今年も郵政事業庁は大幅なはがきの在庫を残して年を越しそうである。各地から官製
年賀はがきを買ってくれとのファックスがくる。百万枚単位である。つまり5000万円。
今からそんな量をこなすことは不可能なのに…。
印刷会社は、ビジネスフォーム(コンピュータ帳票)や大型カラー印刷、小ロットカ
ラー印刷、モノクロ専門、デザイン企画型などそれぞれ得意の分野を扱っている。だか
ら一概に印刷会社云々を言えない。その中でも年賀状を主力にして年を越す会社はまだ
まだある。1000件もやれば家族で一時金を分け合って、お年玉を子供たちにふるまうこ
ともできた。しかし一般の顧客は印刷会社へわざわざ行かないし、印刷会社も営業マン
がそのために走り回ることはできない。
コンビニやスーパーは十数年前、その市場に目をつけた。その最たるスーパーはジャ
スコである。
ジャスコは当時、社長自ら売り場を陣頭指揮して、お客が申し込むためのしかけを施
したと言われる。特設売り場である。「ジャスコスタイル」の売り場は、瞬く間に他の
スーパーも追随して定型になった。しかし、ジャスコは他社の5倍も6倍も年賀状を売
る。さすがである。
それを扱うのは大手の年賀状専門印刷会社。前にも記述したマイプリントやフタバと
いう会社である。宣伝経費は印刷会社の負担なので件数をこなさないと儲からない。そ
れらの会社は実は社内ではほとんど印刷しない。外注である。200社から300社と提携し
て、1件何百円とかで外注する。これまで年賀状で食ってきた印刷会社は、その下請け
に回っているところも多い。1件500円で受けてシーズンで10000件もやれば500万の収入
となり、原価は50円位だから、450万はそのまま自分らの人件費に回せる。
インターネットの受注サイトも千以上あると言われ、10万件ほどがネットに流れてい
る。平均単価4000円として、4億円になる。はがき代を入れると、約8億円になり、将
来のブロードバンド時代には100億はいくであろうか。
年賀状印刷業界は、その構造(順番)が変化したとも言える。
前述のように、一昨年から今年起こった大きな変化は、パソコンを使って自宅で制作
する人が激増して市場が縮小したことである。コンビニはパソコンユーザーの客層が多
く、年賀状の受注に大きな影響を受けていると分析されている。その市場の変化を先取
りして、パソコンプリンタ業界は消耗品や紙の販売にしのぎを削り、出版社やソフトメ
ーカーは年賀状のテンプレート集を発行する。その数40種類。本屋にはその類が山積み
してある。コンビニも雑誌扱いのデータ集が置かれ完売している。
2002年は馬年。平らな草原をさわやかに駆ける馬か、ごつごつした岩山を足を砕けて
転げ落ちるなみだ眼の馬か?想像しても詮なし。