袴田勝浩さんの「イギリス暮らし(3)引っ越し」(97・11・3)
イギリスでは、26日(日曜)に夏時間が終り、一時間早くなりました。 (実は、25日かも知れない。私は、26日に気がついた。) それと共に、とても、冷え込みが激しくなってきました。 朝、窓の外を見ると、ほとんどの車に霜がおりていて、出かける前に、皆がス クレイパーで窓についた氷を落しています。 通勤は車なのですが、勤務先が近過ぎるため、ヒーターから暖かい空気が出て くる前についてしまい、困っています。 聞いたところでは、イギリスでは、ほとんど、雪は積もらないそうですが、寒 さは、秋田以上かも知れません。
さて、楽しみに待っている人もいないかと思いますが、引越し編の最終回。 引越し後の手続きです。
日本でも同様ですが、引越しが終った後しなくてはならないのは、大体、水道、 電気、ガス、電話の手続きです。 水道、ガス、電気に関しては、不動産屋がしてくれたのか、自動的に手続きさ れたのかわかりませんが、私は、特に何もしていません。それなりに請求書が 来るので、それなりに手続きしてくれたのだと思います。 もっとも、何件かは、「現在居住している人」宛だったように記憶しています。
まず、最初に私がしたのが、電話です。 もちろん、前の住人も電話を使用していましたから、電話の配線は来ています し、室内に電話のジャックもありました。 どうしたらいいのかわからず、勤務先の人事担当者に聞いたら、ここに電話す ればいいはずだ、といって、BT (British Telecom: まあ、日本でいう、NTT) のフリーダイヤルを教えてくれました。電話してやろうか、とは言われたので すが、いつまでも世話になるのもしゃくだったので、自分で電話してみました。
そしたら、あっけないというか、何というのか、住所と前の住人の電話番号を を言っただけで、「いつから使いたいか」というので、「今日から」といったら、あっ さり、「わかりました」といって、話が終ってしまいました。「ちょっと待って、電話代はどうすんの」と言ったら、それは「そのうち請求書 が行くから」ということで電話を切られてしまいました。
その日の夕方、電話機を買ってきて、電話を繋いだところ、つながっているよ うです。 確かに、配線が来ている以上、接続は、電話局内だけの問題なので、技術的に は、簡単なはずです。 日本の某社の電話開設の手続きの様に、わざわざ自宅に誰かが来て接続テスト でもするのではないかと思っていたので、ちょっと、ひょうし抜けしました。
後から来た請求書を見ても、特別、工事手数料とかいう料金は、請求されてい ませんでした。払ったのは、回線とソケットの賃貸料、及び、引き継ぎ手数料 (?)で約3千円くらいでした。
日本じゃ、わけのわからん工事手数料とかで別に1万円くらい請求されますか らね。それに比べたら、安いものです。ちなみに、電話代自体はそれほど日本と変わらないようです。ただ、付化価値税が高過ぎる!とは思いますが。 (どう考えても、17.5 % は高いと思いません?) ちなみに、こちらでは、電話番号は、基本的に変更にならないそうです。
さて、電話がつながって数日後のことです。BT から郵便が届きました。請求 書です。しかし、ここでまた、面倒なのが、支払方法です。 日本では、一般に、銀行振り込みにしている人が多いと思います。 また、移転したとしても、接続時に、NTT の担当者から、銀行振り込みにしな いかと尋ねられたと記憶しています。 しかし、こちらでは、電話の加入と、支払方法には、全く関連がありません。
請求書が来てから、支払方法を考えることになります。 支払方法自体は、大体、日本と一緒で、数種類の支払方法があります。 しかし、ここでめんどうなのが、銀行の口座からの自動引き落としにする場合 です。わざわざ、その申込のために電話をかけて、再び別の申込書を送って もらう必要がありました。(どう考えても、面倒ですよね?) しかも、一ヶ月、三ヶ月、6ヶ月、12ヶ月払いと選択があります。 (もっとも、アメリカで電話を引いた友人と話したら、アメリカは、もっとた くさん、選択することがあって大変だったといってました。) まあ、これも仕事が細分化されている影響でしょうが、これをいちいち、 電話代、水道代、ガス代、とやっていては、非常に面倒です。 でも、そうするより仕方ないようなので、従ってます。
しかし、ここで、面白いのは、電話代は、銀行からの自動引き落としにすると、 安くなることです。確かに、電話会社にとっては、確実に料金を徴収すること が可能になる(メリットがある)ので、その分、顧客に対して、還元している のかも知れません。こういうのは、NTT にも見習ってもらいたいと思います。
水道、ガス等に関しても、同様の手続きをする必要があります。 うっとうしい、とは思ったのですが、よくよく考えたら私の場合、何回払う のかわからないので、結局、水道とガスは郵便局で払ってます。 ちなみに、公共料金の支払は、基本的に、3ヶ月に一回です。
この郵便局というのも、日本でいうところの、簡易郵便局のような小さな もの(ポストオフィス)があちこちにあって、なかなか便利です。 お年寄りの方々は、年金の受け取りなどにも使用しているようです。 (日本と一緒か)ちなみに、これらは全て民営化されております。
その他に請求が来るのが、カウンシルタックス。日本語に訳すと、おそらく住 民税になるかと思います。感心したのが、この住民税は、各住民の収入とは 全く関係のないことです。その地域(行政区域の区域割がよくわからんのです が)で一軒当たりいくらと決められています。 冷静に考えてみると、当たり前のような気もします。収入によって税金が異な るのは、所得税でしょうから。ちなみに、イギリスの所得税は、かなり、高い と聞いています。
ただし、諸般の事情のある住民の場合は、割り引きがあります。 ちなみに、私の様な独身は 25% 引きで、年間、約5万円くらいでしょうか。 (安い!と感動してしまいました。日本の住民税に比べればね。)
この請求書と共に、この税金の使い道はこうなっていますという明細が送 られてきました。私は、日本でこんなものをもらった記憶がありません。 (警察は、また別の会計になってました。) まあ、日本の市役所とかに比べると、遥かに単純なことしかしていないようで すので、比較のしようがないかもしれませんけど。
そうそう、日本の場合、何かと市役所の窓口などに出向く必要があるかと思 いますが、こちらの場合、全くありませんでした。(少なくとも私の場合には) 住民票などというもの自体、ないのではないか?と思います。大体、カウンシ ルタックスの請求書も、何故来たのかすらわかりません。 (多分、不動産屋が手続きしたと思いますけど)
銀行に口座を開く時には、日本だと運転免許証のように、住所を確認できる ものが必要だったと思います。(マネーロンダリング防止のためだっけ?) イギリスでも住所は必要ですが、それを証明できるものがあるかというと、 ありません。大体、口座開設の申し込み自体が郵送でしたし。 後日、銀行から送られる郵便が届けばいいのかも知れません。 ちなみに、各家々(フラットも同様)には、表札などというものはありませ ん。郵便の配達はどうなるかというと、住人の氏名の確認はしません。単に、 住所だけを見て配達します。
もっとも、そのため前の住人宛の郵便が良く届くので迷惑してます。 ちなみに、電話番号も基本的に変更にならないため、間違い電話(以前の住人 宛)が多くて困るんですがね。
車を購入した時も、別段、住所を証明するようなものは、何も必要ありません でした。ただ、「住所は」と聞かれたので、記入しただけでした。 免許はどうするんでしょうかね?不思議です。 おそらく、来年、こちらの免許を取得する必要があるとおもうので、その時に 分かるでしょう。(多分、ただ住所を書けば、それで通ると思うけど)
これで終りと思っていたら、今日、テレビライセンスの請求書が届きました。 これは、まあ日本でいうところの NHKの受信料でしょう。 こちらでは、特定の放送局(BBCとか)に払うのではなく、テレビ(あるい はVTR)を持っている家庭は「必ず払わなくてはならない」と書いてありま す。カラーテレビで年間、約18000円となっていますから日本よりは 多少、安いのではないでしょうか。 (地上波だけだったら一緒くらいか?)
まあ、いろいろと不安なことがありながらも、イギリスに来て早5ヶ月が 経とうとしています。勤務先の人々などにいろいろとお世話になりながら、何 とか生活しているなあ、と感謝している今日この頃です。
とりあえず、引越し編は終了させて頂きます。 次回からは、何か、テーマを見つけて書いてみます。