岩間郁夫さんの「アメリカ暮らし(196)デジカメ」(04・01・19)

 体調を崩した年明けの日本出張。本当に年始から散々な目にあいました(苦笑)。それでも、日本滞在中、大阪市内の大型家電量販店に出向き、昨今の人気商品などを見て周りました。

 デジカメと携帯電話機のコーナーは相変わらずの人気ですね。個人的な感じだけで根拠の無い話ですが、このIT不況脱出の鍵を握る製品はパソコン製品では無く、世界的に市場が急速拡大している携帯電話機とデジカメ、それに地上波デジタルの受信能力を持つ大型フラット画面のテレビじゃないか?と思います。

 昨今、問題になり始めた電子部品の不足も、大体、この分野の製品に関わるものが多く、景気浮上の可能性を強く秘めているような印象を持っています。これらの製品の何れが日本企業が得意とする分野、日本企業復活の鍵になるかもしれませんね。今回はこの3種の製品の中から、最近のデジカメのアメリカ事情をお話しさせてください。

 昔から、眼鏡をかけて、カメラを下げたアジア人旅行者は日本人であると言われるぐらい日本人はカメラ好きの国民のように思われますが、アメリカ人のカメラ好きも決して負けてはいないように思います。

 その違いはどう云う訳か?多くのアメリカ人は安価なカメラを持つか?一眼レフのような高級カメラを持つか?と云う2極分化していて、中級機を持つ人が少ないことです。モデルチェンジや性能が向上した製品が出ても買ったものが壊れない限り、長く使うことが習慣のアメリカ人は、今でも恐ろしく古くて安物と思われるカメラを持って観光地に出向く人は沢山います。買い替え等は殆ど意識せず、まだ写るから。。。と云うことでそのまま使っている訳です。

 しかし、同じカメラでもデジカメは従来のカメラとは少し違った角度から市場に受け入れられているようで、光学製品とか精密機械製品と云うよりもエレクトロニクス製品的な感覚で受け止めているような感じがします。そんなことから製品の世代交代に対して敏感で、コンシューマーは従来のカメラ購入と違い、割合新製品を追っかけるような動きをしています。

 アメリカ国内で販売されているデジカメ製品のほとんどが日本メーカー製です。アメリカ国内の大手プリンターメーカーやフィルムメーカーブランドのデジカメ製品も店頭に並んでいますが、これらの製品のほとんどは日本メーカーに生産委託しているか、日本製品のある機種のデザインを多少変えて自社ブランド化しているもので、開発生産販売を一環して自社でやっているデジカメメーカはありません。

 無論、韓国や台湾製のデジカメも店頭に並ぶことはあるのですが、やはり日本が過去に培ってきたカメラの実力とその信用力は遺憾なく発揮され、実際には日本メーカーが市場を独占していると云っても過言で無いと思います。アメリカ国内の家電製品市場で次第に日本メーカーの製品が少なくなってきているのですが、デジカメ製品の力は圧倒的です。

 デジカメ製品は大手家電量販店、事務機事務用品量販店、カメラ専門店、それにインターネット通販がその主力のチャンネルです。日本との違いは大手家電量販店のデジカメ製品コーナーで見られるような製品の種類は無く、品揃えと云う視点から見ると、はるかに見劣します。

 全デジカメ製品として50種類もあれば最高の部類。大抵は20種類から30種類ぐらいなのです。私の推測は各販路がどういう訳か?全デジカメ製品メーカーの製品を取り扱っている訳で無く、大手量販店自身が取り扱うメーカーを随分絞り込んでいるように思えます。加えてデジカメ製品メーカーも、アメリカで販売を行う機種を絞り込む販売政策をとっているように見受けられます。

 日本で見て気にいったけれど、同じメーカーの英語パンフレットにはその製品が無いことがままあります。逆に日本国内では見たことも無いモデルがアメリカでは存在することもありますけれど。そんなことで、1〜2の販売台数を誇るデジカメメーカーのデジカメ製品でも、店頭に並んでいるのは一社で3〜4種類ぐらいです。それに比べるとインターネット通販系販路は品揃えが店頭販売店よりも豊富な感じがします。

 人気画素数は3M、4Mピクセルのデジカメ製品が主力で、この分野は100%日本製品が独占。日本メーカが生産しなくなった2Mピクセル級の製品に、日本以外のメーカー(ほとんど無名の会社)が、途方も無く安い値段で底辺市場を獲得しようとしているように思えます。デジカメ製品の価格は日本の価格をそのままドル換算した値段と大きくは違わないように思います。

 唯一、デジカメ製品関連で、値段が大きく違うものが、画像を記録するメモリーカードです。どのタイプのものであれ日本国内では随分割高です。世界最大のフィルムメーカーが存在するアメリカですが、今はフィルムメーカーそのものが一般カメラユーザーのデジカメ製品への移行で、危機的な状況に陥っています。フィルムは売れないし、デジカメでも日本製品を凌駕するような製品の市場投入も望み薄と云う背景からです。

 その背景なのか?これらの企業はカラープリンターを使って写真印刷する為に使うフォトマット用紙やメモリーカード製品等に活路を求めているような感じがします。デジタル化はカメラの世界を間違い無く変えますね。

それでは!また。

岩間@SJ
 

写真: 香港のホテルで格式の1〜2を争う、ペニンスラホテルの年末年始のイルミネーション