仙北市西木町出身の詩人・小田嶋忠宏さんの「詩集(16)」(06・11・09)

 小田嶋さんの経歴=1957年、当時の仙北郡西木村出身。神奈川県立横浜翠嵐高等学校二部卒。横浜在住。これまでの詩集に『コスモスロード』(紫陽社刊)、『宇宙消滅』(紫陽社
刊)がある。また短編集『んだら、な!』(文芸社刊)ほか雜文多数。現在は和紙の出版社「横濱文庫」編集長、学習塾「横濱文庫」塾長。


「大倉山公園梅林の道」
 

買いたくない本屋で
春日井健さんの歌集を見つけてしまった

詩集や歌集や句集や
売っている書店も数少なくなった

風がぼくのからだを巻いて吹く
近所の
大倉山公園梅林の道で
ぼくは詩など忘れていたように
思い出す

春日井健は今年亡くなったなと
思い出す

ぼくの傍らには
もうあの「未青年」はいない

かつての
「未青年」だったころのような
峻烈な魂が蘇ってほしいと
老いた風景が歩く街
を通り抜ける

桜の枯れた葉が
肩に顔に落ちてくる季節を伴って
思い出す人になった

ひとり
あるくことのほか
もう
峻烈な風景はない