柳千賀子さんの「シンガポール日記(12)」(97・5・8)
こんにちは。 毎日、ドタバタとした日々をすごし、体験記を書くのが遅くなってしまいました。
なぜ、ドタバタした日々かというと、とうとう日本に帰れる日が近づいてきたからなんです。 「日本に行く前に会って、ランチでも一緒に食べよう」と誘われるとうれしくって、出かけたり。でも1ヶ月後には会えるんだけど・・・・・ 週2回の英会話もしっかり行っているものの、行ってるだけ、心はすでに日本に行ってしまっているので、英語どころのさわぎじゃないって感じ。 それから、お土産。日本にはないものや、めずらしいもの、あまり高くないもの などを友達から聞いて、あれやこれやと、毎日お土産を買いあさってます。
なにが大変かというと、やっぱりお土産。結構お金もかかる。日本に何回か 帰っている友達いわく 「日本にいくのが、一番お金がかかるよ。お土産代や日本の中での交通費も、 結構ばかにならない。お土産は、多めに買っていった方が無難。」 友達のMちゃんも水をさす。 「日本に帰ったら、3キロは必ず太るよ。」 ゲッ!すでに、こちらに来て3キロ太ってしまった私は・・・プラス6キロ増 になるってこと? すごくすごく、日本に帰るのは楽しみなのですが、ちょっとブレーキが かかっているのも事実です。でも、これはみんな経験していることだから しかたないとあきらめてはいますけど・・・お金の事よりも、体重の増加に おそれおののいている状態です。
そうそう、浮かれ気分ではいられないのが、陶芸です。
先週と今週は朝10時から夕方5時ぐらいまで、陶芸のレッスンに行きました。いつもは、水曜日の午後1時から4時までの3時間なのですが、私と一緒に行っているとYちゃんも、ちょうど同じ時期に日本に帰ることになったために、時間を変更してもらったんです。それにしても、7時間ビッシリは、さすがにヘトヘト。シンガポールに来てそんなに長い時間、一つのことに集中していたのは初めてだったし、なにしろ、エアコンがない。ジットリ汗をかいて、のどはかわくし 、水を飲みながら。でも、そこのトイレは、水洗ではあるものの、ちょっと気楽 に入れないほど怪しいので、一日中トイレにも行かずというか、トイレに行く ことをそこの工房にいったらまず考えないことにして、作品づくりに没頭することにしてます。
先生は、男性で中国人です。簡単な英語で、たまに薄い、厚い、キレイとか日本語を交えながら説明してくれます。いつもニコニコしていて、やさしくっ てさわやかな青年?といった感じの先生です。出来の悪い私は、すぐ「先生ヘルプ」といって、手直しをしてもらうんです。そのときも、いやな顔をしないで、苦笑い?しながらもきれいに手直ししてくれます。
私が英語を話せたら、もっといろいろ教えてもらえるんだろうなぁ〜。たまに、何をいっているのかさっぱりわからないときは、英語が話せる日本人の奥様に通訳をして頂きます。最近は、つぼを作ったり、梅干し入れにはぴったりというようないれもの (ちょっと大き目)を作ったり、私にしてはだいぶ大掛かりな作品が作れるようになりました。でも、半分以上は、先生の手直しが入っています。
私は、ろくろはまだまだで、ろくろもどきの台を使って、粘土を重ねて、手でまわしながら表面を木べらで滑らかにしていくやり方で、花瓶やつぼなどを作りました。お店で売られているような花瓶や、つぼのように、左右対象の形にするのは、けっこう難しいものです。
先生に手直しをしてもらうとたまに、私が作ろうとしていた形が変わってしまうんです。「形がかわっちゃった。」といいながらも、すごくキレイに仕上げてくれるからうれしいし、ヤッター!と喜んでしまいます。単純なわたし。
粘土で作った作品は、次の週までに素焼きをしてくれて、翌週色付けをして、もう一度釜焼きをしてもらいます。1つの作品が完成するまでに、3週間かかります。出来た作品は、100グラム1ドルで量ってもらって買って来るんです。いまいちかっこよく出来ていなくても、自分がつくったものだとなんだか、愛しく思えちゃうものです。
「うまく出来ない!」とか、「暑いねぇ〜」とか、愚痴っぽいことを言いつつも、無言で集中して作っているときが好きだったり、完成した作品を手に取ると すごく嬉しい。「私って、案外こういう事が好きだったのね。」と意外な自分を発見することが出来ました。 断っておきますが、好きと、上手は全然別物です。
いつの日か、先生に、チェックだけして頂いて「OK」の言葉を言ってもらえるのを楽しみに挫折しないように頑張ろうとおもいます。 ろくろを使って、素敵な器を作るのが今の私の夢です。
陶芸に行ってうれしいことがもう一つ。工房のあるところは、町工場みたいな小さな工場が入っているビルの中にあります。その近くに、ホッカセンターといって、決してキレイではないのですが、屋台みたいな感じでごはんを食べられるところが何件もあります。工房に一番近いお店でいつも、ミネラルウォーター(小ボトル)を買っていたら、そこのおばちゃんが私の顔を覚えてくれて、私が行くとニコニコしながら、「これでしょ!」と いって、一番冷えているミネラルウォーターを出してくれるんです。 家から持って行こうと思ったりするけど、あのおばちゃんの笑顔が見たくて1ドルコインを握り締め、毎週そこにも通っているわたしです。
あと4日もすると、日本です。そのため、1ヶ月ほど、体験記をお休みします。日本に帰ると、シンガポールの良さを改めて感じたり、日本の住みにくさ も、感じるそうです。私も、比較しながら1ヶ月楽しんできます。