WTCビルと国防総省ビルへの航空機によるテロ行為から5日が経ちました。事件以来アメリカの主要テレビ局はコマーシャル無しで、今も事件に関する特別番組を組んでいます。事件が起こったのはちょうど我々の西海岸では午前7時ごろ、朝食の時間にテレビを付けたら、このニュースが流れてきたのですが、一機目の衝突で燃えるタワービルをニュースを見ている内に、もう一つのタワービルにも航空機が衝突する場面が写されました。
しばらく、テレビに釘付けになっているとまもなく国防総省にも飛行機が激突して火災を起こし、相当な被害が出ているらしいと云うニュースとペンシルバニア州で別の飛行機が墜落したもよう。と云うまた大きな二つのニュースが放送されました。ただ、私が出勤する前の時点では全てハイジャックが関与したものか?単なる事故なのか?その相互の関係は分からないと云うような報道内容でした。
以前に仕事でニューヨークに頻繁に出かけたころ、金融関係の会社や団体が集中するWTC付近は良く歩いたところでもあり、市内では割合馴染みのある地域で、WTC内にあるホテルにも4〜5回宿泊したこともありましたので、自分自身も身近な感じを持っていたところなので、テロ事件と聞いて、人一倍の驚きでした。
WTCと云うのは110階建てのツインタワーを中心として、いくつかのビルが集合する一大金融センターで、ニューヨーク市内ではエンパイヤステートビルと共に代表的な建物でした。
以前にも地下駐車場で大きな爆弾テロがあり、その時は爆弾による破壊よりも火災による煙で、ビル全体に大きな被害を出しました。その後、警備もかなり厳重になったことが、ここを利用していて感じ取れましたが、誰もここにハイジャック機が衝突攻撃するなど考えもしなかったと思います。
アメリカ国内での大きなテロ犯罪としては、先にオクラホマ市で連邦ビルが爆破されビル全体が倒壊して多くの死傷者を出したのは、まだ記憶に新しいのですが、これはアメリカ人による犯行でした。一方、海外では外国人によるテロ行為は頻繁に発生しており、アメリカ政府機関のビルが爆破されたり、停泊中のアメリカ海軍の船に爆弾を搭載したモーターボートが体当たりして大きな損害を与えたりしていますが、今回は外国人によるアメリカ国内での大規模なテロ行為と云うことが、事件に対するアメリカ人の感情を高ぶらせていると思います。
新聞には旧日本軍による真珠湾攻撃の死亡者の2倍ぐらいの人が現在行方不明の状態であると報道しています。
アメリカだな!と感じたのは、事件がテロ行為の疑いがあると判断された後のアメリカ全土の動きは非常に早かったように思います。私が会社に通勤する西部時間の午前8時過ぎには、既に全米の空港からの飛行機の離陸は禁止され、飛行中の便は行き先に関わらず最寄の空港に強制着陸、海外から米国に飛んでくる国際線は全てカナダの空港に着陸させ、メキシコ国境も封鎖、全米中の連邦政府機関の建物は全て閉鎖させ、大きな町では学校も自主休校にさせるなど、あらゆる予防対策が大きな混乱もなく、わずか1〜2時間の間に全米中で徹底して実行されたことは本当に驚きでした。
事実、私が通勤に利用するハイウエーからは毎日サンノゼ空港への着陸体制に入っている複数の飛行機が良く見えるのですは8時半前後にいつもの機体を見ることはありませんでした。それほど系統だてて、全米規模の危機管理に関わる大きなドリルが行われているようにも思えないのですが、なぜこれほど鮮やかに実行出来る能力がアメリカにあるのか。まさに驚ろきです。
危機にうろたえない国家、州政府、地方組織がうまく出来ているんでしょう。また政府組織に加えて赤十字や救世軍などの民間組織の動きの速さや、きめ細かさが大きな支えになっているのかもしれません。自然災害時の被災者への医療、物資提供、仮住宅の斡旋の提供作業などは公的組織でなく、民間組織が主な働きをしているように思えます。今回も同様に機能していました。当然ながらこれらの民間組織はその必要資金を補う為に年に1〜2回の寄付を郵便で求めてきますが、本音として価値ある寄付だと私は思っています。
さて当日の午後ですが、遠く離れたサンノゼやサンフランシスコでも大きなビルではそこで働く人の自主退去が求められ、私の職場のビルも午後3時で閉鎖、警備員や警察による不審物の確認作業が行われました。私たちはビルの地下にある大きな駐車場を毎日利用しているのですが、この日は汚れた見かけない車が駐車してあるのを見つけると、時限爆弾でも積んで放置してあるのではないか?なんて不安が湧いてくるものです。
事件後、6日、ビル倒壊現場での人的な救出の可能性は薄らいできましたが、アメリカ人の怒りが強く、今日の地元新聞でも、アフガニスタンを中心に活動するタリバンの犯行と云う米国政府の見解に基づき、テロリスト国家に対して制裁を加えるべきか?と云う質問に80%以上がイエス、米国が軍隊を派遣して直接テロリスト集団を攻撃すべきか?と云う質問に対しても70%以上がイエス、地上軍の投入で、米国兵士に直接被害が出てもこの制裁を実行すべきか?と云う質問に対しても70%以上がイエスと云う返答でした。
シリコンバレーは民主党色が強く、先の湾岸戦争の時も米軍の直接関与にネガテイブな人も多かったのですが、今回の事件はアメリカに対する直接的な破壊行為と判断してその報復を支持する人が増えたように思います。米国議会も上院では党派に関わらず、報復攻撃に対して大統領に全権を与えることに合意。これからどういう手段を講じるのか?に関心が集まってきました。
アフガニスタンと云う内陸の高地で相手は宗教色の強いゲリラ集団と云うアメリカ軍にとって必ずしも得意な場面での戦闘ではないような感じもしますが、これからの動きは注目
されます。
何はともあれ、一年中、出張の多い私は今回はたまたま出張の無い期間にこの事件が起こり、3日間ほどの空港閉鎖とその後の警備強化による間引き運行などの航空便の混乱の影
響も受けることがありませんでした。
岩間@サンノゼ
写真:ガソリンスタンドに揚がる半旗
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