仙北市西木町出身の詩人・小田嶋忠宏さんの「詩集(20)続・宇宙消滅」(07・05・29)

 小田嶋さんの経歴=1957年、当時の仙北郡西木村出身。神奈川県立横浜翠嵐高等学校二部卒。横浜在住。これまでの詩集に『コスモスロード』(紫陽社刊)、『宇宙消滅』(紫陽社
刊)がある。また短編集『んだら、な!』(文芸社刊)ほか雜文多数。現在は和紙の出版社「横濱文庫」編集長、学習塾「横濱文庫」塾長。


  「続・宇宙消滅」

  『作品の状態---保存の大変悪い珍しい例です。作品には、剥落して消失
  してしまった部分がかなり多くあります。角がほとんどないのは、接着剤
  によって破損したためです。上の辺と下の辺にあるテープは、額装のため
  貼られたものです。このまま放置しておくと、紙の酸性化がどんどん進行
  し、ついには、その強度を全く失い、ぼろぼろに破損されてしまいます。』
  (小林基輝《修復例および解説》)
 
 
 

  いま、〈文様〉の
  模写と修復に関する方法が書かれた作業日誌が、模写する者と修復する者
  の手に渡ったとき、〈文様〉の
  鳥は啄む花を失い、飛翔するその羽ばたきを
  止めたまま頭(かしら)を擡げて、虚空に問う。

  -----やはり、我々には、撰べなかったのか、世界は。

  そして、
  模写する者は、その手を止めて呟いた。
  「花、よ。」
 

  Epigram-----エピグラム。
  再び鳥は渉る。隔世の海と大陸を、列島を。そして、天の軌道。
  花綬を喰わえ、充ちるものに光りを射して。
  哭き、囀り、例え時代が闇のうちでも告げなければならない。
  明星を。
  そのように、
  〈文様〉が、人の営為を時代を浮き出させるとき、私たちの作業ははじまる。