西木村出身の詩人・小田嶋忠宏さんの「詩集(8)『夜桜、五感」(04・04・04)
 

この時代にはもうだれも来ないのだ
知ればいま抱きしめたいものへと夜桜の残された蕾は膨らむ
 

きみを叫びたいこころも冷えて
夜の桜を見つめているひとりであればなおさら
 

あふれるほどに桜は咲き満ちている
ひとりの夜は確かめられて
 

鰤と大根は彼女の煮物
一杯の酒を買えば懊悩は花を名乗って夜に咲きたがる

 
満開の夜桜の上に星が出ている 陽は滅びた
どこまでもどこまで歩いていこうふたりきりになるまで