ケンニチの表紙を飾る初雪の写真。冬だなー!と云う実感が湧いてきます。なかなかですね。読者の広場の中で、開かれた大学についてのお話があったので、今回はカリフォルニアの大学のことについて2回に分けて書いてみようかと思いました。
細かく分けるとこちらの大学のシステムは複雑なのですが、一般的に高校を卒業した後の高等教育機関としては2つに分けられます。一つはコミュニーテイーカレッジの存在であり、一つは大学です。大学と云う英語のUniversityとCollegeでは何が違うか?と云うと厳密な違いはありません。日本で習った知識ではUniversityは総合大学で、Collegeは単科大学だ
たっだのですが、そうでもあり、そうでもありません。大学でもInstituteと云う名称を名乗るところもあります。
さて最初のコミュニテイーカレッジですが、大体はその地域の多くの高校を統括する学校区内に一つ存在し、運営は学校区(School District Office)が担当しています。コミュニテイーカレッジは2年制のシステムで、基本的にはその学校区に在住する大人の全てを入学候補の対象にしており、無試験で入学可能です。大学の一般教養のような講義からコンピューターや経理、秘書などの実務教育科目、外国出身者に対して英語を教えるESLクラス(日本からの多くの留学生がこのクラスを受けています)、それにアート系のもの、運動系のもの、趣味に近いようなものなどのクラス(日本のカルチャーセンターに類似)等の科目を揃えています。もちろん科目の内容によって単位になるものと単位にならないもの様々です。しかし、コミュニテイーカレッジといえどもキャンパス規模は日本の大学の規模を上回るものが多く、ローカルテレビを通じた通信教育講座や他の大学の著明な教授の授業を衛星放送でクラスに流す遠隔教室等もサービスとして流している所もあります。
一般的に授業料は非常に安く、取得する単位毎に授業料を払えばよく、夜間も10時ぐらいまで、様々なクラスが開かれていますから、就職しながら勉強をしたい学生には非常に都合よく出来ています。2年制と云えども、別に2年間で終わりと云う訳でなく、学生は所定の単位を修得すれば卒業で、準学士の資格を得ることが出来ますし、成績次第では4年制大学への編入が可能になります。さらに高校時代の夏休みを利用してコミュニテイーカレッジで大学の一般教養の授業を受け、そこで単位を取得し大学に入ってからの取得単位数を減らすような高校生もいます。サンノゼ市とその周辺を含めただけで、コミュニテイーカレッジは5つほど存在します。
次に4年制大学ですが、コミュニテイーカレッジ同様、学生には、あまり学年意識がありません。と云うのは日本の大学が学年毎に大学が決めた科目の範囲内の科目を学年毎にトコロテン方式で勉強させる(最近は少し変わったかもしれませんが?)のに対して、こちらの大学は学生が取得する授業の全てがどの科目を選んでよういのか?混乱するほどの選択方式(それだけクラスが沢山あると云うことですが)で、本人の興味があれば専門と異なった科目も比較的自由に取れることです。唯一の条件は本人の専門として選んだ学科を卒業する時に、その学科が規定した必要な科目の単位数を上回ることであり、自分の専門外で選択した科目の単位は、その学科の卒業に必要な単位に数えられないだけです。
逆に本人が選択した専門以外の分野の専門をも勉強してその学科の卒業に必要な単位数を取得出来た場合には2つの分野の学士の資格を得ることが出来ます。たとえば経済とコンピューターサイエンスの両方の学位を取得して卒業と云うことも可能です。(Double Majorと云って大変敬意を払われます)その卒業に至る科目の選択は学生本人の考え方で決まりますから4年で卒業するか、6年で卒業するかも本人の考え方と実力に依存します。大学は一定の成績以上を学生は保持していれば年数は問いません。予断ですが、大学における一般教養科目はなかなか厳しく、学期内に本人の選択した1〜2科目の単位を成績不良で落とした場合は授業の再取得で無く、放校と云う厳しい処分が待っています。ですから同じ年度に同じ学部や学科に入学した学生であっても、一人一人の授業の選択は全くバラバラであり、クラスにはいろいろな学年の学生が交じり合いますから、学年の意識はほとんど生まれません。
さて4年制大学ですが、どこの大学も同じような教育システムと云う訳で無く、その大学の目的がはっきりしていることです。大学は2つの種類に分けることが出来ます。一つは研究型大学であり、、もう一つは実務教育型大学です。大抵の州は同じ州立大学でも、この2つを区分して、それぞれの大学グループを作っています。たとえばカリフォルニア州の場合、niversity
of Californiaグループ が研究型大学であり、州内に9つのUCの名称を持った大学が存在します。UCバークレー、UCLA、UCデービス等がこれに該当します。これらの大学は学部教育同様に大学院教育および研究開発に非常に力をいれており、政府関連や民間企業とタイアップした研究の実施や、その施設を持ち、教員と研究員の数も多く、学部の学生数
に近い数の大学院学生数になってくるところもあります。一方、Califorinia
State Universityグループは社会に役立つ実務教育を目指しています。
このグループに所属する大学はカリフォルニア州内の中規模の都市には必ず設立されていて、地元産業などに非常に密着した教育が行われています。数えたことはありませんが、カリフォルニア州内に25大学以上はあると思います。教育の中心が実務教育におかれている為、大学院は修士課程までは充実していますが、博士課程を持つ大学は限られています。我々地元ではSan Jose State University, San Francisico Stae University,Hayward State Unversity等がこのグループの大学に該当します。また実務教育型大学の特徴は非常に多くの働きながら勉強を続ける学生を受け入れていることで、それらの学生が授業を取りやすい便宜を色々はかっているのもその特徴です。
興味深いのは日本の大学は自らの大学を卒業した学生を優先して大学院に入学させる傾向があるのですが、こちらの大学の場合、卒業した大学と異なる大学の大学院に行くと云うのが、むしろ自然であり、大学自体も学生にそうすることを勧めています。また修士課程から博士課程へ進む場合もまた別の大学を選ぶと云うのも普通の選択です。さらに法学部に該当するLaw School やビジネス修士に該当するBusiness School, 医学部、歯学部、獣医学部などの専門は全て修士課程からがスタートであり、その入学選考にあたっては、出身学部を問わずと云うのが普通です。もっとも良い大学の大学院の入学はなかなか厳しいものがあります。
日本とアメリカの大学の環境の違いは日本の場合、一浪程度の経験はあっても基本的には高校からいきなり大学に入ってしまい大学から大学院もまた同様であり、いわゆる純粋
培養的な学生の中と云う環境で教育を受けるのに対して、アメリカの場合は高校から直接大学に入る学生に加えて一度社会に出てから大学に入る学生や、大学を中座して社会に出てから戻ってきた学生、仕事をしながら教育を受ける学生、別の大学で勉強した経験を持つ学生等など、色々なキャリアや考え方を実地で学んだ学生が多くいる環境の中で教育を受けると云うことです。この違いが、学生の勉強に対する目的意識や意欲に大きく影響していると思います。日本が開かれた大学を目指すとした場合、まず、一度社会に出た人が如何に大学に戻りやすくするか?と云うことで、今の入学試験制度を根本的に変えない限り、幅広い学生や社会人の対等な入学が出来ないように思います。
次回は開かれた大学についてまとめてみたいと思います。
岩間@サンノゼ
写真: 地元サンノゼ州立大学の講堂:(大学のシンボルです)
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