生きる理由を喪なったまま午後へ萎れていく花を
わたしに差し出すあなたはさようならの代わりに
核家族のほころびはベランダに
風呂場にキッチンに湧いた歓声も塵芥に積もる光沢の響き
別れてしまった理由を問うも虚しい
深夜に洗う今朝の食器ひとり分の食器を割る
だから許してね
詩は届かぬものへ風のように渉る眩しくこころを射れば
なんでもない風景がしあわせだった
そんな気がしたようなこともあったそんなことが有り得ないように
お父さんぼくらはむつかしい時代を生きてるねと子どもいう
だれも生きてきたことがない時代を今と言えばきみは高校二年生
最後の晩餐家族の風景はなつかしいくらい
ひとってほんとうに死んじゃうんですね