岩間郁夫さんの「アメリカ暮らし(177)機内食」(03・2・20)

 私用目的で休暇を使っての日本滞在が、途中から仕事に変わってしまい、滞在中に楽しみにしていた大曲訪問をキャンセルすることになってしまい大変残念です。この穴埋めはいつかしなくては。。。と思っています。

 今回、アメリカン航空のサンノゼー成田直行便を利用したのですが、意外なことで驚いてしまいました。国際線では座席のクラスに関わらず、ビール、ワイン、スコッチ等のアルコール類は無料で提供されると当たり前のように思っていたのですが、何と、何時の間にか?アメリカン航空便では有料に変わっていました。私自身は機内で飲むアルコールは精々白ワインの小瓶かビール一缶程度なのですが、機内で飲み物は?と聞かれて、白ワインを!と答えたら、スチワーデスから5ドルいただきますと言われて、ええっ〜?と云う具合、最初は冗談だろうと思ったのですがマジに有料だったのです。

 私が初めて太平洋路線に乗ったのは1973年。それから数えられないほど国際線を利用していますがアルコール類が有料になったことは一度もありませんから、国際線にも常識を覆す大きな変化(笑)が起こったんだ〜と妙に感心してました。今はアメリカン航空だけが有料化したのか?どの航空会社も右に倣えになったか?かは分からないのですが、昨年12月にユナイテイッド航空を利用した時は無料でした。

 そんなことから今回はアルコールを含めた機内食の話をさせてください。同じ題材を以前に取り上げたように記憶しているので、その続編として読んでいただければ幸いです。アメリカ国内では西海岸から東海岸への移動に飛行機を利用しても直行便で5時間半から6時間必要としますから国内線でも機内食は当たり前のような存在です。私がアメリカで生活を始めた80年代は、大体3時間を超える飛行時間であれば機内食が出るようになってました。また、それよりも飛行時間が食事時間と重なるような便であれば、2時間程度の便でも軽い食事は提供されました。通常、最低と言われるピーナツ(最近は何故かプリッツが多い)とソフトドリンクのサービスは1時間前後の飛行便の特徴でした。

 また、機内食の質で競合会社との差別化を図る航空会社もありました。ただしアルコール類はどの便もエコノミー席では有料でしたが、偶に自分の乗った便が航空会社側の理由で大幅に遅れた場合等、機長の判断で、お詫びとしてこの便ではアルコールを無料で提供します!等と云う機内アナウンスがあり、乗客は拍手喝采してアルコールを注文していました。

 じわじわとそれに変化が見えてきたのは90年代に入ってからだと思います。レーガン大統領の自由化政策で航空運賃の自由化等から、航空運賃競争が激しくなってきた頃から、コストカットの見地から、乗客サービスも影響を受け始め、先ず2時間程度の飛行便からは早々と機内食は無くなり、食事の質も随分落ちてきました。これは国際線も同様で70年代のエコノミー席のメニューと今のメニューでは質的に随分落ちています。

 最近は3時間程度の飛行便でも食事時間が外れた時間帯の便では機内食の提供は無い便も増えてきました。搭乗ゲートのデスクには飛行機の便名と行く先を表示するパネルと共に、この便は飲み物サービスだけですと書かれたパネルが堂々とかけてあります。そんなことから最近、搭乗時に食べ物を機内に持ち込む人が増えました。空港のターミナル内にも随分食べ物を売る売店が増えました。

 その多くはハンバーガー、ビザ、サラダ類なのですが、空港内の売店で売っている、これらの食べ物は、アメリカの食事に慣れた(?)私でも高くて不味いと感じるぐらい出来が悪いのです。マジに日本の大きな駅の売店や車内販売で揃う食べ物の種類や味が本当に羨ましくなります。

 私は利用したことは無いのですが、ある航空会社は機内食類を提供せず、全て運賃とは別に販売すると云うシステムを採用したそうです。おそらく、近い将来、アメリカの国内便からは機内食は消滅し、新幹線の社内販売同様、機内販売用のカートから乗客は食べたいもの飲みたいものを買うシステムに移行するんじゃないかと思います(笑)。機内で自由に幕の内弁当とか釜飯、笹蒲鉾等が買えるとなると、お仕着せの機内食よりも案外良いかもしれません。

岩間@SJ