西木村出身の詩人・小田嶋忠宏さんの「詩集(9)恋は恋」(04・04・27)
 

 この時代の雑踏にきみの姿を追えば
 花びら手向けて散る桜時代もきみを見失ってしまったよ散るものよ

 恋をしなければならない倒錯がある
 花は散るためにも雑踏によろけるためにもきみと出会うためにも

 曝け出すことにしか
 自分を護るすべがないのだよと言われて街の雑踏は夕暮れに静む

 昨日も今日も明日もぼくは未来から
 裁断されるための時間を過ごす他人への恋は苦くも不味くも恐くもあれば

 ぼくの暮らし向きなど知らないきみに
 さようならまた会おうねというのだぼくはきみの背中にそして人はみな

 恋は恋だねというきみに
 ぼくは隠していることがある明日時代から追い出されるのだってね

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プロフィール
1957年生まれ。西木村出身。横浜在住。
主な詩集に『コスモスロード』(紫陽社刊)
『宇宙消滅』(紫陽社刊)ほか。