春と云うよりもう初夏のサンノゼです。気持ちの良い天気が続いていますが、3月31日(日)、こちらではイースターです。29日(金)はグッドフライデーとか云って、カレンダー上は祝日になっていて公官庁や銀行は休みなのですが、一般企業は、この祝日を完全に無視、何処も通常通りの勤務です。イースターは復活祭で、キリスト教教徒には大切な日になるのですが、暦の上では春の訪れの意味が強く、イースターバニーと呼ばれるピンク色のウサギが、何故か?シンボル的存在です。もっともピンクのウサギは存在しないと思いますから、なぜ、ピンクなのか?未だに分りません。
例年、この時期から夏休みにかけて、こちらでは売り家の看板が目立ち始める時期になり、夏休みにそのピークを迎えます。今ごろから家の物色を始め、夏休みに家を購入して引越し。新学期の始まる9月には落ち着いた状態で子供を新しい学校に通わせると云う親の配慮が心理的に働いているものと思います。昨年の今ごろサンノゼ地域での売り家は非常に少なかったのですが、今年は売り家の看板を良く見るようになりました。週末には売り家探しの為に住宅地を車でまわる、よそ者(?)の方も良く見かけます。気にいった家の周囲の環境とか?を感じ取る為です。
今日はシリコンバレー地域の平均的なサラリーマンが家を購入する場合、何をポイントに選ぶか?の話を少しさせてください。
まずは、どんな家が買い手に敬遠されるか?と云う話から始めます。古くて汚い家は誰でも、いやなものですが、それなりの家の質を維持していても嫌われる代表的なものがあります。
日本人にはちょっとあこがれてしまうプール付きの家です。アメリカ全土で考えると、評価は違うと思いますが、こと、サンノゼ地域ではプール付きの家はなかなか売れないと云うのは事実です。プールそのものの建設はそれほど高価なものではありませんが、家の豪華さを生み出すには申し分ないのですが、このプール。実は金食い虫なのです。
プールの水はサンノゼのような乾燥した土地ですと、始終蒸発しますから、毎日、水の補充が必要です。また、プールの水は藻などが生えないようにするのと消毒目的で、常に循環ろ過させる必要がありますから一日中水を回すポンプの電気代と水のろ過に必要なフイルター、消毒用薬などの消耗品も必要です。
普通、プールは屋外設置ですから、その底に溜まるゴミや砂や土の清掃が、これまた毎日の作業として必要です。更に、サンノゼのように夏の午後の気温が、さほど上がらないところではプールの水温を程よく保つ為のヒーターも必要です。この目的に太陽熱温水器を利用する家もありますが、設備が大掛かりになる為、ガスや電気でプールの水を温める方が一般的です。結局、プールをいつでも利用出来る状態に維持する為には、相当な電気ガス代と消耗品。それにメンテと清掃作業が必要になり、家主として毎日面倒を見るのも負担になってしまい、結局は専門業者にその作業を依頼すると云うことで人権費もかさむと云うわけで、売り家にプールがあると聞くと、素敵!とは思っても、買い手は現実しり込みしてしまうことが多いようです。
さて、本題のどんな造りの家が好まれるか?と云うことなのですが、家の間取りとして先ずバスルーム(トイレとバスタブが一緒になった部屋)の大きさとその数は買い手の大きな関心事の一つです。
売り家の広告には2.5BRとか3BRと表記されていますが、2.5ならば完全なバスルームが2つにシャワールームが一つ。3BRであれば完全なバスルームが3つ整っていることになります。一般的には最低でも1.5BR、普通は2BR以上の家が好まれます。言い換えるとアメリカの住宅では全体の中でバスルームが占める面積が非常に大きいのが特徴かもしれません。
次にキッチンの面積です。これは広いほど人気があります。私の知る限りアメリカ人の奥さんが、毎日、手の込んだ料理をするとは思えないのですが、皆、広いキッチンを持つことを望みます。どうもキッチンは実用上必要な大きさと云うより家の見せ場的な要素も強いようです。
次はファミリールームの有無です。大きな家は別にして、ちょっと前まで、来客用の応接間と云う部屋が無く、リビングルームと云う名称で日本流の居間と応接間を兼ねていました。
大体、玄関のドアに近く一番大きな面積を割いた部屋がリビングルームなのですが、最近の住宅はリビングルームを来客用として用意し、もう一室をファミリールームと云う名称で、家族が利用する部屋とする構造の家が増えています。云わば日本的な発想なのですが、買い手もこのファミリールームの存在を強く意識するようになりました。
さて付帯設備ではどうか?と云うと、一番人気が高いものは実は暖炉(ファイアープレースと呼びます)です。暖房機としての必要性より、冬の夜、暖炉の火がちょろちょろ燃える雰囲気は温かみもあり、その雰囲気が気にいられる要因です。そんなことから、使う使わないに限らず、暖炉はどの買い手も欲しがる設備の一つです。
次に箪笥のような家具を使う家は少ないので、衣類を保管する場所はクローゼットになり、これも広いほど喜ばれます。クローゼットは衣類の収納場所としての価値もさることながら着替えの場所に利用する家も多く、収納場所と人が中で着替え出来るくらいの広さのクローゼットスペースを欲しがります。
車のガレージは必須です。基本的には2台の車が屋根つきで、完全に収納出来ることが最低の条件になりますが、最近は3台の車を収納出来るガレージを持った家が増えています。でもこちらで見ていると、本来車を屋内に収納する目的のガレージを実質、物置として利用してしまい、車は雨ざらしで駐車させている家も少なくありません。
エアコンですが、リビングルーム、ファミリールーム、キッチン、食堂などの部屋は基本的に繋がっていて扉の仕切りがありません。従って冷暖房と云うのはトイレ、バスルームを含めて全室、機能しなければいけないのですが、ことエアコンに関して云うと、プール同様、夏の午後が平均的に凌ぎやすいサンノゼ地域では、年間でエアコン設備を利用するのは精々2週間程度。そんなことからエアコン設備有りは、さほどの価値がありません。
話を続けると長くなってしまうのですが、それ以外に住宅の価値を高めるものとしては屋外に繋がるデッキ。温室なども結構評価の対象になるそうです。
アメリカで暮らしていても、こういったものが自然に分るようになるのは、やはり時間が掛かるものですね(笑)。
それでは
岩間@SJ
写真:家の前に立つ売り家の看板です。
不動産業者は売り家価格の5%を手数料として売り手から受け取るシステムです。