1月最後の週はサンノゼ地域の周囲の山々に雪が積もるほど寒くなりました。このあたりでも冬の間に、周辺の山の山頂付近が雪を被ることは2〜3回あるのですが、先週のように100mほどの高さから上がすっぽり雪を被ると云うのは、30年ぶりとのことで、一部の地域では平野部でも雪が降ったそうです。何れにしても私にとっても大変珍しい景色でした。最も日中は気温が上がるのでほとんどの雪は1〜2日で、消えてしまいました。雪と関係はありませんが、今日はアメリカのタクシーの話をさせてくださ。
こちらでも日本同様、タクシー(TAXI)と云う名前を使うことが多いのですが、人によってはキャブ(CAB)と呼んだり、タクシーの多くが黄色の塗装をした車であることから、イエローキャブ(YELLOW CAB)と呼ぶ人もいます。サンノゼ市は人口96万人、周囲の町を加えると200万人以上の人口を数える大都市圏なのですが、住人のほとんどの人が何処へでも自分の車で移動することと、何処に行っても駐車場に困るようなこともないことから、タクシーの利用者は極端に少なく、タクシーを見るのはホテルとか空港付近に限られています。しかし、ニューヨークやサンフランシスコの市内だと駐車場の問題から自分の車を使って市内を移動することが難しい為、タクシーは日本の大都市で暮すのと変わらぬぐらい市民に利用されています。そんなことから街中を走るタクシーの台数もサンノゼとは比較にならぬほど多く見かけます。
不思議なもので、サンノゼで暮している私にとって、ニューヨークにたまに出かけると街中に溢れるタクシーの数を見て、都会に出てきた?!と圧倒されます。日本出張の時に、東京が大都会だと感じるのもこのタクシーの台数の多さです。
一昔前はアメリカのタクシーと云うと、廃車寸前の中古の大型乗用車ばかりで、フロアマットの下の鉄板が腐って穴があいていたり、取り付けてあったカーステを外した配線が剥き出しのままの車とか、一目で昔はパトカーであったと分かるサイドミラーの両横にサーチライトが付いたままの車両を使っていました。また車内はいつ清掃したのか?分からぬほど汚れて、ダッシュボートの上は埃がたまっているし、ウインドウは汚れて雲っていると云う訳で、とにかくタクシーは汚い乗り物のイメージでしたが、最近は車両自体は多少マシになってきました。
それでも日本のタクシーのように座席の白いシートカバーとか、自動ドアは無く、未だにエアコンすら働かないような車も珍しくありません。車のボデーも近くで見ると傷だらけです。タクシーの車種はセダン、ステーションワゴン、ミニバン、SUV等、何でも有りなので、どうも乗客を乗せる座席があれば、それ以外にタクシー車両に利用してはいけない車と云うような規制は無さそうな感じがします。先日、ラスベガスで後部座席のついたピックアップトラックのタクシーを始めてみました。さすがにこれはまさか?と思いましたが、確かにタクシーでした。
ニューヨークなどでは現金を扱うタクシー運転手を狙う犯罪が多かったことから、後部座席と前部の座席の間を分厚い透明のアクリル板で完全に仕切ってしまい、料金やおつりの受け渡しをする為に指が入るだけの開口部が取り付けられていると云うような車両も走っています。この透明の筈のアクリル板も薄汚れていて傷だらけで、個人的には好きになれません。最近は治安が改善されたせいか?そこまで重装備をしたタクシーは減って、運転手の真後ろだけをカバーしたものに変わってきています。
料金システムは日本同様、基本料金に走行運賃を加える方式で道路の渋滞時には時間メーターも回ります。大型とか小型の区別はなく、タクシー料金は一定です。しかし、場所によってはメーターで無く、定額システムを採用しているケースもあります。例えばニューヨーク郊外のJFK空港から中心部のマンハッタン地域まで24kmほどの距離があるのですが、JFK空港からマンハッタンまで利用する時にはメーターを動かさずに定額料金になっています。
交通渋滞の酷いニューヨークですから、運転手は空いていそうな道路を探して適当に走行しますから、時には遠回りをして普段の倍ぐらい走行することもあるのですが定額です。しかし、逆にマンハッタン地域からJFK空港までタクシーを利用すると、今度はメーター料金になるので、この理屈が未だに分かりません。ただどうもこの間のタクシー料金はメーターを使った方が安いように思います。
流しで町を走っているタクシーの停め方は、腕を上げずに手前下に出せと昔は習ったものですが、実際には運転手に気づいてもらえば良いだけの話ですから、腕を上げたり、手を振ったり等など実際には様々で、どうも私が習った事は、うそ臭い感じがします。ただし、タクシーが停まっても、自動ドアではありませんから、自分でドアを開けて乗車、行き先を告げます。
荷物がある場合にはトランクを開けて欲しいと伝えると、運転手は車から降りてトランクを開け、荷物を収納してくれます。これは降ろす時も同様で、荷物を歩道まで降ろす仕事は運転手のサービスの範囲です。LPガス使用車両はないので、汚れていることを気にしなければ大変広いトランクスペースになります。アメリカ人旅行者は平均的に旅行時の手荷物が多いので、2〜3人が乗車するとトランクが溢れて閉まらなくなりますが、そこは運転手は心得ていて、太いゴムバンドをトランクの蓋とバンパーに引っ掛けて、トランクで蓋をかぶせるような
形で運んでくれます。車両に傷がつくとか、汚す等と云うようなことを客としてはほとんど気にしなくて良いのはアメリカのタクシー利用の特徴です。
妙なことはタクシー運転手の職に付く人は新移民者が多く、時には英語が巧く通じないことがあります。例えばサンノゼの場合はタクシー運転手の大半はターバンを被ったインド人の方ですし、ニューヨークあたりだと、カリブ諸国から来たスペイン語を母国語とする人達が多く、彼らの英語は我々にとって非常に分かりにくく、こちらの英語も通じないと云うようなことも起こります。
最後にタクシー運転手と云う職業は一日どの程度稼ぐものか?先日、ラスベガスに出かけた時に利用した運転手の方から話を聞きました。ラスベガスの場合はホテルが多く観光客も多いことから、タクシー運転手にとっては、他の町よりも稼げるところだそうです。就労システムは一日12時間の拘束時間で翌日は休みだそうです。固定給と云うものは無く、会社は車両の貸し出しと健康保険などの福利厚生費を負担しているそうです。この町で一日流して、売上は大体200ドルが目標だそうで、大きなトレードショーなどが開催されて訪問者が増えると、この目標売上金額に達するそうです。
この売上を会社が7割、運転手が3割の比率で分けるので、仮に200ドルの売上でも運転手が得られる収入は一日60ドル。時給5ドルですから、翌日は休まなければいけない
ことを考慮すると、アメリカの法的な最低賃金レベルの収入で、これは歩の悪い仕事です。そこで彼らがあてにするのは副収入です。これはドル未満を切り上げした料金の支払いと
客が支払うチップになります。タクシーの料金支払いや、つり銭でコインを交換するのは稀ですから、客はドル単位に繰り上げて支払ってしまいます。これはちりも積もれば。。。。で運転手の収入になります。また、料金に対して、客は15〜25%のチップを支払います。このチップも100%運転手のものですからこれが収入を補う形になります。
したがって客に荷物があったような場合、トランクへの出し入れなどはサービスになりますから、乗客に対して出来るだけのことをした方が、チップも弾む可能性が高い訳で、運転手もそれなりに努力する訳です。アメリカのサービス業の従業員の収入は雇用先が支払う給料より、このチップに依存する形態になっているようです。
さて日本から来られた方がアメリカのタクシーを利用した場合、つい忘れてしまうのが、タクシーを降りた後、ドアを閉めるのを忘れてしまうことです。くれぐれもご注意を!。
岩間@サンノゼ