この週末はメモリアルデーの祝日となり、久々の3連休です。メモリアルデーはアメリカ独立戦争以来の戦いで亡くなったアメリカ兵を追悼する日で、各都市では退役軍人などを中心に沢山のイベントが行なわれています。テレビでも過去、アメリカが関わった戦争に関する番組の特集が組まれているのですが、今年は太平洋戦争中に志願兵として参加した日系人部隊に関する番組もありました。
5月19日から22日の間、休暇をとって東海岸のボストンに出かけていました。事前の天気予報は毎日雨模様となってこれは?と思ったのですが、見事に予報は外れ、快晴とは行きませんが、何とか雨を見ない毎日で、久々のボストン滞在を楽しむことが出来ました。とは言え、やはり北の町ですね。私の暮すサンノゼ辺りと比べると春の訪れは、1ケ月ほど遅いような感じで、東海岸の人たちが好んで自宅に植えると云う花水木が、ボストン郊外の至るところで咲いていました。この木の花は桜ほど派手さはありませんが、アメリカでは春を告げる
代表的な花でもあり、私も大好きな花の一つです。
今日はサンノゼの日系社会では広く知られる歌謡曲バンド、千鳥バンドを紹介させてください。
私がボストンへ出発する前日の夜、この千鳥バンドの定例の演奏会がサンノゼ仏教会別院の体育館ステージを利用して催されました。私自身、この千鳥バンドはアメリカで生活を始めてから、日系の夏祭り等で、このバンドが演奏するのを聞いたことがありましたが、実はほとんど知識がありませんでした。偶然、今回、家内が演奏会のチケット(事実上、寄付金です)を手に入れたので、ちょっと情報を仕入れるつもりで、会場に出かけました。そこで最初に知ったことはこのバンドは演奏会としてステージを持つのは今年で49年目になるそうです。
実際のバンドはそれ以前に結成されていたでしょうから、50年前後の歴史を持つバンドと云うことになります。つまりはバンドが活動を始めた時期は太平洋戦争が終わり、日系人は
強制収容施設から開放されたものの、過去に積み立てた蓄財のほとんどを無くし、アメリカ社会の中で、日系人に対する強い偏見が残る環境の中で移民当初と同様に、ほとんどゼロの状態からアメリカ生活を再度始めなければならなかった厳しい時期に、このバンドが生まれた訳です。
無論、千鳥バンドはプロではなく、メンバーはそれぞれの職業を持っている為、その練習時間の都合をつけるだけでも大変な努力が必要だと思うのですが、このバンドはサンノゼを中心とする日系社会の各行事への参加等を含めて、地元日系社会では大切なグループになっています。
今年のバンドはソプラノサックスからテナーサックスのメンバーが4人(彼らは曲によってキーボードやフルート等の楽器に持ち替えます)、トロンボーンが2人、ベースが1人、ギターが2人と云う9人の構成でした。普通のバンド構成から考えると、トランペットは?ドラムは?と云う疑問が生じてしまうのですが、これがこのバンドを長く続ける上で、一番の苦労でしょう。
常にバンドの全ての楽器のパートが補充できる訳ではありません。確か数年前の編成ではトランペットやドラムもあったように思います。最近はキーボードを使えば諸々の楽器の擬似音でそのパートの代役をさせることが出来ますが、メンバーの楽器編成が変わる毎に、何らかの編曲が必要でしょうから、その作業も大変なものだと思います。この演奏する曲の編曲のほとんどもメンバーの何人かが、担当しているとのことで、実際の演奏に至る迄、裏方の作業も片手間では出来ないように思います。
このバンドは日本の歌謡曲を中心に演奏しますので、歌手も非常に大切な役割を担う訳ですが、歌手担当の方の中には、このバンドで40年近く歌っていると云う女性の方もおられます。
メンバーのほとんどは日系2世以降の世代の人たちなので、日本語よりも遥かに英語の話の方が生活の中で自然な訳ですが、その方達が日本の演歌をアメリカ人臭く無く日本語で歌うのですから、これもこの演奏会の一つの面白さです。
今年の演奏会には約500人ほどの日系人を中心する観客が集まりましたが、中には白人系やラテン系の人たちも混じっていました。予想通り、年配者の方が中心で、私などは一番若い部類(?)で、子供扱いされそうでした(笑)。会場に来た皆さんはサンノゼ地域からだけでなく、広く北カリフォルニア全域からも集まって来ているようで、単なる演奏会を聞きにきたと云う目的だけで無く、北カリフォルニア各地で生活する日系人の方の再会の場にもなっていたようで、会場のあちこちではお互いに知り合いを探し出しては、お久しぶり!の挨拶が
飛びかっていました。
さて演奏ですが、総合司会をサンフランシスコの日系放送局の女性社長が勤めてくれ、千鳥バンドは17曲を演奏、加えて地元日舞会やカラオケクラブの友情出演などで、約2時間の演奏会は終わりました。
私の会社のスタッフからは音楽にうるさい私がこの種の演奏会に行くのは珍しい!等と言われましたが、この千鳥バンド。アマチュアバンドとしての実力もさることながら、地元日系社会に対する貢献と云う観点からは大変素晴らしいグループであると思います。是非とも長く続けて欲しいと思い、この場を借りて紹介させてもらいました。
ではまた!
岩間@SJ
写真1:アメリカ独立戦争の最初の戦いの場となったボストン郊外のレキシントン
に立つミニットマンの像です。ミニットマンとは所謂農兵のことで農業従事者が
独立戦争では必要に応じて銃をとりイギルス軍と戦いました。
写真2:レキシントンの戦いのあった場所に咲く花水木。見事に満開でした。
後方の建物はレキシントンの戦いの時、独立軍の本部として使われたものを
再現したものだそうです。