「クリの花が終わらないと梅雨も明けないのよ」と妻は良く言った。そのクリの花が終わったのを台風4号が通過した16日夕、小犬のパピーと散歩して確認した。青々とした葉っぱを見上げたら、クリの実が小さく膨らんでいた。「これで梅雨も終わったかもしれない」と思った。それから2日後の夕方、やはりパピーと近くの川港親水公園を歩いていたら、森の奥からヒグラシの鳴く声が聞こえてきた。カナカナカナと透き通った声で、夏を知らせていた。
このごろ取材する材料がないときは自宅で過ごすようにしている。勤めていた時はそうもいかず、「何かないか、取材する材料はないか」とない智恵をひねり、焦ったものだった。そうした精神的な負担からも解放された。木曜日の朝、読者からあった毒蛾情報の記事をまとめた後、久し振りにレコードを聴いた。流れているのはスメタナの交響詩「わが祖国」だ。
レコードの時代が終わって、CDになってしばらくなるが、久し振りに手にしたレコードは黒い宝石のように輝き、その溝の中に数々の音がひそんでいると思うと、CDよりも神秘的で、温もりを感じさせる。それにLP判だからジャケットを飾った写真も大きく、オーケストラを指揮する指揮者の恍惚の表情が、音楽を聴くものに夢を与える。
「わが祖国」はスメタナ(1824年〜1884年)が、当時はまだオーストリア帝国の支配下にあったボヘミアの首府・プラハ市のために書いたものという。現在はチェコの首都である。初めてこの曲に出会った時は、その美しいメロディーに感動すると同時に遠い異国の地に夢馳せながら、ジャケットの見開きページに飾られたプラハ市内を流れるモルダウの流れに身を任せるような思いで聴いたものだった。
当時はプラハに行けるとは夢にも思わなかった。モルダウ川とプラハ市を写真で見ながら、音楽でその情景を描くという作曲家の神のような才能にただ畏れた。5月のドイツ・チェコの旅で、そのプラハを歩き、モルダウ川も見た。モルダウに架かる「カレル橋」を渡る時は「わが祖国」のメロディーが自然によみがえった。
レコード音楽は続いている。こうして平日にノンビリとレコードを聞ける時間を持てたことが嬉しい。
木曜日は原稿を仕上げた後、妻の洗濯を手伝い、お昼にはイタリア料理の専門店でスパゲティを味わった。先日の昼に妻がご馳走してくれたスパゲティを食べていたら、なぜか専門店でトマトケチャップの利いたものを食べたくなった。誘われた妻は「あなた。アタシが作ったのでは満足しなかったの」と不満げだったが、「レストランの味を楽しむのもいいじゃないか」と連れ出した。
昼食後はスポーツ店や大型電器店をブラブラし、夕方には参院選の金田候補応援のため美郷町に渡辺喜美特命担当大臣が来ると言うことで美郷町に走った。そして金曜日の20日。梅雨も終わったかと思っていたが、空は雨模様となった。この日は小泉前首相が大曲入りする。やはり金田さんの応援のためだ。
今度の参院選、金田さん、松浦さん、そして共産党の鈴木さんの選挙カーをそれぞれ個別に取材し、それで終えようと思っていたが、前首相が来るとすればやはり注目したい。午前10時には家を出て、市民会館に向かったが既にイス席は満席だった。さすが前首相だけに人気はまだまだだ。
その前首相が来たことだけを少し触れたいと思いながらも、片手落ちになってはと松浦さんを応援している連合秋田の関係者と会って話を聞いたり、共産党秋田県委員会に電話取材した。明日はその共産党の鈴木さんを取材したい。梅雨は終わったのか、終わらないのか。あいまいな梅雨空のまま、今週もあわただしく過ぎて行く。写真は美郷町六郷の町民の森で写す。