岩間郁夫さんの「アメリカ暮らし(20)喫煙」(97・12・21)

 年末に至っても先行きが不透明な日本の経済ですね。アメリカの株価のバブルも 先が見えてきたようで、シリコンバレー企業の最近の4半期の業績は必ずしも良 くありません。景気の要となってきたパソコン市場の伸びが低迷し始め、パソコ ンの低価格競争も加わって、企業にとっても体力の勝負だけとなってきたようで す。今年のクリスマス商戦は史上最高の売上げを記録するということですが、後 にはクレジットカードのつけが回ってきて、その支払の為に翌年半年を費やすと 言うのがアメリカ社会です。

 今回はアメリカの喫煙事情を取り上げてみました。

 日本と比べてアメリカは喫煙に対して非常に厳しい制限が加えられてきています が、同じアメリカでも西部と東部では大きな違いがあります。西部から比べると 東部では喫煙者が非常に多く、法的にもやや喫煙者に寛大なようです。町の中で も喫煙する人間を数多く見ます。

 一方、健康とか環境とかに非常に敏感な西部の州では喫煙者の数も少なく法的に 非常に規制が厳しいのが実情です。

 現在、西部のほとんどの州では人の出入りする建物内は数年前から公共施設、会社事務所、店内、レストラン、バーに至るまで全てが禁煙となっています。どう してもタバコを吸いたい人は屋外に出て喫煙をする訳ですが、市によっては条例 でビルの壁から1.5m以内の所で喫煙することを禁じている所もあります。つまり雨でも軒下で喫煙することは出来ず、雨に濡れながら、または傘をさしながたら喫煙している光景を見掛けることがあります。

 喫煙者に対する世間の目は冷たく、特にハイテック分野の会社経営者、管理職で 喫煙する人は非常に小数です。喫煙そのものより、タバコをやめられないような 性格に対して、経営者の資質として×をつけているようです。タバコを吸うこと と大麻を吸うこととはさほど変りは無いという厳しい判断をしている人達もいま す。

 既にタバコの自動販売機は如何なる場所からも完全に姿を消し、タバコの広告も 完全禁止となりました。今はハリウッドの映画のタバコを吸うシーンに対して喫 煙を助長しているとの批難が集中しており、映画製作にも配慮が必要となってい ます。

 喫煙者にとっては非常に住みずらいのがアメリカですが、日本から来た出張者も その生活に合せていますから、がまんが出来ないと言うほどのことでもないよう です。 日系の会社の外でスーツを着た日本人が3ー4人集まって喫煙している姿も見方 によっては異常な光景ですね。