名なコースを全部まわるそうですから、家族で来た場合などは大変な費用になってしまいます。こちらに来られる日本のゴルフマニアは日本も高いから大したことないよ!なんて言いますが、平均的なアメリカ人家族にとっては、とてつもない娯楽費で、一年間のバケーション代が一日で吹き飛んでしまうような感覚です。

 しかし、このコース。私のようなヘボゴルファーには単にストレスが溜まるだけ何の面白さも無いコースなんですが、唯一その巧みなレイアウトと景色の素晴らしさ、それに良く手入れされた芝の青さが目にしみることには感激します。そんな訳でゴルフをすると云うより、庭園を散策しているような感じがします。一度だけでの贅沢と割り切って、今年のAT&TプロアマとUSオープンの2回タイガーウッドが優勝したコースを経験すると云うのも楽しいかもしれません。最後に、ここはパブリックコースでは珍しく、オートカートが利用出来ません。2人のキャデイーにバッグを運んでもらうことになります。また、素人には難しすぎる理由からか?ローカルルールがあって(ほとんど救済の為)、その都度、キャデイーが救ってくれます。
 
 
モントレー湾の風景
ペブルビーチのシンボル(名前は一本松)
ペブルビーチゴルフリンクス #1テイーグラウンドから