「駿府の歴史を楽しむ会・・・静岡より」
江戸幕府を作った徳川家康と幕をひいた徳川慶喜。歴史の転換期のリーダーであったふたりは、共に静岡に30年住みました。静岡でのふたりについて掘り起こすことを通して、町の活性化を図りたいと行政と市民とが協力して「徳川慶喜と明治の静岡」推進協議会を発足させ、
この半年間にわたって、あちこちの公民館などで歴史の掘り起こしや勉強をしてきました。
そして、敬老の日の9月15日、「駿府の歴史を楽しむ会」が行われました。素人市民劇団の「慶喜劇団」が、安倍川大河ドラマ「静岡のけいきさん」を熱演し、清水市興津町の出身である6代目宝井馬琴さんの講談、2000年放送のNHK大河ドラマ「葵徳川三代」の脚本を手がけるジェームス三木さんの講演と盛りだくさん。ジェームス三木さんは、どうして家康や慶喜がこの静岡で共に30年もすごしたのかを探りながら執筆したいとのことで、同協議会を始め市民は、2000年には静岡にスポットが当たると期待しています。会は、シンガーソングライターの大塚正明さんが、自作の「静岡めぐり」を高らかにうたい、フィナーレを飾りました。
静岡県では、折しも翌2001年。天皇陛下をお迎えして「豊かな海づくり大会」が開催されます。(焼津市が名乗りをあげています。)そして、2002年には、ご存じのワールドカップがあります。21世紀は、「静岡に注目!」かもしれません。さて、ジェームス三木さんの講演内容は次の通り。
人間は、一生かかってそれぞれの人生を創造している。その人生とは、個人の文化の集積だ。そして、個人の文化とは、自分流のポリシーやビジョンを持つことだ。生活するということは、人生の一部でしかない。自分の子どもに対して、将来いい生活をさせてやりたいと思うから、苦労はとり除いてやり、勉強ばかりさせていい学校へとなってしまう。知識は、年をとってからでも得られるが、智恵は遊びの中でしか育たない。苦しい思いや悲しい思いをする中で人間が鍛えられ、つくられていく。子どもには、いい生活を与えるのではなくいい人生を与えるのがいい。 人生とは、愛とか信頼とかそういうものを織りなしていくものだ。私は、のちのち自分の人生が人にどう語られるのか、ということを視野に入れて
生きていきたいし、生きてほしいと思う。
会場となった静岡市民文化会館は、駿府公園といって、駿府城跡の隣にあります。夕方5時半を回っていましたが、平成8年に復元された東御門を通って、公園内に入ってみました。一雨降ったらしく、濡れた白木がより木の香りを放ち、ランプの灯った公園内の芝生の緑が、すがすがしく感じられます。また、今回のイベントに添って建てられた「慶喜茶屋」が、江戸時代の雰囲気をかもしだしています。「ああ、静岡だってなかなかいいじゃないか。」と思いました。それから、先ほどの講演を思いだし、自分の人生を考えました。「私は、いま子どものことなど生活していくことだけに懸命なのではなく、秋田がいいなと思ったり、ステキだ人だなと思ったり、痴呆の始まった祖母に心痛めたり、ピアノやギターを弾いてその仲間と楽しんだり、結構いい人生を送っているのかもしれない。」と。