日本はお盆休みですね。その影響で、我々のような仕事もこの週は日本との通信が一気に減ってしまい、仕事に余裕が出てきたような感じがします(笑)。今日は日本とは随分違った方向で動いているアメリカの携帯電話事情の話をさせてください。
もう、14〜15年前になりますが、日本では自動車電話として大きな無線電話機器を積み込み、トランクの端から長いアンテナを伸ばした公用車を町で見かけるようになった時期、アメリカでは、今から比べると随分大きく重いものでしたが、とにかく出張鞄に入れて持ち運べる携帯電話機が、既に多くのビジネスマンに利用されてました。その当時は日本から来た出張者の方に、この携帯電話機を見せて、「直ぐ日本にも通話出来ますよ」等と話して現物を手にすると驚きの表情を見せたものです。ポケットに入る折りたたみ式の携帯電話機の登場も
アメリカの方が日本より先行していました。
日本では個人用の携帯電話機は高価で、ほとんど縁のない時期でした。確かに当時、アメリカの携帯電話機市場では日本よりはるかに大きく、日本メーカーもアメリカ市場中心に事業展開していた時期がありました。その後、日本メーカーはアメリカと欧州の携帯電話機メーカーの低価格攻勢に押しつぶされて、ほとんどの日本メーカーはアメリカ国内のビジネス
から撤退してしまいました。
ところが最近は日本に出かけ量販店に立ち寄る度に、日本の携帯電話機は性能的にもデザイン的にも、アメリカより2〜3年先行しているのではないか?と云うような感じを持ちます。いつのまにやら日本の携帯電話機事情は様変わり。携帯電話文化が日本人の生活事情に合った製品となって、巨大な需要と新製品開発をもたらし消費者のニーズに答えるように随分、進歩したものだ!とつくづく感じます。
多分、日本とアメリカで起こっている携帯電話機事情の違いは、携帯電話に対する日米の消費者ニーズやキャリアーと呼ばれる通信サービス会社の事業コンセプトに大きな違いがあるのではないかと思います。日本では当の昔にサービスを中止してしまったアナログ方式の携帯電話はアメリカではまだまだ結構利用されています。逆に云うと国土が広い為、一度、設置したアナログ携帯電話基地局を、今、デジタル化しても商業的に利益を生み出す見込みが無いと判断される地域では、現在でもアナログ携帯電話機しか使えません。またそのような地域は全米内に沢山あります。現実に何処でも沢山の人が時代物と思われる携帯電話機を今でも堂々と利用しています。
せっかくデジタル携帯電話機を持っていても、出張などで地方に出かけることの多い人は、その方式の違いから携帯電話が利用出来ないと云う問題が生じるので携帯電話機にはデジタルとアナログを併用できる機種が必要となります。
日本の携帯電話機を扱う大手家電量販店に立ち寄ると、その携帯電話の異なった機種や色の種類に圧倒されます。表現は良くありませんが、夜店に並んだおもちゃの如く並んでいますね(笑)。キャリアー系の店に立ち寄ってもアメリカの携帯電話機の種類は10種類もあれば最高に良い方で、4〜5種類しか無く、本体の色も黒か銀色の物、薄いプラスチックカバーで本体の色を変えるなんて物もありますが、安物感を感じさせるだけです。つまりは色もデザインもあまり代わり映えしない携帯電話機が堂々と店頭に数機種並んでいると云う訳です。(いや並ぶほど無いですね)。
日本のキャリアーがアメリカビジネスとして期待している日本で大成功をおさめたIモードですが、こちらにもテキストメールと云うものはあるのですが、これも日本と比べると簡単なもので、その方式も本質的に異なります。消費者側も電話のボタンを使ったテキスト入力は面倒と云う訳で、実際に利用している人は私の周りにはいません。携帯電話機を使ってメールを作って送る受け取ると云う文化はどうも起こらないような感じがします。この夏、日本市場の影響を受けてカメラ付き携帯電話機がアメリカでも登場しました。
日本のメーカーは日本が先行するこれらの製品でアメリカ市場の再参入を目論んでいますが、今のところ、珍しさはありますがアメリカのユーザーの多くが買いたいと云う気持ちを持つか?否か?は全く不透明です。増して、着メロのように、有料で自分の好きな曲をダウンロードして、それを呼び出し音代わりに使うとなると、アメリカ人は面白がっても、お金を払う気は
しないと云うのが本音のようです。
それでは、一般的なアメリカ人は携帯電話機に何を求めているか?と云うと、何よりも、低料金であることです。携帯電話機も電話機であって、それ以上のものを求めていないような感じがします。ですから、通話毎に料金が加算されるような利用契約は好まれず、事実上はフラットレートと呼ばれる定額契約で、月内に300分、500分の利用範囲であれば月一律35ドルと云うような契約です。最近は近距離、長距離に関わらず、1分間は1分間と云うことで、このフラットレートを適用するキャリアーも増えました。
おそらく有線の電話料金自体が昔から安い国であるだけに、携帯電話の希少価値が薄れた現在、携帯電話利用だからと言っても、高い料金を支払うと云うことに消費者が難色を示しているのだと思います。そんなことから、個人で平均的に支払う月額携帯電話料は契約時間の種類によって、大よそ25ドルぐらいから50ドルぐらいだと思います。
もう一つ。これは余談ですが、文化の違いかな?と思うのですが、日本の男性は携帯電話機を外出時には大抵胸ポケットに入れて持ち歩くようですが、アメリカ人男性では胸ポケットに電話を入れて持ち歩く人をほとんど見かけません。多くの男性はベルトクリップとかホルスターと呼ばれる道具を使って携帯電話をベルトに留めているんです。
日本で大成功をおさめたビジネスモデルをアメリカ市場で実現したいと、考えている日本のキャリアーや携帯電話機メーカーなのですが、現実にはあまり、成功していない厳しい現実です。間違い無く携帯電話システムや電話機は今は数段進歩しているし、これからも進歩先行すると思われる日本に比べ、どうも電話に関しては電話機能以外の遊び機能を求めていないアメリカ市場は逆に難解であり、その進歩も遅くなってしまったようです。
それでは!
岩間@SJ