西木村出身の詩人・小田嶋忠宏さんの「詩集(4)【Blue Light】」(03・12・06)



二行詩
 

【Blue Light】
 

〈僕は、大曲市で画家たちと出会った。もう26年前のことだ。
どんなふうに出会っていたのか。あの過剰は思い出さなければ〉
 

 一日を失なわば町の灯りのBlue Light
放たれた文字によってのみ屹立する歳月もう冬がきていた
 

「詩の話は寒くならなくっちゃ、話せないよ。」
果たされることのない約束を結んで花館町踏切り吹雪き待つは深夜
 

「人間だめだね、生意気がなくなったら。」
待つことは忍ぶことではない捨て身は落ち紅葉を踏んで字大村
 

「飲むぜ、明日なんかあるものか。」
命の余映「川のある町は美しい」と言ったのはだれだっけ花火よ丸子橋
 

「描く理由?。いまは黙って書け、おまえよ。」
大曲駅前吹雪かれた論理の中にこの雪を濾(こな)す詩とは何か
 
 

生きた証であれば逝ってもなお匿(かく)される
色彩のBlue Light 『ジーパン』 の苦渋を作品とせず小野さん
 

白も黒も色彩にあらずや姫神山
ねむるあなたに訪れる季節の彩つもる雪はただ御影石の色に降る
 

「抒情を書かせたら一級だね、きみ。」と若き画家がいった
ペンは折れ辞書は切り刻まれ文字は忘却する美しい批評の共犯
 

「したらな、熊谷十郎さん。」去りゆきぬという人のもがり笛
乗せるひとの姿も見えずも夜行列車は止まる過去にも旅立つ人にも
 

「今日も飲んでるね?」っていつかある詩人が書いていた
僕はひとり今日も飲んでるよ世界の和解はいつまでも遠い人はゆくもの
 

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《プロフィール》小田嶋忠宏(おだしま・ただひろ)1957年生。
仙北郡西木村出身。神奈川県立横浜翠嵐高等学校卒。横浜在住。
詩集に『コスモスロード』(紫陽社刊)、『宇宙消滅』(紫陽社刊)
短編集『んだら、な!』(文芸社刊)ほか雜文多数。