岩間郁夫さんの「アメリカ暮らし(169)トイレ考」(02・11・11)

 日本は例年より随分、早い冬のおとづれのようですね。こちらでは先週から今年の雨季を告げる本格的な雨が降りました。冬と呼ぶにはまだまだ穏やかな天気なのですが季節的には雨季は冬と云うことになります。数えてみると、自宅で雨音を聞くのは、ほぼ7ケ月ぶりのことです。もともと雨に対する備えが不十分(?)、いやあまり考えていないことから、シーズン最初の雨が降ると、半年ほどの間、道路に染み込んでいたオイル等の油脂が雨水によって路面に浮き出すらしく、久々の雨に対して運転者のブレーキ感覚も狂うのか?追突等の事故が増え、どういう訳か?信号機等もこの雨で故障を起こし、雨の日は親が車で生徒を学校に送ることから住宅地の道路もハイウエーも、いつもとは異なった通勤時の大渋滞を起こしていました。

 雨季や冬のシーズンの到来とは関係ありませんが、今日はアメリカと日本のトイレの話をさせてください。

 まず家庭のトイレについて話をしますと、こちらではホテルの部屋同様にトイレと浴室と洗面室が一体になった部屋構造になっています。そんなことからか?この部屋をトイレ(レストルーム)とは呼ばず、バスルームと呼ぶのが普通です。部屋数の少ないアパート等は別ですが、個人住宅になるとバスルームは2つから3つ備わっているのが普通です。

 バスルームの数やスペースのとり方はベッドルームの部屋数と共に住宅購入の大きな判断材料のひとつになっていることから、ちょっとお金をかけた住宅になると、バスルームはスペース的にも非常にゆとりを持たせています。日本の住宅を訪問した時、やはり、いつも気になるのが、残念ながらそのトイレの狭さで、設備機器的にはお金がかかっているのですが、
スペースと云う視点からは住宅の中で、未だに脇役的な存在のように思います。

 オフィースビル等のトイレになると事情はちょっと違います。新しい日本のオフィースビルはトイレに、ずいぶんお金をかけるようになったように思います。よく最初は面食らうことですが、アメリカのオフィースビルのトイレはそのビルで働く人しか利用出来ないように、トイレの入り口のドアに鍵があるものが多く、外来者はいちいち鍵を借りてトイレのドアを開けるなければ
なりません。安全の為とは云え、これは実に不便です。もう一つの特徴は公共のトイレは日本では便器を中心にドアも含めて床から天井まで壁で覆われた完全個室(?)構造なのですがアメリカの場合、個室とは言い難く、ドアを含めて床から30cmほど上からが壁で、その壁の高さも人間の背丈ぐらいまでで天井には届いていません。

 つまりは上下がオープンの状態で、前から見ると便座に座った人の足が外から見える構造です。これも安全上の理由なのですが始めはやはり妙な感じもがしましたけれど、慣れれば問題はありません。軍隊の訓練基地などでは壁が全く無く、便器だけが並んだトイレもあるようですが、私は見たことがありません。

 日本のトイレで、不満なことは手洗いの蛇口からお湯が出るところが少ないことと、手を洗った後の手拭の紙が備えてないことです。リサイクルとか省エネと云う観点からは逆行かもしれないのですが、アメリカなどからの旅行者が日本のトイレで困ることは、この手拭の紙が備わっていないことです。彼らは手拭の為にハンカチを持っていませんので、手は洗ったものの拭くものがない!と云うことになります。

 世界への空の玄関口と云う成田空港のトイレも同様でしたが、さすがにみっともないと関係者が感じたのか?最近になって、強い温風で洗った手を乾かすブロワーがようやく付きました。でもいまだに蛇口からお湯は出てきません。数千円の航空利用料を全搭乗者から徴収する空港にしては利用者サービスと云う意識は無いように思います。

 逆に日本人の観光客の方がアメリカで困るのは、観光地は別ですが街中で公共的に使えるトイレがあまりないことです。立ち並ぶオフィースビルのトイレに入ろうとしても、先にお話したように鍵がかかっている。駅のトイレは日本ほど揃っていないし。街中に公共トイレはほとんどない。ガソリンスタンドにはトイレがあるのですが、やはり利用には鍵が必要と云う訳です。飛び込みで無条件に利用出来るトイレは?となると、ハンバーガーなどのファーストフード店、もしくはホテルが一番確実なのではないかと思います。デパート等にも無論お客が利用できるトイレはあるのですが、なぜか?利用者には見つけにくい場所にあるのです。

 蛇足ですが、未だに理由は分からないのですが、レストランでもホテルでも、トイレの入り口近くに、必ず公衆電話を置いていることです。もう一つ、一部の高級ホテルだけですが、トイレの手洗い場所の付近にいつも人がいて、用を足した人に暖かいタオルを渡すのです。当然ながらチップなのか?料金なのか?分からないお金を払うのですが、これは過剰サービスで好きにはなれません。それよりもトイレの中で監視されているような感じすらします。

 トイレの違い。細々と見るとまだまだ違いがあるのですが、そのうちにまた!。

岩間@SJ