岩間郁夫さんの「旅の雑記(23)牛丼」(06・11・27)
 

  アメリカ人にとって重要な祝日の一つ、11月23日の感謝祭が終わり、何処のショッピングセンターも年間で最大の売り上げを記録するクリスマスセールに入りました。平均的消費者は一年の買い物金額の3分の1を、この時期にすると云う、小売業にとっては一番ホットなシーズンです。

  実感はあまり無いのですが米国景気は回復して株価は過去最高水準と云う年なので、消費者の財布の紐は多いに緩むだろうと云うのが大方の業界関係者の予測です。クリスマスセールと関わりありませんが、今日は牛丼の話を少しさせてください。

 
牛丼店の海外進出として米国に日本の牛丼店チェーン、吉○家が、コロラド州デンバー市に進出したのは20年以上前です。なぜ?デンバー市を選んだのか?は定かではありませんが、牛丼はビーフボールと名付けられました。

  ただ、その後、本店が倒産したこともあり、日本食のブームに便乗することも無く、牛丼が話題になることもありませんでした。しかし、10年ほど前に再建された吉○家はカリフォルニア州やニューヨーク州で進出して復活しました。サンノゼ地域にも吉○屋は進出してますが、未だに日本国内の人気とはほど遠い状態で、他のファーストフードチェーンと比較すると大変見劣りしますし、実質、メニューもイマイチ、器も使い捨てのもの、味噌汁は粉末とカップを渡され、お客は自分でお湯を入れてかき混ぜると云う具合で、質やサービスを重要視する日本食としてアメリカの消費者にアピールするには力不足の感じがします。おそらくアメリカの市場開拓には、それほど力を入れてないのでしょう。

  私自身、アメリカで牛丼を食べることはめったにありませんが、ここ数年多いアジア出張の期間中、一人のレストラン探しが面倒になった時に、牛丼店を利用しています。と云うのは、私の出張先になっている、台湾、香港、中国の上海などの町に、吉○家の牛丼店は既に結構進出しているのです。

  店内は日本と違って、カウンター席は無く、全てテーブル席です。ハンバーガー店同様に、お客はカウンターで注文。代金を支払い、受け取った牛丼を乗せたトレーを持って、空いたテーブルを見つけて食べると云うシステムです。無論、牛丼は看板商品ですが、商売としては牛丼単品よりも逆が注文し易いセットメニューを中心に力を入れています。

  例えば牛丼+サラダ+漬物+飲み物と云うようなセットです。値段的にも個別に注文するより多少割安感があります。面白いのは、牛丼は中核メニューであるものの、その他のメニューは各地域で大分違うことです。各地域の食生活と嗜好などの実情に合わせて。。。と云うことだと思いますが、土地柄、中華と牛丼をコンビネーションにしたようなメニューもあります。
このローカルメニューは旅行者なら食べてみる価値があります(笑)。

  また地域の経済的実情も考慮しているのか?上海等では米国ハンバーガーチェーンのセットメニュー価格水準に押さえ込んだメニューを中心に扱い、値段で勝負しているようですし、台湾や香港などでは、どちらかと云うと高級指向で、ハンバーガーセットよりは、少し値段は高いのですが、その分、凝ったメニューもあります。例えば、台湾では牛丼を取り込んで弁当風に仕上げたようなメニューがあり、香港ではうどんすきの鍋とご飯を別にしたメニューもありました。

  現在のアジア内の店舗数は米国系のファーストフード店チェーンとは比較にならないほど少ないと思いますが、外食指向の強い地域だけに急速に市場が伸びているアジアの中で、牛丼は日本食風ファーストフードとして、案外受け入れられるかもしれません。

それでは!

写真はポルトガル色の強いマカオ市内です。亜熱帯に近いですから、11月でも半袖です。マカオは観光の町として発展を指向しているようです。4〜5年前と大きく変わってきたのは大規模なカシノホテルの数が増え、ラスベガスのカシノホテルも進出してきました。顧客の多くは中国からの観光客と香港からです。ただ、マカオのカシノは賭博場と云う雰囲気が強く、ラスベガスのようなゲームや遊び感覚に乏しいので私は好きになれません。