西木村出身の詩人・小田嶋忠宏さんの「詩集(3)」(03・11・21)
《二行詩》
「そして、檸檬。」
《流星群をみた。私たちは何を祈らなければならなかったか》
この後退するものに置こう
眠れぬ夜にテーブルにあなたがくれたこの涼やかなそして檸檬
何によって救われるのか
位置定まらぬこの檸檬を窓辺に置けば縮小してゆく夜空
いずれなる誰と交わされるこの後退の黙契は
隠してみな活かされなければ失意の日々もまた
あなたに答えなければ
考えても考えても視えないこのこの後退する物陰で
いま搾り取る果汁のさびしい暗示そして檸檬
そのすべらかな色彩に託される明日をあなたは夜にたたんで
ああ雪がくるまえにこの後退する都市(まち)に
そして檸檬あの韜晦する流星群をこの果肉の内部に散りばめよう
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〈プロフィール/小田嶋忠宏(おだしま・ただひろ)1957年生まれ。
仙北郡西木村出身。神奈川県立横浜翠嵐高等学校卒業。横浜市在住。
主な詩集『コスモスロード』(紫陽社刊)、『宇宙消滅』(紫陽社刊)
短編集『んだら、な!』(文芸社刊)ほか雜文多数〉