昨日、インターネット新聞を見たら国公立大学の2次試験が始まったと云う記事がありました。あっ!そんな時期か?と改めて3月が近いのを感じました。実は丁度この時期はアメリカでも各大学で新入生の合格発表が行われています。そんなことから今日はカリフォルニア州内の大学合格発表に関わる話をさせてください。
アメリカの場合、所謂、国立大学と云うのは陸海空の各士官学校と商船大学等、非常に限られた数の大学だけです。従って、一般に云う公立大学は州立大学と極少数の市立大学と云うことになります。大学院への入学は別ですが、州立大学の場合、州の税金で運営されていると云う立場からその州の州税を支払う人や家族を優先して入学させることが条件になっています。州立大学の場合は応募を受け付ける段階で州内の人の入学枠と州外の人の入学枠を分けているケースが多く、州外の応募者に対して入学許可の最低ラインを州内の人より厳しくしているケースも多いと思います。しかし、その基準は州の実情によって実際は大きく違いが生じます。
州の人口が全米の中で、ずば抜けて多いカリフオルニア州の場合、州内からの応募学生の数も多く、その競争も激しいことから州外からの入学枠をかなり厳しく制限しています。入学を認められるケースは抜きん出た成績の学生とかスポーツプログラムによる特別枠のような場合に限定されているような状態です。一方、人口の少ない州では州内の応募学生の入学に依存した場合、入学者の平均学力が低下してしまう恐れがあることから他の州からの応募者を積極的に受け入れているところも沢山あります。
それでも州立大学として共通することは州内から入学する学生に対して授業料は安く、州外から入学する学生に対して授業料を割高にすること。更に海外からの留学生に対しては、それよりも高い授業料の支払いを求めるシステムです。根本理由は納税者に対する還元なのですが、気の毒なのは駐在員の子弟の場合です。親がその州内で仕事をしていた場合、当然ながら収入に対して州税を支払っています。従って、納税者であり、州民の子弟同様の授業料の額の支払いでよいように思うのですが、州外から入学する学生に対する割高授業料の恩恵すら受けられないのです。妙なことなのですが、学生としての身分は留学生と云う扱いになり、海外から入学する留学生と同じ扱いになってしまいます。つまり、税金徴収上からは納税義務のある居住者として扱われ、大学入学に対しては非居住者として扱われる訳です。これを避ける為にはアメリカの永住権を取得すれば良いのですが、現実には、その取得がなかなか難しく、短期に間に合うようなものでもありません。
入学許可となる選抜方法ですが、音楽や絵画等の芸術系の学科を専攻希望する場合にはオーデイションと呼ばれる実技試験が科せられますが、それ以外の学科を選択する場合は大学としての入学試験はありません。選抜方法は最近は日本でもよく知られるようになってきたSATと云う能力判定試験の結果と大学によって指定された科目の高校での成績平均値(GPAと呼ばれます)にのとって合否の評価判定が下されます。カリフォルニア大学の場合には小論文(エッセイと呼ばれます)も提出することになっていますが、合否にどのような影響を与えるのか?私は良く知りません。この合否の評価判定は大学の先生によって行われるのでなく、各大学にはこの仕事を専門にするスタッフがいて、彼らが毎年入学許可者を決めることになっています。
SATの試験は年に4〜5回実施されます。この試験の内容は日本の共通一次のような学力試験と異なり、どちらかと云うと、本人の語学系と数学系の潜在能力を測るような試験で2科目各1時間の時間制限があるマークシート方式の試験で、結果は本人に通知されます。両科目各800点、合計1600点満点になりますが、満点を取るのは非常に難しいと言われます。それでも世の中には出来る人はいるもので、毎年、全アメリカで何人かの高校生が実際に満点を取り、新聞で大きな話題になったりします。
SAT試験に関して書店にその参考書類(試験のコツとか例題を載せたものですが)は沢山ありますが、その試験勉強をしてもあまり効果が無いと云われています。私の子供の例ですが、やはりぶっつけ本番で試験を受けました。親としては子供に出来るだけ何回もSATを受けさせて少しでも良い成績を出して欲しい!と云う気持ちだったのですが、結局、本人は2回ほど受けて、もうこんなもん!なんて感じで、それ以上の回数のSATを受けるのを止めてしまいました。一方のGPAは普段の高校での勉強の成績以外にどうなるものでなく、過去の成績を取り消すこともできませんから、本人にとって敢えて希望の大学に入学する為の受験勉強と云うのは全く存在しないことになります。
カリフォルニア大学の場合、合格発表として合格通知と手続き関係の書類が同封されて3月の1週に郵送で各応募者宅に届けれます。多分昨今はインターネット上で合否を知ることが出来るかも知れません?不合格の場合は、その2週間後ぐらいに不合格の旨の葉書が本人に届けられます。これが一般的な合否の発表ですが、地元のサンノゼ州立大学の場合には、前記のような合否通知を採用する一方、大学が入学許可の基準とする成績以上の学生であれば、このような方式に頼らず、合否判定をする大学の専門部門に面接の予約をとって、その日に必要書類を持ち込み、その場で成績の確認を得て、即合格の通知を受けとることも出来るようになっています。
これは感覚的な話ですが、合否の基準に於いて、入学定員枠は当然あるものの、大学自体は定員枠を重要視して選別を行うと云うより、各大学が合否基準とする一定成績を満たす学生は出来るだけ多く合格させようとする配慮があるように感じます。
最後に日本と同様、滑り止めと云う考え方はアメリカにもあります。出来るだけレベルが高いと云われる大学に入学したい気持ちは、どの学生も同じですが、万一、そこが不合格になった場合、確実に入学できる大学を確保してしておく考えは変わりません。そんな訳で、第一志望の大学の合否発表よりも前に滑り止め大学の合格証を手に入れておくことは気持ちの
上で大切です。それでもアメリカの場合は日本で云う浪人と云うことはほとんど起こらないと思います。つまり、編入と云うシステムがよく出来ていることです。また、無条件で入学できるコミュニテイーカレッジのシステムも多く存在しますから、そこで先ずは勉強して良い成績を出し、志望の大学に編入すれば良い訳です。
また滑り止めの話に戻りますが、アメリカの大学は私立、公立に限らず入学金や授業料の納入は入学希望手続きの締め切りとなる夏休み前の6月前後迄に済ませれば良く、その時期にはほとんどの大学の合格発表が終わっていますから、滑り止めの為に取り合えず入学金を支払っておく等、金銭的な負担も生じないことです。
カリフォルニア州内では一週間先に近づいたカリフォルニア大学の合格発表を心持にしている高校生が多いと思います。
それでは!
岩間@サンノゼ
写真:サンノゼの自宅の裏山にも雪が降りました。
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