日本の暑い夏の様子はこちらにも聞こえてきます。大曲はどうですか?。シリコンバレーは相変わらずクーラー不要の天気。朝は寒いくらいです。日中の気温は上がっても湿気がないので、ほとんど汗をかくこともありません。先週も日本からゲストが来ましたが、この気候を体験し、ただただ驚いていました。しかし、カリフォルニアの日差しはハワイよりも強いそうで、私なんかは日焼けがすさまじく、毎日ゴルフをしていると誤解されそうな肌の色になりました。
今日は景気の落ち込んでいるシリコンバレーの様子の雑雑話をさせてください。昨年始めドットコム企業と呼ばれるインターネットを使ったサービスを行う新興企業の多くは利益を上げることができない企業と投資家に判断され、将来性期待の投資から利益重視の投資に転換したことから、ドットコム企業の多くはその資金難から、やむなく倒産したり会社売却などに直面したことが、今回の不況の発端になった訳ですが、その後、パソコン需要の陰りに加えて、IT需要全体の伸びに不信感が生じ、それまで最も注目されていた通信(光ファイバー、インターネット関連機器)、ぱパソコン、パソコン周辺機器、ソフトウエア分野から半導体、半導体製造装置へと不況は広がってしまい、この半年の間は会社倒産とIT時代を謳歌した大手企業の大幅な業績悪化と悲観的な下期の業績見通し発表や従業員の給与カット、大型レイオフの発表と云う具合で、毎日の新聞のビジネス欄は悲観的な企業の話題ばかりです。
超優良企業と称されたヒュレートパッカード社では数ケ月前に社長が全社員に対して、会社として不況による社員のレイオフと云う事態は避けたいので、全社員の給与の10%カットの実施を行うと発表したのにも関わらず、今月になって同じ社長は事態は更に悪化したので、6000人のレイオフを即実施すると云うことになると社員としてはちと割り切れぬものがあるように思いますが、組合組織がほとんどないシリコンバレー企業では会社対組合と云う図式も無く、一方的な会社論理で事が進行してしまうのが普通で、不況の影響はじわじわとこの土地で生活する中で感じ取れるようになってきています。
住宅価格の下落:
まずは新興住宅地での中古住宅売り物件の増加です。例年、夏休み時期は住宅の売買が増加するのですが、今年は新興住宅地ほどその物件数の増加が顕著です。これらの住宅は1〜2年前のピーク価格時期に購入した住宅です。シリコンバレーで生活する人達が全米でも有数の割高住宅を購入出来る背景には高額な給与所得とストックオプションと云う株式売買益なのですが、給与はカットされ、株価低迷でストックオプションが行使できない状況下で、住宅ローンの支払いが困難になる人が続出していることが原因です。
一方、買い手の方は住宅価格が下落の傾向にあると読み、よほどの好条件が売り手から出されぬ限り、買い控えの傾向にあり、その需給バランスの逆転が住宅価格の下落にも
つながっています。昨年同月と比べてシリコンバレー地域の個人住宅価格は25%下がったそうです。昨年の夏の時期ですら、中古住宅売り物件が出ると、購入希望者が購入価格を
せり上げて、売値よりも高い値段で売れると云うのが普通であったことと比較するとこの違いは顕著です。
アパートの空き室増加:
ちょっと前まで、シリコンバレー内のアパート探しは大変でした。高額な家賃も問題なのですが、とにかく空き室が無かったのです。しかし最近はアパートの管理事務所の前にFor Rentと書いた垂れ幕が下げたところが増え出しました。家賃はまだ下がっていないようですが、値上がりは止まったようです。ただ、アパートビジネスが儲かると云うことで、地域内のあちこちで大型アパート建設が未だに続いていますから、まもなく借り手市場に大きく振れ出すように思います。
空きビルの増加:
シリコンバレー企業の特徴なのですが、会社が大きくなっても自社ビルを持つような企業はあまりありません。ベンチャー企業自体が不動産購入とか自社ビル購入に熱を上げることが
ないのです。何処も基本的には会社の事務所、工場、倉庫等などはデベロッパーと呼ばれるビル建設貸し出し会社からリースをします。これらのデベロッパーは事務所内部の間仕切りや内装も借り手の要求に合わせて設計施工しますし、大きなプロジェクトとしては設計建設段階から借り手の意向を反映してデザインする場合も珍しくありません。もっとも借りた企業が翌年、出ていってしまうと困りますから、大きなビルを丸ごと借りるような場合、そのリース期間も最低10年と云うような契約を結ぶことになります。
しかし、今回のような不況の時には、ビルを借りた企業も状況によっては人員整理や工場閉鎖を実施しますから、結果として事務等のビルスペースが余ってきます。その空きスペースを借り手が第3者に又貸しする訳です。こちらではサブリースと称していますが、ビルの借り手の権利として契約上も認められているケースが多いように思います。このサブリース料はそのビルのリース料を基準に提示しますが、借り手としてはデベロッパーとのリース契約を解消できぬ以上、空きスペースから少しでも相殺できる収入があれば良い訳で、第3者は正規にデベロッパービル所有者から借りるよりも、サブリースの条件で借りた方が安いリース料で済む場合も多く、同じビルなのにサブリースをした方が安いと云う現象が生じています。
それにしても借り手を求めてFor Leaseと云う大きな看板を立てたビルが増えました。
車の売れ行き減少:
新車を購入した場合、ナンバープレートが車両管理局から届くのに2〜3ケ月かかります。ですから新車はナンバープレートが無い状態で、しばらくの期間、走ることになります。車が汚れていようが、傷があろうが、ナンバープレートが無い車があれば新車であることは人目で分ります。この数が最近減っていることが通勤時に気がつきます。特に4万ドル以上するような高級車の新車はめっきり減りました。逆に中古市場には比較的新しい高級車が増えたそうです。
昼食時のレストランの状況:
これは以前に話をしたかもしれませんが、昼食を外食する人は多いのですが、昼食として割高な日本食レストランが随分空いてきました。好景気の時には、しばらく並ぶようなことも
珍しくなかったのですが、利用者の心理として高い日本食レストランから手軽な中華レストラン、もっと節約してファーストフード店のハンバーガー、更に節約して自宅からサンドイッチ持参と云う風に昼食のパターンが随分変わってきているようです。
シリコンバレー景気がいつ回復するのか?良く見えない状況です。人によってはIT関連の設備投資をしても、その設備のライフは他の設備投資より技術革新が早いことから陳腐化が
早く、比較的短期間で不況は終わると説明していますが、今後、この地域の景気がどう動いていくか?大変気になることです。
それでは!
岩間@サンノゼ
写真:週末ボーテイングに出かけた時の写真です。家族連れで我々のボートの近くにいました。
--------------------------------------------------------------------------------
--------------------------------------------------------------------------------