小田嶋さんの経歴=1957年、当時の仙北郡西木村出身。神奈川県立横浜翠嵐高等学校二部卒。横浜在住。これまでの詩集に『コスモスロード』(紫陽社刊)、『宇宙消滅』(紫陽社刊)がある。また短編集『んだら、な!』(文芸社刊)ほか雜文多数。現在は和紙の出版社「横濱文庫」編集長、学習塾「横濱文庫」塾長。
「一献、花散るころにも」
===追悼・島尾ミホ様===
「これは
島尾からです」
と
だれに対してもその流儀なのかも
しれないと今にして思えば
その姿勢に今になって驚いている
ぼくがいる
一献の
ウイスキー
をはじめて訪ねたぼくに
その封を切ってくれたのだった
二〇〇七年四月
あなた様に捧げる
祈りの一献
ただぼくにできる浅はかさ
とうとう
「文字の形」にできなかった
あなたの言葉
花散るころにも
人が生きるには
芯があるように
慚愧が
ぼくの胸に刻印する
「文字の形」をして
ただ祈りしか
ぼくにはないように
一献の祈りしかないように
花散るころにも