西木村出身の詩人・小田嶋忠宏さんの「詩集(10)五月には妻を娶ることもあれば母の日」(5月10日)
 
 

 はじめから何もなかったではないか私には
 自らか明かりを灯して自づを往くことのほかには
 

 コップに投げ差し込まれたカーネーションは世間を真似て
 だれに捧げられるでもなく黄色が一輪朝の目覚め
 

 捨てるものなどぼくには何もない引っ越し
 けれど新しい日のために新しい過去にするために五月の陽光は眩しく
 

 母の日よ花嫁に
 捧げる花の名を探してぼくはまだ歩いているその花の名を捧げるために

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 プロフィール
 1957年生まれ。西木村出身。横浜在住。
 主な詩集に『コスモスロード』(紫陽社刊)
 『宇宙消滅』(紫陽社刊)ほか。