柳千賀子さんの「シンガポール体験記(15)」(97・7・10)

 日本から戻ってきて、1週間休養したせいか、2週間目からは体が動く動く。 暑いさなか、なんで自分がこんなに動けるのか不思議なくらい。 夕ご飯を食べた後、テニスをしたり、コートが取れないときは、プールで泳いだり、 毎日のように泳いでいました。(過去形になっているのにはわけが。。)

 友達に誘われて、月曜日の朝9時半からテニスのレッスンを受けることになり、 初日、張り切っていったものの、コーチが現れなくて、とりあえず3人で練習。

 翌週、コーチが来てくれて早速レッスンを受けることに。噂には聞いていたけど、 けっこうマッチョなお体。私が見るには年の頃は50歳代後半。そんなに背は高くなく 腕といい、脚といい筋肉だらけ。キャップを深くかぶってサングラスをかけ、 指には大きな指輪を3個もつけちゃって、金の腕時計をして、首には重そうな金のネックレス。 コロンプンプンにおわせて、テニスをやるにはちょっと派手かも。いかにも シンガポーリアンといった感じのコーチ。

 でも、前歯がなくって、いつも 「ハッハッハッハ」なんて笑ってくれて、なんか親戚のおじさんに教えてもらっている ような、妙に親近感がわいてしまう。友達に練習が終わった後、この事を話したら、 「よくそんなに見てたね。余裕あるじゃん」と言われて気が付いたことは 「私って、レッスンに集中してなかったかも…」。

 肝心のレッスンは、サーブの練習から始まって、スマッシュの練習、ボローアンドスマッシュ の練習などなど、体力は人並み以上にあるので2歳年下の友達にもついて行けるけど、 テクニックがメチャクチャだから、ボールはホームランばかり。フェンスを越える特大まで 出しちゃうし、トホホ状態。コーチは笑いながら(例の)「もう1回」「もう1回」を連発。 友達の倍ぐらい走りまくって、1時間ビッシリのレッスンは終わってしまった。

 月曜日の朝っぱらから、こんなに体を動かしていいのかな?と思いつつも、けっこう良い汗を かいて、疲れたし、うまく出来なかったけど、楽しかった。 翌週、張り切っていたのに参加出来なくって(それにはわけが。)友達二人でレッスンを 受けたら、死ぬ思いをしたらしい。どうせわかりゃしないと「鬼ィ〜」と叫んだらしい。 相変わらず、コーチは笑っていたらしい。(例の) コーチは、汗をちょっとタオルで拭いて、飲み物も飲まずに大きな丸いかごにボールを入れて、 それを大きなリュックに入れて背負って、ハーレーに乗って帰っていきました。 思わず「カッコイイ〜」。

 日曜日の午前10時半から1時まで、日本人小学校の体育館でバスケットをやっていて、 男性が多いけど、女性も何人かやっていて、女性は人数が少ないので大歓迎らしい。 すべて日本人。という話を友達のAちゃんから聞いて、中学のときに部活でバスケをやっていたので、 「やろう!やろう!」と日本に帰る前に話が盛り上がって、戻ってきたらAちゃんと一緒に いくことにしていました。

 横手のサティでバスケットシューズを買ってきて、早速日曜日、夫を家に置き去りにして、 AちゃんとAちゃんのご主人と一緒に車で行ってみました。うちのコンドミニアムから 5分ぐらいのところにあって、あまりの近さにビックリ。 はやり男性が圧倒的に多くて、女性は私を入れてその日は5人。みんな私より年下。 気さくで、親切でいい人ばかり。なんか楽しくなりそうで、ワクワク。

 ウォーミングアップから参加させてもらうことになりました。みんな真剣にやっているのに、 中学の部活を思い出してにやけた顔をしてやっているのは私だけ。でも15年ぶり(あら! 年がばれる)だから、なんだか気恥ずかしくって… その後、ニューフェイスということで自己紹介をすることになり。輪になって、ずら〜 っと背の高い男性の中で「なんか暗いなぁ〜」なんて思いながらも 見上げるような感じで緊張しちゃって、しどろもどろな事をいってしまい、苦笑い。

 シュートの練習をしたら、中学のときはシュートが入らないにしろ簡単に届いていた 距離からシュートが全然とどきやしない。ゴールの近くでジャンプしながら、シュート しても入らない。たららぁ〜ん。ただ呆然とするばかり。体力はあるはずだから、体の衰え? ゲームにも参加させてもらっても、動きの感覚もさっぱりわからなくて、ただただ走っている だけ。ドリブルもただの玉突きになっているし、パスも届かない。ショックでショックで。

 「すごい久しぶりだから、やってくうちに感覚がもどってきますよ」なんて励まされ、 「くじけずに頑張ろう」と思って、おもわずマイボールを買ってしまいました。 練習するコートが近くにないのにもかかわらず。「早めに行って中学の時の朝連のように 練習したら」なんて夫や友達に気合を入れられてしまって。

 翌週は、Aちゃん夫婦は行けないということで、私は一人でタクシーで行きました。 一度顔を合わせているし、みんな気さくだからもう仲間に入ったつもりで、気軽に 行けちゃう自分がなんだか不思議な感じ。 練習は、先週よりだいぶ感覚が戻ってきて、シュートも入ったりして「ヤッタ〜!」なんて 喜んじゃったりして。周りから「ナイスシュート」と声をかけられて、思わず照れ笑い。 ゲームの時は、男性4人に私が加わって一つのチームをつくってやりましたが、 私はただ、コートを走っているだけ。全然ボールがまわってこない。「たまには、ボールに 触らせてよ」と思っても口に出せないし、みんな真剣だから、私にボールをまわしても 取られてしまうし、背が低い私にはパスも通らないのは解かるんだけど。

 3ゲームやって、ボールに触れたのは、2回だけ。4ゲームめは、女性5人対小学生の男の子 プラス、大人の男性でやったときは、シュートが1本決まったので、スゴイうれしかった。 バスケも楽しかったし、女の子達といろいろな話をして、仲良くなれたこともすごく うれしかった。 ランチを一緒に食べようと誘われて、すごく行きたかったけど、家で夫が待っているので 一人で帰ることに。それが、大変でした。 行くときはタクシーだったから、帰りはバスで帰ろうとおもい、バス停で待っていたら、 なかなかバスが来なくて、仕方ないからタクシーでと思っても、タクシーも来ない。 大きな通りから一本細いとおりにあるので、タクシーが通っている通りまでテクテク 歩き出したらバスが来てしまうし、大通りに出たら出たで、交差点のところが大掛かりな 工事をしていてタクシーを止められる状態ではなく、そこら辺を歩いている人間は私だけ。

 これはマズイ。こんな所を歩いているところをバスケに来ている人に見られたら めちゃくちゃ恥ずかしい。炎天下の中あきらめてバス停まで戻ろうとして、またテクテク歩き だしたら、空車のタクシーが来たので、手を上げたらとまってくれて乗せてくれた。 エアコンをガンガンに効かせてくれていて、「おじさんありがとう」と抱きつきたくなるくらい うれしかったし、ホットした。3分ぐらいで着いてしまって、あまりに近い距離を乗せてもらった から、申し訳ない気がして1ドルをチップとして渡しました。

 家に戻って、シャワーを浴びずに水着に着替えプールで泳ぎながら汗を流し、1時間程日光浴 をして、それから近くのスーパーで買い物をして、夕食を食べた後、テニスを1時間したんです。 なんとも、充実した6月29日日曜日でした。次の日のテニスのレッスンもしっかり受けて。 しかしその後、猪のように突進しすぎて。。 長くなってしまったので、突進した先の話は次回のお楽しみにしてください。