サンノゼでも朝夕は随分秋めいてきました。道路沿いの空き地のあちこちでハローウインの黄色いカボチャを売り出す時期になると、例年のことながら落葉以上に秋を感じさせます。ハローウインが終わると次は感謝祭、それにクリスマスが続くと云う訳で、早々、年の瀬ですね(笑)。
カリフォルニア州の現職知事のリコール投票と新知事選挙が10月7日同日投票で行われました。新知事立候補者数が100名を超え、前回の大統領選挙時にフロリダ州で大きなごたごた問題を起こしたパンチ式の投票用紙が、電子投票機の準備が間に合わない事情から一部の地域では用いられることになったので、接戦になった場合、開票結果で混乱が生じるのではと懸念されたのですが、結果は実にあっけなく、開票作業開始から2時間ほどで、現職州知事のリコール成立が確実となり敗北宣言。2位の知事候補と大きな票差で、新知事に俳優のシュワルツネガー氏が当確になると云う具合で決着してしまいました。民主党、共和党と云う枠よりも、州民が今のカリフォルニア州の財務状況に強い懸念と不満を示した結果であるように感じます。
今回は選挙と関係の無い話なのですが、今年の後半から私自身の仕事が、台湾、香港、中国等に深く関わるようになったことから、その中で感じた日本人の漢字知識の話をさせてください。日本人は漢字を知る為に、これらの国で多少の便利さを感じることもあるのですが、その漢字知識の呪縛ゆえに、欧米人よりも不便さを感じる2極面があるように思います。
中国語が全く分からない私でも中国語新聞の見出しを見ると、その漢字の意味から多少の内容を汲み取ることが出来ます。街中の道路を歩いていて店の看板に書かれた漢字から何の店かも想像できますし、レストランのメニューを見ても、どんな材料なのか、料理方法も大体、察しがつきます。
無論、日本では使われていない漢字を見かけるし、中国本土で使われる簡略化された漢字には、その漢字の意味や元の漢字の推定が難しいものもあります。それでも、漢字の意味が分かると云うのは大変便利なことで、これらの国々との文化面の親近さを感じる理由の一つだろうと思いますし、これは欧米の言語の文化圏の人にはなかなか出来ないことだろうと思います。
ところが問題は、その発音にあります。残念ながら我々の漢字知識は日本語発音の知識そのものですから、彼らとの話の中で出てくる地名、人名などの情報は英語で話をしても全く分からないことです。日本の地理や歴史教育では漢字圏以外の国の地名や人名ついては現地の言葉をカタカナ書きした形で教えられますから、アクセントとか、発音の微妙な違いは
致し方ないのですが英語を使って話した場合、これらの単語は、まあ理解できます。
ところが中国、台湾、多分、韓国も同じだと思いますが、漢字名称は日本語発音で教えられたものですから、英語の会話の中でもこららの国に関わる地名も人名もメニューもさっぱり分からないのです。欧米人の場合は漢字がありませんから、これらの単語は英語の発音に近いスペルに置き換えたものなので、会話の中で、彼らにはそれらが分かるのです。日本人は漢字を知るが故に起こるトンでもない不便さなことが起こってしまうのです。
不思議にも香港や上海の発音は英語から来たもの?中国語から来たのか?私にはわかりませんが、日本人でもコウコウとかジョウカイと発音する人はいませんけれど、広州、蘇州、重慶、大連、新竹、高雄等などの地名。
蒋介石や毛沢東、云々の人名。これを会話の中で、彼らから言われても予備知識無くしては私などは完全にお手上げです。一方、現地の人と欧米人の間の会話の中では、発音を通じて、その意味が良く分かると云う妙なねじれ現象が起こっています。
最近の日本の教育の中では地名、人名をどのように教えているのか─私には分からないのですが、少なくとも日本語のTVニュースを見る限りにおいては、地名も人名も未だに日本語の漢字発音をしているように思います。
無論、日本の中だけであれば、それはそれで問題も無いと思うのですが、日本とアジアの間の交流や企業の現地化が進んでいるにも関わらず、埋まらない文化のギャップがそんなところにあるように思えてなりません。
無論、中国語を習得してしまえば良いのですが、それも簡単にはいきませんので、せめて、その耳慣れない地名、人名の現地読みぐらいは何とか覚えてしまおうと努力はしているのですが、日本語の漢字発音の知識を持つ故に、なかなか馴染めないと云うジレンマに陥っています。
それじゃ
岩間@SJ
写真:香港の朝と夕