岩間郁夫さんの「アメリカ暮らし(165)出張修理屋」(02・9・8)

 先日、ケンニチではお馴染み、メリーランド州で暮らしていらっしゃる俊子ポランスキーさんからメールをいただきました。私のケンニチ投稿文が中国の大学生の日本語教育教科書に
採用されることのお祝い文と共に、ちょっとした彼女のエピソードのお話がありました。彼女、ご自宅の給排水関係の修理を出張修理業者に頼んだのですが、その予約日に待っていても、なかなか、この業者がやってこない。痺れが切れた頃、ようやく到着と云う訳でその約束時間のいい加減なことにびっくり!。おまけに修理の請求書を見て二度びっくり。ちょっと
した修理なのに、その修理作業料金の高いこと。私の暮らす西海岸でも、そんなもんですか?と云う、お話でした。

 結論から言うと、実は西海岸でも同じようなもので、実際に俊子さんと全く同じような経験をされた方も大変多いと思います。確かに振り返ると、この話題を今までに取り上げたことも
無いように思うので、今日は出張修理屋の話をさせてください。

 一般的にアメリカ人は使い捨てじゃ無くて、物を長く使う云う習慣(物を捨てない習慣?)がありますから、家庭内で生活に必需な製品、例えば白物家電製品などは、日本と比べると大変長い年月の使用に耐えられるように作られていると思います。冷蔵庫であれば20年間ぐらい使えるのが当たり前。水に濡れる洗濯機や乾燥機のようなものでも10年間で新しいものに買い換えると云うようなことはまず考えられません。

 大型の食器洗い機、電子レンジ、ガスや電気コンロ、セントラルヒーテイングの温水器やエアコンや暖房機も、同じようなもので、築後30年を経過した住宅に最初から取り付けられたこれらの機器や製品を、未だに交換したことが無いと云う家も珍しくありません。しかし、機械ですから故障することはありますし、住宅の給排水系などは、パイプが詰まったり水漏れを起こしたり、バルブが消耗してしまうこともあります。

 うまい事に、こちらでは実に良く補修部品が揃っていて、大抵は修理が出来るので、新品に買い換えることをせずに、とにかく直してそのまま使うと云うのが、平均的なアメリカ家庭の信条であることから、諸々の分野で修理ビジネスは非常に盛んです。

 こちらではサービスと云う名前の修理屋なのですが、給排水系、電気系、、冷暖房機器、諸々の電気製品等、住宅の屋根や壁や窓など等多種に亘る修理屋が存在します。この修理業ですが、製品の販売店や取り付け業者等が修理部門を持っていて、そこから人を派遣する所もありますが、大抵は個人営業の修理業者です。テレビやビデオのようなものは自分で修理業者のところに持ち込む訳ですが、据付場所から移動させることが困難な製品機器や、住宅設備の場合は、これらの修理業者に出張修理を頼まなければいけません。

 これらの出張修理業者は宣伝用の大きなサインや電話番号をペイントした大型ワンボックスカーに、諸々の補修部品や工具を満載して、修理依頼先を回り、そこで修理作業を行います。便利そうな話なのですが実は、問題があります。本当に、いつ来てくれるのか?分からないのです。偶々、その修理業者に知人が要れば別ですが、大抵は電話帳を見てその関係の修理業者を探し、電話で起こっている問題を説明して修理を依頼するのですが、大抵の場合、明日伺いますから!家で待っていてください!と云う返事だけなのです。依頼した方も、一日修理業者が来るまで待たされるのは困るので、何時?ぐらいに来てくれるのか?と云う返事を貰えるよう催促するのですが、午前中か?午後か?の返事をもらえれば良い方で、精々、早く行けるようであれば電話で連絡するから。。。

 と云うような曖昧な返事ぐらい。でも、修理を依頼した側の心境は午後!と云う返事をもらえれば、留守をして修理してもらえないと困ると云う心配から、午後1時ぐらいから待機するのですが、待てど暮せど修理業者は来ない。

 3時ぐらいになるとイライラがちょっと心配になって、修理業者に電話を入れ、本当に来るのか?を確認すると、今日、午後、行く予定になっているとの返事ぐらいはもらえるものの、依然として時間は不明?結局、夕方になってようやく修理業者が来た!なんてことは珍しくありません。最悪の場合には今日は遅くなったので、もうお宅に訪問出来ない。明日朝一番に!等と云う電話が来ると、もう不愉快至極の気持ちなのですが、直してもらわない訳にはいかず、断ることも出来ないので、じゃ〜それでお願いします!と云うことになってしまいます。

 さて、その出張修理が終わると、何故か?その修理代の高いこと。出張訪問しただけで先ずは70ドル。作業代は30分単位。部品に作業代等を加えると、ちょっとした修理でも250ドルぐらい請求されるのが、まずは普通なんです。実際に、こんな経験をしたアメリカ人も大変多いと思います。そんなことから、何としても自衛策が必要となります。つまりは自分で出来そうなことは、自分で部品と道具を買い込んで自分でやってしまうDIYの世界です。これはアメリカ式生活の知恵でもあります。

 幸いにして、古い電気製品などの部品も、住宅機器の部品も非常に良く揃う国ですから、やる気になれば大抵のことが、多少不細工でも出来る云う訳で、節約型の私などもこの20年間に器用さに磨きがかかり、こちらで云うハンデイーマンになりました(笑)。

 さて、ひとつ、雑学情報ですが、この修理業、色々な分野で、名前の頭にAAAと付ける出張修理業者が非常に多いのです。理由は修理依頼者が修理業者を知っているケースはほとんど無く、普段の全く付き合いもありませんから、問題が起こって始めて、電話帳から修理業者を探して、そこに電話依頼するのですが、業者名の最初の文字にAAAを付けると、電話帳の中は同業者名がABC順に並びますから、修理業者を探している人には一番、目につきやすく、そこに電話をかけることが多く、ビジネスのチャンスも高いそうです。

それじゃ

岩間@SJ
 

写真:先週、サンノゼでダウンタウンで催されたアートアンドクラフトフェステイバルです。要は400店ほどがテントの仮店を出して絵や写真や工芸品を即売するのです。プロもアマチュアも、自作や仕入れた、これらの品物を3日間に亘って販売します。会場の要所要所では地元のMF局がステージを作ってロックバンドやジャズバンドの演奏を無料で聴くことはできました。中には品物を売ることよりも、そこで日光浴を楽しんでいるような店主もいましたけれど。