明智香作(四国在住)「イマドキのPTA事情(2)」(97・5・8)

(PTAは何の略?ぱっぱらぱーのP とんちんかんのT あんぽんたんのA?)

五月 「アンケートには切り取り線を!?」

 「でもね・・・やっぱり不公平と思うのよ。私は明智さんと違ってPTAなんか興 味ないの。役員選出の学級PTAに出るのだって、熱心だから出る訳じゃない。私は我が子の新しいクラスの様子や先生の事が知りたいだけなの。なのに・・・先生 ったら決まれば良いと思っているんだから、この場に来ている熱心な人から、選んで下さいなんて。だから出席者も減るのよね。委任状をとるクラスもあったりな かったり、統一してほしいわ。まあ・・・委任状の意味がわかってない人も多いけ どね。出さない人だっているし、推薦状だと思っている人もいるみたい。でも話し合いに来ない人が役から逃れれるってのだけは許せない!」

 筒井さんも、パソコンサークルを作るために副部長にはなったものの、今までの役選びについてはかなり不満をもっているようです。言えば良いのに陰でしか言わ ないからダメなのよね。言わないと変わらない。誰かがやってくれるの待ってるだけじゃ ダメよ。 PTAに関心があるというわけでもないのに、役員になり、活動をはじめるといろ いろなことに気がつき、改善の必要性も感じるようになる。でも、どうすればよい かわからないまま、例年通りの行事をこなしていく・・・そのうち任期が終わりに近づき、この思いを次の役員に引き継ごうとする。でも、それを受けた人もまた同じ一年の繰り返し・・・私は、こんなのは、イヤだからね。最初から、問題点はわ かって?いるんだから、どんどんとばしていくつもりです。

 研修部の主な行事は三つ。「講演会」と「ふれあい学級」と「研修旅行」。あとはサークル活動のお世話・・・みんなそれなりの意見は持っているはずなのに、声 には出さない。ならばと、研修活動についての意識調査と今年の活動への意見・希望など。選択式と記述式で、アンケートを全会員対象に実施し、それを各クラスの 研修委員に集計してもらい、研修部会の資料にしました。これで話し合いも具体的 になるはず!?

 そんなある日、柴田代表班長(実行委員の一人)から電話がかかってきました。

 「明日のお昼頃、学校の会議室に来れる?実行委員に注意事項があるんだって」

なんとなく、いや〜な予感がしました。

 行ってみたら、集まっているのは各部長と局(つぼね)副会長だけ。

 「あれ?毛利会長や島津副会長は?先生方は?実行委員全員じゃないの?」

 「男の方は忙しいからね。私がちょっとみなさんに注意しておくことがあったもので集まっていただいたのよ・・・。実はね・・・研修部、明智さん、アンケートをとったでしょ?あのアンケートで 苦情がきているのよ。例年と違ったことをするときはね。実行委員会を通さないと ダメなのよ。急ぐ時は、会長や島津副会長はお仕事で忙しいから、私を通してほし いの。」

 信じられな〜い。局副会長のポジションは、会長の補佐をする島津副会長の補佐でしょうが!会則を読んだことあるのかしら、このおばさん。来るんじゃなかった 。と、後悔しながらも

 「研修部は毎年この時期アンケートをとっていますけど?」

 「質問の内容が違っているでしょう?それに真ん中に切り取り線がないでしょう? それから、ココ。講師を紹介してくれる人に記名をさせるようになっているでしょう?アンケートなのに」

 「毎年、講師を紹介してもらっても、どなたから紹介していただいたかわからない ので、話が進みにくいんです。それにさしつかえなければって添えていますけど?  今までのように、講師は誰が良いですか?ふれあい学級は何がしたいですか?研 修旅行はどこへ行きたいですか?じゃ10枚も返って来ないんですよ。600世帯ある中で!やるなら、より回答が多く返ってくるようにした方が良いでしょう!」

 「だからね。そうやって違ったことをすると、周りの人が困るのよ・・・あなたの後ろには 17人の研修部員がいるし、その部員の後ろには子供さんやご主人がい るのよ」

 あ・・・もう ダメ。話にならない。

 「はい。以後気をつけます。切り取り線も忘れないようにします。でも たいてい 、真ん中の折り目で切り取ってくれていましたけど」

「みなさん 忙しいときにごめんなさいね。でも 大切なことだから」

帰り道、織田広報部長がぶつぶつ言っていました。

 「冗談じゃないわ。私だって有給とって抜けてきたのに!くだらない。明智さん気にしないで良いよ。あんなの・・・」

 その一言を局さんの前で言って欲しいわ!ホントに。くだらない。ただ私に釘を指したかっただけじゃない!。

 「ねえ、織田さん。私 おもしろい本を見つけたのよ。これ広報部でやってみてくれない?。まあちょっと読んでみてよ。実行委員会までに」と、渡しました。

 その本の名は?

「PTA活動マニュアル ◆元気の出るPTA活動の進め方◆」

 彼女はフルタイムの仕事をもちながら、広報部長を無理矢理押しつけられて、未 だに「なんで私が!」ってぶつぶつ言っていますけど。こわいもの知らずのおもしろい人です。ぜひ仲間になってほしいところですが。

 実行委員会の前に、まず研修部会を開きました。これをやっておかないと、話が進んでいかない。ここでも、実はひともんちゃくありました。今まで、研修部員は 年一度の研修旅行に出れば良いという信じられない不文律がありました。それなら 、私は去年も研修部員だったことになるんですが、まずこの意識を何とかしないといけない。

 それで、三つのグループに分かれ、それぞれの活動の企画・運営をそのメンバーで役割分担するっていうことを提案して、納得してもらう必要があったのです。ひとり「そんなことをしたら来年からベルマークを切るだけでいい保健厚生部に 、希望者が殺到するんじゃないですか」って言う人がいたけど、まあ納得してもらいました。

 これを言ったら、上杉保健厚生部長、怒った怒った・・・まあその話はまた別の機会にしますね。

 講演会の講師候補も絞って、なんとか無事に研修委員会は終わりました。やっぱり会をするには、資料がないとね。今回はアンケート結果を各クラスで研修委員に まとめてもらっていたので、それぞれ関心をもって臨んでもらえたようです。

 とりあえずに急ぐのは六月の父の日に行われる講演会です。あとの二つはグループでリーダーを決めてある程度までまとめてもらいました。ああらくちん。

 そして、実行委員会

 今月の議題は、年間計画と5月の活動計画

 5月には、早速、財政部の担当の古紙回収があります。これも私、不思議なんですよね。親子で汗を流し、地域の古紙を集め、PTAの活動材源にするのですが 、話は「いかに はやく きりあげるか?」に集中したのです。子供が学校に行っ ている間に保護者だけで集める地区もあるとか・・・それって、なんか変な気がするのですが。子供は?なんだか、どうでもいいようなことで、ちっとも話が進まず、イライラします。 実行委員会までにもう少し話を詰めてきてもらわないと困っちゃうな。

 研修部は、年間計画と、講演会の絞り込んだ講師を報告。アンケート結果に考察を加えて、全校に配布する件。アンケート結果によりパソコンサークルの開設を望む声が多いことなどの報告にとどめました。

 9時も近づく頃やっと「その他」になりました。

 「あっ、明智さん。何か提案があるんでしたね?」と、島津副会長。

 「はい。お手元の二枚の資料を見て下さい。一枚目は研修部のアンケートで拾った現在のPTAに対する不満や疑問です。役 員改選への不公平感。役員だけが動くPTAについての疑問などあげられています。先生方のご協力により例年10枚程度しか回収できなかったのですが、74%回収できました。  二枚目は同じような現状の小学校のPTAが、改善を試みた例を抜粋しています 。 これは『役員カード』で役員経験を登録し、一人の子供に対し一度は役を経験してもらうようなシステムと、役員の負担軽減のために、会員が協力できる項目に 登録してもらう『協力カード』を採用した例が出ています。それを実現するために このようなアンケートも、とられています。アンケートの取り方、文書の形式など改善への流れがこの本に詳しく書かれています。これとすべて同じ方法という わけにはいかないでしょうが、会員の関心があるうちにアンケートを広報で実施していただき、その結果を一学期の広報誌で会員に見ていただき、二学期の学級 PTAで話し合いを進めていただけたらと思うのですが、いかがでしょうか?織田広報部長には、もう了解を得ています。以上ご検討をお願いします。」 

注=文中の「PTA活動マニュアル◆元気の出るPTA活動の進め方◆」は、あゆみ出版から出ています。