仙北市西木町出身の詩人・小田嶋忠宏さんの「詩集(19)一献、花ちるころにも」(07・04・06)

 小田嶋さんの経歴=1957年、当時の仙北郡西木村出身。神奈川県立横浜翠嵐高等学校二部卒。横浜在住。これまでの詩集に『コスモスロード』(紫陽社刊)、『宇宙消滅』(紫陽社刊)がある。また短編集『んだら、な!』(文芸社刊)ほか雜文多数。現在は和紙の出版社「横濱文庫」編集長、学習塾「横濱文庫」塾長。


  「一献、花散るころにも」

  ===追悼・島尾ミホ様===

  「これは
  島尾からです」
  と
  だれに対してもその流儀なのかも
  しれないと今にして思えば
  その姿勢に今になって驚いている
  ぼくがいる

  一献の
  ウイスキー
  をはじめて訪ねたぼくに
  その封を切ってくれたのだった

  二〇〇七年四月
  あなた様に捧げる
  祈りの一献
  ただぼくにできる浅はかさ

  とうとう
  「文字の形」にできなかった
  あなたの言葉
  花散るころにも

  人が生きるには
  芯があるように
  慚愧が
  ぼくの胸に刻印する
  「文字の形」をして

  ただ祈りしか
  ぼくにはないように
  一献の祈りしかないように

  花散るころにも