小田嶋さんの経歴=1957年、当時の仙北郡西木村出身。神奈川県立横浜翠嵐高等学校二部卒。横浜在住。これまでの詩集に『コスモスロード』(紫陽社刊)、『宇宙消滅』(紫陽社
刊)がある。また短編集『んだら、な!』(文芸社刊)ほか雜文多数。現在は和紙の出版社「横濱文庫」編集長、学習塾「横濱文庫」塾長。
「続・宇宙消滅」
『作品の状態---保存の大変悪い珍しい例です。作品には、剥落して消失
してしまった部分がかなり多くあります。角がほとんどないのは、接着剤
によって破損したためです。上の辺と下の辺にあるテープは、額装のため
貼られたものです。このまま放置しておくと、紙の酸性化がどんどん進行
し、ついには、その強度を全く失い、ぼろぼろに破損されてしまいます。』
(小林基輝《修復例および解説》)
いま、〈文様〉の
模写と修復に関する方法が書かれた作業日誌が、模写する者と修復する者
の手に渡ったとき、〈文様〉の
鳥は啄む花を失い、飛翔するその羽ばたきを
止めたまま頭(かしら)を擡げて、虚空に問う。
-----やはり、我々には、撰べなかったのか、世界は。
そして、
模写する者は、その手を止めて呟いた。
「花、よ。」
Epigram-----エピグラム。
再び鳥は渉る。隔世の海と大陸を、列島を。そして、天の軌道。
花綬を喰わえ、充ちるものに光りを射して。
哭き、囀り、例え時代が闇のうちでも告げなければならない。
明星を。
そのように、
〈文様〉が、人の営為を時代を浮き出させるとき、私たちの作業ははじまる。