〈社会主義政策を進める?自民党、資本主義の担い手?日本共産党〉
○…参議院選挙が終了したところで、冷静に各党の膏薬、いや失礼公約を、特に経済政策に限って分析してみることにした。そしてそこである「面白い発見」があった。
○…どの党も「減税」の主張だけは共通していたが、少々スタンスは異なる。景気浮揚対策では自民党は相変わらず「公共事業への投資」を唱え、「利益誘導あっての政治」などと開き直る幹部もいたくらいに「土建屋体質」は変わっていない。ユニークだったのは公明。実現可能かどうかはともかくも商品券の配布を訴え、とにかくモノを買ってほしいというメッセージは感じられた。民主党、自由党は大幅減税、共産党は消費税三%へ戻せと大宣伝し、これがウケた。社民党は一時「消費税減税」を打ち出したが撤回し、大幅減税に乗り換えた。そして結果は自民党の大惨敗に。田中角栄元首相以来綿々と続いた利益誘導型政治の「終わりの始まり」と見る。
○…金融機関の不良債権処理策で政府・自民党は、「ブリッジバンク」をつくりそこに不良債権を集めるという法案を提出する。もちろん公的資金の導入は不可欠になる。一方共産党は「資本主義の論理に照らせば全て金融機関が責任を負うべき」と公的資金導入に断固反対している。この対比は実におもしろい。
○…ソ連型社会主義破綻の原因は、競争力のない企業を国家資金で丸抱えして結果的に経済を弱体化させたことにある。ソ連が崩壊したときに自民党は高らかに「自由主義の勝利」を宣言したはずだ。ところがこの「ブリッジバンク方式」では、不良債権を抱えてにっちもさっちもいかない金融機関を、公的資金で救済する色合いが濃い。「いつかは国が救ってくれる」と心待ちにしていた親方日の丸経営者にとっては、まさに願ったりかなったりの法案、宮沢喜一氏が蔵相に抜擢されたのもこの1点にあると見なければならない。
○…ソ連の失敗を「自由社会の擁護者」自民党が繰り返そうとしているのは、歴史の皮肉なのだろうか。一方「資本主義の敵」共産党が「資本主義の論理」をふりかざして、自民党と対峙している。結局社会主義失敗の歴史を学んだのは共産党の方だったのかもしれない。
筆者のプロフィール= 1958年岩手県生まれ.39歳。大学卒業後生協職員や家業の手伝いを経て、1996年から岩手の前沢町、衣川村を発行エリアとする「胆南新報」の記者。
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