岩間郁夫さんの「旅の雑記(4)列に並ぶ」(04・12・30)

  サンノゼは雨もしくは曇りの年末年始になりそうです。クリスマス明けから連続して西から大型低気圧が流れ込んで来る影響なのですが、こちらの冬の雨季の気象パターンです。

  04年の投稿の最後は”待つ”と云うテーマを題材にさせてください。私が最初にアメリカに渡った73年、3週間と云う短い滞在の中で、アメリカ人の習慣として感心したことの一つが、空港やコンサート会場や店舗のキャッシャー等の場所で、人々が長い列を作ってきちんと待つと云う場面に何回も出会ったことです。

  コンサート会場などでは、入り口から出来た長い列は歩道沿いに繋がり、途中の横断歩道で一度切れて横断歩道を渡った場所からまたきちんと列を作っているのです。しかも一旦、道路の事情から途切れた位置から、割り込むような人も見かけず整然としていることでした。その列の最後尾付近に列を作っているのか?そうでないのか?紛らわしい人がいると、貴方は並んでいる最後尾の人ですか?と尋ねてくるのです。ホテルのチェックイン時でも、銀行の窓口でも、人の待つ場所ではいつもそんな感じでした。

  特に現金を扱うATM機の前やホテルの受付に並ぶ列では、ATMを操作している人や、カウンターで手続きをしている人から2mぐらい離れて、列を作ると云うマナーには驚かされたものでした。

  私のアメリカ生活が始まって、その癖がついてしまい、ある日本のホテルでチェックインをする為の列で無意識に同じことをやってしまい、ホテルの受付の人からは、並んでいるのか?そうでないのか?分からぬと云う迷惑そうな顔をされてしまったことがありました。

  しかし、最近の日本は列に並ぶと云うマナーは実に徹底してきたと思います。おそらく、列に並ぶと云うことに関して、日本人は世界でも一級のマナーを持って対応出来るようになっていると思いますし、それをサポートするポールやガイドロープ等の設置も良く出来ています。個人的な感想ですが、デイズニーランドなどのテーマーパークでのシステム経験が強くその影響を与えているように思います。良い意味でのアメリカナイズなのではないでしょうか?(笑)。

  ここ1年半ほど頻繁に私が出向く、中国には、この列に並ぶと云う習慣が無いのに驚かされますし、また、がっかりもさせられます。ホテル、空港のチェックインカウンター、店のレジなど等、処かまわず、並んだ列を無視して頻繁に割り込む人に悩まされますし、時には不愉快の極に達することもあります。

  ずうずうしさと云うよりも、おそらく順番に並んで待つと云う習慣が生活の中で無いのだろう?と感じるほどです。そういう割り込みする人に対して、店員や受付が、当人に対して、列を作って順番を待っているのでその列の後ろに並んでくれ!と云えば良いと思うのですが、どうも、その必要性を感じていないようで、並んで順番を待つ人をほっておいて割り込んだ人への対応を始めると云う訳で、多分、私以外の外国からの旅行者も皆同じような経験を持つ人は多いように思います。

  昼時のハンバーガー店の注文を受けるカウンターなどは、列を作らずに注文の為にカウンターに群がる客で、私も圧倒されてしまいます。バスや列車の乗車も同じ様です。特にバスは市民の一番重要な市内交通機関ですから、混み合うのが普通ですから、その乗車口に我先に乗ろうとする状況はすさまじいものがあり、乗降客の多い停留所だと、治安と云う公安警察から委託業務を受けた指導員がバス停に待機して、乗車口に群がる群衆を準警察力を持って整理作業を担当しています。

  4年後のオリンピックや8年後の万博を控えて、多くの外国人が訪れる前に、国として国民に先進国並みの生活習慣を身につけさせようと云う努力は始まっています。大都市である上海市内などでは、以前にも書いたように文明的云々と云う垂れ幕標語が目立ちますし、大きな横断歩道では歩行者や自転車の信号無視を取り締まる為、警察官や指導員を複数立たせて、違反者をかなり厳しく取り締まっています。

  まあ、私が子供時代のことを振り返ると、日本のバス停や列車の乗車口で同じ光景を見てきた訳なので、日本人は昔から整然として云々とは云い難いのですが、色々な地道な啓蒙的な努力の効果は時間を経ないと出てこないものなのかもしれません。中国を頻繁に旅する私としては、そういう時代が早く来て欲しいと思います。
それでは!

岩間@SJ

写真:香港九龍の目抜き通りで見かけたインスタントラーメンの広告。何だ?と思ったら地下鉄の出入り口に、この広告構造物をすっぽり被せてました。香港の人たちもインスタントラーメン好きです。