岩間郁夫さんの「アメリカ暮らし(123)ラスベガス」(01・4・8)

 4月5日、木曜日にラスベガスで開催されていたトレードショーから戻り、9日、月曜日からは東京へ出張です。東京から戻りますと1週間おいてまたラスベガスへ出張と云う移動の多い4月の予定です。出張の多い時でも、1ケ月間に2度もラスベガスに出かけることは珍しく、会社の仲間からはラスベガス行きイコール遊び?ギャンブルする?と云うように思われているのですが、観光でなくてトレードショーに参加すると云うのは、終日、歩き詰め、立ち詰めなので、これまたなかなか体力のいる仕事です(笑)。

 そんな訳で今日はラスベガスの町の話を取り上げさせてください。ラスベガスはサンノゼから飛行機で1時間ちょっとで行ける距離なのですが、車でハイウエイーを走ると11時間ほどの時間が必要です。直線距離的にはサンノゼからロスアンジェルスとあまり変わらない筈なのですが、サンノゼ−ラスベガス間には直線的に進めるハイウエイーは無く、一旦南に下って、それから北に上がると云うV字型コースになってしまう為、大変な距離になってしまいます。

 また、ラスベガスに至るハイウエイーは茶褐色の色をした鋭利な形の岩肌剥き出しの山と岩交じりの砂礫の間に緑の少ない潅木が生えた砂漠の中を走る道で、人間の生活を感じさせる所は給油したり、食事をする時に立ち寄る小さな町(町とは云えないほど小さい)以外にありません。そんな殺伐とした景色の中を長時間運転していると見えてくる高層ビルが目立つラスベガスは盆地上になった砂漠の中で存在し、どうしてこんなところに大きな町が?と云う不思議さを感じさせます。

 今まではよほど時間の無い限り、日本人の観光客は立ち寄らない場所でしたが、4〜5年前から成田−ラスベガスの直行便が複数の航空会社から運行開始されるようになってから、日本人観光客が急に増え、今は大変、ポピュラーな旅行先の一つになってきたような感じがします。リピートアメリカ旅行者の方でハワイやサンフランシスコ、ロスアンジェルスなどの訪問では飽き足らない日本人観光客の方はラスベガスに訪れ、目当てのギャンブル、デイナーショー、ショッピング、ゴルフなどを楽しむほか、デスバレーとかグランドキャニオンなどの国立公園や巨大な人造湖を持つフーバーダムに出かける拠点として滞在する関係上、色々な目的で観光訪問出来る町として、これからも日本人観光客が益々増えるような感じがします。

 アメリカ人、外国人を問わず、訪れる訪問者に対して、この町はアメリカでも最多部屋数を持つホテルの多いことでも知られ、一つのホテルの部屋数が3000室と云うのは珍しくなく、最大級のホテルの部屋数は5000室を超えていて、競合する著名な観光地のハワイやマイアミのホテルよりはるかにスケールの大きいホテルが多いことでも知られています。更に旅行者にとって魅力あるのは訪問者にはギャンブルで遊んでもらって大きなお金を落としていってもらうと云う意図から、ホテルの宿泊費が他の観光地と比べると大変割安で、その質も良いことです。特に週末でない日に滞在した場合、こんな立派なホテルでこの値段?と必ず驚くほどの割安な料金で宿泊することが出来ます。特にリピート客は大事にされ、ギャンブルの為に年に何回も訪れる客の為にはホテルの宿泊費は無料と云うのも珍しくありません。

 ラスベガスと云えばギャンブルの町!と云うのが普通のイメージだと思います。カシノ(日本語ではカジノ?)と呼ばれる賭博場内はスロットルマシーンを代表にボーカー、ブラックジャック、ルーレット、バカラ、クラップス、キノ、地方競馬からスポーツの試合まで、一般に知られるほとんどの賭け事がここで出来るようになっています。また、同じゲームでもテーブルによって最低掛け金が決まっていて、特に大勝負に賭ける人達の為には専用の部屋が用意されて、デイーラーもタキシード姿で相手をするような所もあります。

 どのホテルも一階のフロアの大半はこのカシノのスペースに利用されている他、カシノ専門にする店舗(?)も沢山あります。また、スロットルマシーンとかビデオポーカー等は一般のカシノだけで無く、スーパーマーケットのレジの傍や、レストランの出入り口、空港のターミナルなど等、室内の至るところに設置されていて、買い物をして残ったつり銭もギャンブルに使ってもらうと云う徹底した作戦です(笑)。

 ギャンブルを遊べる年齢は21歳以上となっており、カシノの中ではかなり厳しく守られています。21歳未満と思われる人間(日本の若い女性がよくひっかかります)がスロットルマシーン等で遊んでいると、警備員が直ぐにやってきて年齢の分かる身分証明者の提示を求めます。子供がカシノ内を歩くことに制限はありませんが、立ち止まって大人が遊ぶギャンブルを見ていると、親の同行如何に関わらず警備員から立ち去るよう要求されます。

 カシノを一言で表現すると巨大なパチンコホールのような感じがしますが、カシノ内にはレストランやバーも置かれていて酒を飲みながら、食事をしながらビデオポーカーやキノなどのギャンブルが続けられるようになっていますし、スロットルマシーンなどで遊んでいると、かなり大胆なユニフォームを着たウエイトレスがお酒の注文を取りにきます。また,喫煙者にとってはアメリカで残された数少ない天国のようなところでカシノ内では喫煙に対する制限は一切ありません。

 しかしギャンブルに関して云うと、アメリカ国内のあちこちの州では税収を確保する狙いから多くの州が特定の場所でのカシノを認可するようになり、もはやラスベガスだけがギャンブルが出来る町ではなくなりました。ラスベガス自体もギャンブルだけで観光客をひきつけて、成長するには限界があることを悟り、今、町全体がギャンブルの町から家族で楽しめる総合リゾート地に変身しようとしています。新たに建設されるホテルは色々なテーマを持って建設され、例えばニューヨーク、ベニス、パリの町をホテルの中で再現し観光客が見て歩いたり、ショッピングを楽しめる豪華なモールを併設したり、アトラクションを持つ工夫がなされてきました。

 以前のホテルはチェックインしようと思うと、一階のフロアを埋め尽くすスロットルマシーンやカードテーブルで、何処がチェックインカウンターなのか?分からないぐらいに、チェックインカウンターは付属施設のようでしたが、最近建設されたホテルは何処もホテルロビーとカシノをはっきりと分けた上、ロビーは宿泊客が超豪華ホテルに滞在すると云う強いイメージを与える為にすばらしい内装や絵画で飾り、宿泊客に満足感を与える工夫が目立ちますし、ホテル内のレストランも家族用の格安バイキングレストランから、ヨーロッパやニューヨークから一流シエフを招いた豪華レストラン、それに各種のエスニックレストランも揃え、あらゆるゲストのニードに対応出来るようになっています。ホテルに関しては比較的安い値段で豪華な雰囲気を味わえるのもラスベガスならではの特徴です。

 もう一つ、ラスベガス市は現在の人口が48万人ほどですが、全米でも有数の流入人口が多い町の一つです。殺伐とした砂漠の中の町で、個人的には暮らしたいとは思わないのですが、州税の安さと住宅費の安さ、比較的冬も温暖(夏は冷房無しではとても暮らせませんけれど)な地域でもあることから、カリフォルニア州からの移住者を中心に、この町で暮らそうとする人が増えています。そんな訳でこの10年ほどの間に郊外の住宅開発は驚くほど進んでしまいました。それでもカリフォルニアに比べるとはるかに安い値段で良質の住宅が購入出来ると云うのはリタイアーをした人達に大きな魅力のようです。

 最後にこの町はコロラド川をせき止めたフーバーダムを始めとして豊かな水力発電源に恵まれている為、今のところカリフォルニアが直面している電力不足の問題もないようです。ぜひ一度アメリカ訪問の機会があればラスベガスにお立ち寄りください。

岩間@サンノゼ

写真1).2).ラスベガスの中心街ラスベガスストリップです。カシノ内は写真を写すことが禁止されていま
すので撮影ができません。