この時代にはもうだれも来ないのだ 知ればいま抱きしめたいものへと夜桜の残された蕾は膨らむ
きみを叫びたいこころも冷えて 夜の桜を見つめているひとりであればなおさら
あふれるほどに桜は咲き満ちている ひとりの夜は確かめられて
鰤と大根は彼女の煮物 一杯の酒を買えば懊悩は花を名乗って夜に咲きたがる
満開の夜桜の上に星が出ている 陽は滅びた どこまでもどこまで歩いていこうふたりきりになるまで