岩間郁夫さんの「旅の雑記(6)ラーメン・アメリカ編」(05・03・21)

  サンノゼでは公園や街路樹の桜が今ちょうど満開の季節になりました。外出する時も上着がぼつぼつ必要なくなってきました。まさに春です。私の方は2週間ちょっとの出張を終えて、最終地、香港から戻ってきましたが、いまだに、いつもの時差ぼけで苦しんでいます。こういう出張帰りの毎日は昼食も軽いもので済ませたいと云う気持ちが強く、このところ、会社のランチ時間は麺類ばっかり食べています(笑)。
 
  そんなことで、今日はアメリカ版のラーメンの話をさせてください。日本のラーメン人気は随分長く続いていると思いますが、今までアメリカではパッとしなかったラーメンですが、ようやくブームになる可能性が感じられます。鮨に代表されるアメリカの日本食ブームはもう確固としたものなのですが、ラーメンと云うメニューはアメリカで暮らす日本人にとって願望のメニューの一つであっても、アメリカ人にはなかなか受けいれられないものの一つでした。アメリカ国内で、インスタントラーメンやカップ麺は20年以上の歴史を持っているのに、ラーメン店のラーメンは受け入れられませんでした。

  日本人や日系人の多いサンノゼやサンフランンシスコの町でも、ラーメン専門店は開店しては潰れ、潰れては開店すると云う具合でどうも長続きしませんでした。また、日本食レストランのメニューにラーメンを載せている所もありましたけど、日本食メニューの本命にはならなかったように思います。
 
  私なりにその理由を考えてみたのですが、先ずはその値段です。ただでさえ割高な日本食であるのに、ヌードル一杯に?と云う割高感がありました。更にラーメンの量がアメリカ人的なランチの量から云うとスナック的な感じで、満腹感をもたらすと云う感覚からは外れていました。また、猫舌の多いアメリカ人には、調理されて出てきた熱いラーメンを一気に食べるのは難しく、少しスープを冷ましてから食べると云う人が多いように思います。

  一方、店側から見ると、ラーメン店経営のポイントである客の回転と云うことで難点があります。アメリカ人客の場合、他の日本食店でも同様なのですが、回転が悪いのです。ファーストフード店は別にして、店に入って即注文し、食べ物が出てきたらささっと食べ、代金を払ってお客が店を出ていってしまう。直ぐに次の客が来ると云うリズムが出来にくいのです。ラーメンはランチに最も向いているのは日本も同じですが、限られたランチタイムに客の回転が無いと店としては打撃です。

  更に一番大切なことは競争の激しい日本と違って、麺もスープも日本の研究(?)された味にはとても近づけなかったこと。言い換えると美味しくないことです。そんなことからラーメン店と云うのはファーストフード店でも無いし、普通のレストランでも無いと云う難しい立場の店になってました。
 
  しかし、ここ2〜3年、アメリカのラーメン店に大きな異変が起きてます。先ずは日本から新しいラーメンを持ち込んでの出店が増えたことから、麺もスープの味も格段に改善されてきました。日本と同じぐらいとは云いませんがかなり近づいています。

  またメニューも単にラーメンだけで無く、チャーハン、餃子を加えたメニューに変わってきたことから、不満であった量も満足のレベルに達してきました。サンノゼ辺りのラーメン店を見ていると、お客も日本人だけで無く、韓国人、中国人のお客が随分増えています。おそらく彼らの場合にはラーメンとは違ってもヌードルスープと云われる麺入りスープのメニューがもともとあったので、受け入れやすいのかもしれません。

  流行を先取りするニューヨークなどではラーメン店でも結構、白人客を見かけるそうです。狭い店内、窮屈なカウンター、食事を楽しむと云うより、さっさと食べて帰ると云う、今までのレストランの常識から大よそ外れた環境なのですが、やはり、その味にひかれて客が訪れるのだと思います。また流行の感じを先取りして、韓国人や台湾人の方でもラーメン店を開業
する人が現れてきました。店の前にはらーめんとかラーメンと書かれた看板や旗がひらめいていますし、店の名前も日本名を用い、客が来ると、店員が「いらっしゃいませ!」の声をかけてくれます。

  味そのものはラーメンとも中華とも云い難い場合もありますが、私みたいなラーメン党にはその選択の幅が広がるのは好ましいことです(笑)。では次回はアジアのラーメン事情のお話を。
 
岩間@SJ
 
写真: 良く宿泊する中国蘇州のホテルロビーです。
 

--------------------------------------------------------------------------------