岩間郁夫さんの「アメリカ暮らし(6)」(97・6・9)

伊藤さん こんにちわ

 先週は東京、名古屋、京都、大阪を訪れ7日、関空からサンフランシスコに戻っ てきました。今日は時差ボケが解消せず、起きては寝て、寝ては起きてのグウタ ラ日曜日になってしまいました。

 伊藤さんが県南でご指摘された日本の携帯電話の使用、私は呆れました。せめて 駅構内や公共の乗り物の中やレストランや会議の席でベルを鳴らすのは止めて欲 しいと思いますね。便利なんでしょうが掛ける方の責任も受ける方の責任もある ような気がしました。

 今週のアメリカ暮らしは前の運転免許と車購入に続いて交通違反を取り上げてま した。 まず日本の交通違反取締りの違いは、一斉取締りによる検問等がほとんど行われ ないことです。関係無い車を警察側の都合で停車させ、免許証等の提示要求する ことは合法なのか?は未だに議論されているからです。ただ、飲酒運転防止の有力手段として連休前夜等に場所と時間を事前に十分公開した上で、クリスマスイ ブの夜などに実施されるケースは出てきました。逆に日本では無いだろうと思う 交通取締りは郊外のハイウエー上で飛行機によるスピード違反の取締りだと思います。

 最も一般的なのは何処でも同じようにパトカーや白バイ等の警察車両による違反 検挙です。まずは違反発見後、警察車両は違反車の後ろにピッタリとついて、赤 か青のパトロールランプを点灯、同時に赤のサーチライトが違反車にあてられま す。このランプが照らされると大抵の運転手は捕まった!と気付き、路肩に停車 します。でも直に警官は出てきません。しばらく違反車の様子をうかがってから です。よく言われるのは運転手は車の外に出ることをせず、運転席で警官の指示 があるまでじっとしていなさいということです。うっかり警官に近づいていった りすると警官から銃を向けられることがあるそうです。

 通常のレベルの違反であれば警官は運転手に違反内容を告げて運転免許証と車両 登録票の提示及び保険契約の有無を証明する情報を求めます。この時、警官は車 内や運転手の態度を良く観察しているようです。 警官は停車を指示したまま無線で運転免許と登録票から過去の違反や盗難車に該 当しないか?を確認してから違反キップ(こちらではチケットと呼んでいます) を発行、運転手のサインを求め、カーボン紙側を運転手に手渡し”Have a nice day” とか言って去っていきます。 

 その後、2週間ほど経つと当局からの手紙が届き、クーポンに記載された罰金額 を小切手で発送すれば減点1で一件落着となるんですが、大抵の違反者はこの通 知を持って交通裁判所に出かけます。目的は保険料のアップや免許停止につなが る減点を避ける為です。つまり安全講習の自主参加申し込みに出かける訳です。 この参加を申し込むとその場で罰金が減額します。ただ逆に講習参加料を取られ ますから合計では元の罰金額より多少安い程度に留まります。 安全講習は土曜日に近くの学校や公会堂の教室を利用して実施されます。違反1 回目の場合は一日、2回目以降の場合は2日間の講習です。内容は事故の恐ろし さの認識ということで、事故例、安全知識、映画等の科目になりますが、参加者 全員に各自の違反を起した背景や状況、警官とのやり取り等を説明させるプログ ラムもあり、ただ聞くだけでは無いのが特徴かも知りません。

 また違反内容に運転手が承服出来ない場合、交通裁判の実施を求めることが出来 ます。これは違反者本人(弁護士採用も可能)、チケットを切った警官、裁判官 の3者による即決裁判で、指定された日時に警官本人が出頭しない場合、違反者 は勝ちとなり、違反の経緯に関して警官の記憶が曖昧な場合や違反が道路表示の 不充分さや道路構造に問題があると判断された場合、違反者側に有利な結果が出 ることが多いとは聞いています。しかし、違反者はここで負けると講習会参加に 持ち込め無いので、裁判に自信があればと言うことになるかと思います。

 罰則は軽微の度合によって罰金額は異なりますが、減点はどれでも1点となりま す。確か(?)カリフォルニア州では4点目の減点で免許停止となりますが、カ リフォルニア州等では運転が出来ないことは失業したり、生活が出来なくなる事 を意味する場合が多いので、免許停止処分とは言え通勤の車利用だけは許可され る等、弾力的なところはあります。また駐車違反は罰金ですが交通違反では無く、市の条例違反となる為、減点の対象にはなりません。

 昨今、最も重い交通違反は酒気帯び運転とドラッグ影響下での運転です。ドラッ グのケースは当然、刑事違反も加算されますが、酒気帯び運転でも通常の交通違 反と異なり扱いとなり、まずはその場で逮捕、留置場で翌朝まで留め置かれ、後 日、交通裁判所では無く他の刑事犯罪同様、地方裁判所へ出頭、裁判を受けることになります。昔は良い弁護士を使うとかなり減刑されたと聞くのです、今は酒 気帯び運転は罰金と実刑の両方から逃れることが出来ません。

 カリフォルニアの 場合、罰金を500ドル以上を支払った上で、実刑として刑務所に最低2日間暮らすか、パブリックサービスとして週末道路掃除や公共施設の掃除等を8日間の 作業が最低の義務となっています。ただ、ボランテイア参加とは違いますから、 経験者(日本の企業の駐在員でこの経験者が結構います)の話によると作業はか なり厳しく週末朝7時に刑務所の前に集まり、点呼を受けて指定された護送車に 乗せられ、監視付きで道路掃除をするのは楽で無いということです。何よりも当 事者は知り合いに顔を見られたく無いという気持ちが、全面に出るので、結果と してヘルメットを深くかぶり、下を向いて囚人同様、黙々と作業をすると言うこ とになるそうです。