病気のため04年6月の「家族風景論十八景」以来、休載していた小田嶋さんの詩の掲載が再び始まります。小田嶋さんは1957年、当時の仙北郡西木村出身。神奈川県立横浜翠嵐高等学校卒。横浜在住。これまでの詩集に『コスモスロード』(紫陽社刊)、『宇宙消滅』(紫陽社刊)がある。また短編集『んだら、な!』(文芸社刊)ほか雜文多数。 現在は和紙の出版社「横濱文庫」編集長、学習塾「横濱文庫」塾長。
「家路の地形」
病室を見舞う今日最後の訪問客
窓に静かに灯る街の地形を眺め家路を帰る家族を見送る
恵まれた恵まれなかったと人に付きまとう経済学を学んで
今日も明日も時代と交わることのない地形の橋を渡っていくのだ
家路の地形を巡って家族の渡る困難な橋が掛っている
私たちが求めていたのは幻か風がうずまく生の縁を外れて吹く
遠く街の夕暮れ無事に灯ってる生活などどこにあろう
不安と怯懦の時代の窓を眺めやり家路の橋上に涼をとる人さえさすらう