半袖で一日を過ごしても寒さを感じない季節になりました。本質的に、こちらで暮らす人達は薄着で、ちょっと気温が上がると、待ちかねたように皆半袖やノースリーブになってしまいます。まだ日によっては気温も下がることがない訳じゃないのですが、やはり薄着はカリフォルニア生活のシンボルのようなものです(笑)。まもなく時計も標準時間から夏時間に移り、毎日、一時間早い生活が始まるのですが、今年は今起こっている電力不足が夏にはより深刻になることが明らかなので、節電の為にもっと生活時間を早めるスーパー夏時間を決め、
標準時間より二時間早めたら?なんて話が州議会で検討され始めたと云う話も聞こえてきます。
この土曜日、出張が多く、何となく手をつけて無かった昨年度の連邦税と州税の確定申告をする為の証明資料を揃え、その計算と申告書作りの作業に一日が終わってしまいました。
確定申告用のパソコンソフトが一般に販売されていて、以前よりは随分計算作業等は簡単になったものの、税金関係と云うのは、あまり気乗りがしない作業で、いつもぎりぎりの作成になってしまうのですが、今年は4月上旬と中旬に出張が予定されるので、何とか3月中にはこの作業を終わらせたいと思い、終日部屋に閉じこもることになりました。
そんな訳で以前に話をしたことがあるとは思いますが、今回は再び確定申告の話をさせてください。基本的にアメリカで生活し、所得を得た人はその金額や外国人云々に関わらず、翌年の1月1日から4月15日までの間に前年1月1日から12月31日の所得に対する連邦税と州税の確定申告をする義務があります。我々のようなサラリーマンは毎月の給与から予納と云う形でその年に予測できる給料額を前提に天引きをしてはいますが、この額がイコール納税額になる訳ではありません。こ天引き額を決めるには簡単なワークシート上に、配偶者の有無、扶養家族等など基礎控除情報を入れると給与支払いと税金の予納を代行している会社が予測所得額を基に計算してくれます。しかし、予納はあくまでも予納であって、仮に多めに支払っていても確定申告の義務を免れません。税制上、所得として計算されるものは給与所得以外に銀行利息、株の配当や売却益、固定資産の売却益等など収入と見なされるものは全てこの対象になり、その対象は本人が海外で得た所得も申告しないさいと云う訳です。
例えば日本人駐在員はアメリカ国内で働く企業から月額収入を得ていますが、ボーナスなどは日本の本社から本人が持つ日本国内の銀行口座に振り込まれる場合が多いのですが、この額も本人の所得としてアメリカで申告しないさいと云う訳です。以前に日本人駐在員がこれらの日本で得られるボーナスなどの収入を申告しないことをIRSと呼ばれる歳入省が
見抜いて、特定の企業の日本人駐在員を一斉調査し、税金の追徴と罰金の支払いを命じたことから、日本企業もこの申告に対しては神経質になってきました。
アメリカでは働く全ての人や在住者の全ては、所得を現地で得ない短期滞在者を除き、一生の間付き合うソシアルセキュリー番号(云わば国民総背番号制度)を持っていますので少なくともアメリカ国内の収入に関しては支払い先からIRSと云う歳入省(税務署組織)にこのソシアルセキュリテイー番号を基に報告義務がある為、なかなかごまかしにくいシステムになっていますし、銀行などの架空口座も作りにくいように思います。
まず、1月の上旬に勤務する会社や口座を持つ銀行や証券会社等などから、歳入省の様式に従った個人の収入額と予納した税金の額を証明する書類が届きます。当然ながら同じ情報を歳入省にも報告している訳です。年度の途中で会社を辞めたような場合でも、それまでに働いた収入額を示す書類は先の会社から届けられます。従って、収入に関しては黙っていても、その額を示す情報が手に入る訳ですが、収入が増えれば税金の支払いも多くなるだけで喜んでいられません。
次にどれだけ税金を減らすことを可能にするかの証拠が必要です。つまり税金控除を受ける為の証拠を用意しなければいけません。残念ながら、これは予納した税金額以外の証拠の全ては個人の努力に依存します。つまり、控除の対象として申告するにはどれだけ多くの証明する証拠を持つことが決め手になります。基本的には家族構成による基礎控除の他に住宅購入に伴うローンの利息、老後の蓄財に対する特別枠、仕事をする為に必要な子供の託児所代、寄付金(ボランテイア奉仕の諸経費)、業務用の経費や機器(例えば家のパソコンを仕事に使用しなければいけないような場合)で会社が負担しない金額、仕事を遂行する上で必要な専門書や雑誌代、一定の所得制限の上での子供や本人を含めて高等教育を
受けてる為の控除、個人ビジネスにおける損出(例えば自分の家を他人に貸して赤字が出たような場合)、株や住宅土地売買による損出、自然災害による損失や盗難による損出、高額医療費に対する個人の出費分、仕事による引越しで会社負担されない額、弁護士や蓄財の為の専門家のアドバイス費用、中にはどう証明するのか?不可解ですがギャンブル等による損出なんて云う項目もあります。
10数年ほど前までは、かなり幅倍広い範囲で控除が認められ、その基準も比較的甘いものがありました。例えば車やヨット購入に伴うローンの利息の控除等ですが、その後の重なる税制改革で、税金システムを簡便化されると同時に、この種の特典も消えてしまい、正直なところ現在はごく普通のサラリーマンが実際に控除出来る項目は非常に限られてしまいますし、その控除を証明する証拠に対しての判断も厳格になってきました。クリントン政権になってから弱者保護の為の立場から、ちょっと所得が増えると、控除項目は低所得者に多く、
ちょっと収入が増えると、その控除を受けられないと云う問題を実感しています。基礎控除額は全米一律ですが、広いアメリカ国内では場所による生活費の差は著しく、特にシリコンバレーのような土地は平均所得が全米でも有数に高いところで、多くの人がクリントン政権の決めた高額所得者のカテゴリーに入ってしまい、諸々の税制上の恩恵を受けられないにも関わらず、住宅費や物価も全米でもっとも高い土地ですし、個人住宅を持っている人はそれでも住宅ローンの控除を受けられますが、アパート等で暮らす人は何の恩恵も得られず、出費だけが大きく、税金も多く支払わなければいけないと云う妙な状態になっています。それでもカリフォルニア州はクリントンの所属した民主党びいきと云うので私には理解しにくいのですが(笑)?。
さて、申告額の計算と申告書の作成ですが、多くの人がこの時期に市販されるパソコンソフトを利用しています。必要情報を入力するだけで計算が行われ、申告書もプリントできる訳ですが、まだ、申告書の手引きや申告書のフォームに手に入れて手計算、手書きをする人も沢山います。申告書のフォームは税務署に連絡すれば郵送してもらえますし、郵便局や銀行、図書館と云った施設でも受け取ることが出来ます。ただ複雑なケース、例えば遺産を相続した時とか、引越し等によって複数の州で所得があったような場合、離婚などによって諸々の清算を行った場合等は、やはり公認会計士の力を借りた方が無難です。ですからどこの会計事務所はこの時期は大忙しの状態になります。(実は申告書の作成に必要な費用も
控除の対象になります)いずれの方法にしても、出来上がった申告書にサインをし、追徴分があればその額の小切手を添付、締切日の4月15日までに発送すれば一件落着します。また、税金に払い込み過ぎがあれば、その額が後日、税務署から小切手として本人宛てに送られてくるか、自分の指定した銀行口座に振り込まれます。
最近は紙による申告の他にインターネットを使った電子申告、FAX申告、それに独り者で所得もそれほど多くなく、簡単な申告内容の場合は電話のプッシュボタン操作だけで申告を済ますことが出来るようになりました。ただいずれはインターネットを使った電子申告に集中していくのではないか?と云う感じがします。
云わば年中行事のようなものですが、やはり面倒で頭の痛い作業に違いありません。反面、納税者としての意識は強くなり、日本のサラリーマンのように取られっ放しでお終い。高いと云う意識はあっても、税金の使われ方に対する関心はあまりない。と云う状況とは大きな違いがあるように思います。国会議員などに会って、要望や質問を伝える時に、大抵の人が‘納税者の一人として。。。。。‘と話を始める根拠もここにあるような気がします。
それではまた!
岩間@サンノゼ