袴田勝浩さんの「イギリス便り(5)車検」(98・2・11)
秋田は、まだ、雪が多い季節だと思いますが、イギリスは、1月末頃から、段々、日照時間が長くなってきた感じで、2月になった現在は、日の出が7時30分 頃、日没が5時頃、と11、12月の暗さを抜け出して、春に向かっているな あ、という感じがして来ました。
さて、先日、昨年購入した車をMOT(日本でいう所の車検)に出すことになりました。その事の顛末を書いてみたいと思います。
まず、最初に、私の車のことから。
私の住んでいる所は、レディングという田舎(というと怒らるか?)で、当然、 地下鉄などというものはなく、バスの便も不便な所です。車がないと、とても不便で(第一、住む所を探しにもいけない!)どうしようもないので、当初は、レンタカーを借りました。 所が、レンタカーは、2000CCクラスの普通車を借りたのですが、3週間で 約400ポンド(8万円以上)と、高かったので、車を買うことにしました。(アメリカでしかレンタカーを借りたことがなかったので、とても高く感じました。でも、アメリカでは、会社契約だったから安かったのかも知れないけど)
大胆にも、最初、新車を買おうかと思って、ディーラーに行ったのですが、イ ギリスに来たばかりの人間ということで、信用が全くなく、現金でないと買えない、といわれてしまいました。(考えてみると当たり前ですが。) というわけで、新車はあきらめ、こちらでお世話になっていた家の親父さんの紹介で、何件かの中古車屋さんを回り、結局、BMW325i(ただし、10 年もので、10万マイル走行)を購入しました。これが、約4500ポンド。 まあ、大体、90万円。こちらの人は、同じ車に長く乗るので、10年や10万マイルなどというのは、決して珍しくもありません。(値段も、こんなもんとか)
後々知ったことですが、イギリスでは、一台の車をあちこち直しながら乗るのが普通で、最終的に乗れなくなったとしても、日本のように捨てるのではなく、バラバラにしてパーツとして売るそうです。 雑誌などを見ても、リビルトしたエンジンやミッションを売っているお店は、少なくありません。こちらでは、日本の車メーカーのディーラーでも、スペアのエンジンとかを用意しているそうです。 (普通は、車体より先に、エンジンが駄目になるらしい) こんなパーツを利用して、キットカーを作ったりもするらしいのですが。 (車に限らず、日本人は贅沢過ぎますね。)
さて、車を買って、乗ろうと思うと、まず、保険が必要です。イギリスでは、日本の様な、自賠積保険などというものはありません。 必ず、自分で保険に加入します。保険額は、年齢、事故歴の他に、住んでいる所、車庫の有無が関係します。(最近、日本でも、そういうのが増えてますよ ね?)やはり、ロンドンのような大都市は、高いそうです。 ちなみに、イギリスでは、日本の車庫証明の様なものはありません。路上駐車で保管する場合でも問題はありません。(でも、駐車禁止の所は駄目) また、同じ条件でも、保険会社によって、保険料が変わるそうです。 私は、勤務先の人達が良く使っている保険会社と日系の保険会社に聞いたので すが、日系の保険会社のほうが多少安かったので、そちらにしました。 (日本語でも対応してくれるし。) この保険料が約450ポンドでした。日本でいう所のSAP(車両保険付のも の)に当たるのかな。面白いのは、フロントウィンドウの交換一回まではOK、 という項目です。
こちらでは、何と、ブロックなどを使って、ウィンドウを壊して、カーステレオを盗む、という犯罪が少なくないとか。私のカーステレオ も、簡単に取り外せますし、カー用品店では、取り外したカーステレオを持ち 歩くためのカバンまで売ってます。 日本ではカーナビが流行りだと思います。イギリスでも、システム上は、可能らしいのですが、一般に普及するのは、かなり難しいと思います。
保険に入ったら、次に、税金(ロードタックス)を払います。これは、日本同様、購入時に残っていれば、問題はないのですが、なくなれば、払う必要があ ります。(実は、私の場合は、勤務先が払ってくれるので、不要でした。) これは、各地の郵便局(日本の簡易郵便局見たいな所)で簡単に支払ができます。しかし、この時に、保険に加入していないと、税金を払えません。
ここまで来ると、車には乗れるのですが、次に名義の変更が必要です。 日本だと、ナンバーは、購入者の住所によって管理されますが、こちらでは、 そのようなものはありません。単に、番号がついているだけで、売買されても、 ナンバーは基本的に変わりません。(変えたければ別です) 名義の変更は、とても簡単で、車の登録書類に購入者が自分の住所氏名を記入 して、役所(日本でいう、陸運局かな)に送るだけで、後日、新しい登録書類 が送られてきます。 つまり、この、登録書類を盗まれると、いとも簡単に名義を変更されてしまいます。そのため、通常はコピーを車に入れておき、本物の登録証は、別のところで保管しましょう、と保険会社からの書類には書いてありました。
とりあえず、こんな手続きで、自分の車を入手して、乗ることは可能になります。 わかってみると、簡単なのですが、こちらに来たばかりの頃は、大変でした。
後日、知ったのですが、こちらでは個人向けのリース契約というのもあるとか。 最近、日本でも始まっているようですが、例えば、3年後の引きとり価格を決 めておき、新車価格との差額を3年間にわたって、分割払いする方法です。 (3年後には、車を返してもいいし、その価格で買いとってもいい) 今考えると、これもなかなか、いいシステムだなとは思うのですが、その 頃はこちらにいつまでいるのかも不明だったので、やめておきました。
さて、そのようにして、7月に購入した車も、MOT(日本でいう車検)が切れる時期となりました。長くなってしまいましたので、MOTの顛末については、次回にしたいと思います。 (順調にいけば、2月12日に終るはずなんですが。)