しばらく寒い日が続いたサンノゼなんですが、クリスマスは快晴、日中は気温も上がり穏やかな一日でした。もっとも、この祝日、ほとんどの店舗、レストラン、24時間営業のスーパーマーケットもお休みとなり、外出もせず、自宅でのんびり過ごすと云うのが平均的なアメリカ人の家庭です。ちょうどクリスマス商戦で、皆大きな買い物をしてしまった後であり、正直なところ、ボツボツ金欠を感じ始める時期でもあります。
そんな中で、実は伊藤さんがお書きになられた”豆腐”の話を昨日、読ませていただき、ちょっとサンノゼの豆腐事情も書きたくなったので、失礼します。
アメリカ人の健康指向から日本食がブームになっていることは良く知られています。(ただ、個人的にはドバッと醤油に浸して食べる鮨とか、白いご飯の下に醤油が溜まるぐらいかけて食べる姿とか、お茶に砂糖を入れて飲む姿を時々見かけると、本当に健康食?って言いたくなることもありますが)植物性蛋白で肉よりずっと健康に良いと云われる豆腐は彼らにも注目されている訳なんですが、豆腐自体の味がアメリカ人にとって淡白過ぎること、メインデイッシュになりにくい食材等の理由からか?豆腐が具になった味噌汁のようなものを除いて、それほど豆腐を良く食べる人を見掛けません。一般に豆腐料理を代表する冷やっことか、湯豆腐などは日本人にとっては最高のものなんですが、私の知る限り、アメリカ人にすすめてみても、あまり感激されません。むしろ、しっかり味のついた揚げだし豆腐とか、すき焼きの中に入った豆腐のようなもののほうが彼らの好みに合うようです。
そんなことから、多分、豆腐がアメリカ人の口に入ったのは日本食では無く、中華料理のマーボ豆腐のようなものではないかと思います。カリフォルニアでは20年ほど前から、現地のスーパーの店頭でプラスチックのパックに入った豆腐を買うことが出来ましたが、これは履歴(?)も分からず、ちょっと冷やっこ等の材料に使うのは抵抗がありましたし、味も多少の違いを感じました。多分、中国系の人を対象に売っていた豆腐だと思います。日本人が手軽に豆腐を手にいれるようになったのは紙パック入りで長期保存が効く(?)豆腐が手に入るようになってからなんですが、絹瀘しとは云うものの少し柔らかすぎるような気がします。ただ、この紙パックの豆腐の登場で、日本食材料店だけでなく、他でも容易に豆腐が手に入るになり、米国で暮らす我々にとっては非常に便利になりました。
実は今日の話題なんですが、サンノゼには知る人ぞ知る豆腐が一つあります。サンノゼ豆腐と云うのですが、この豆腐は意外にも日本からこられた昔の豆腐の味を知る年配の方には非常に人気のある豆腐です。この豆腐が手に入る日本食レストランではメニューに敢えてサンノゼ豆腐と記入してあったりします。この豆腐は戦後まもなくサンノゼで豆腐製造業を始めた日本人の方が、今でも家族で作り続けている手作り豆腐なんです。作り方も当時の製造方法のままということで、一見したところ、豆腐の外見も日本のスーパーで買えるような寒天みたいに滑らかな表面で無く、多少、すが入ったような粗目の感じのする豆腐です。つまり、昔の日本の豆腐屋さんで買える豆腐の味と舌触りがするということで、その懐かしい味を知る日本からの出張者の方が是非食べてみたいと云うぐらい評判になっています。
当然ながら、家族で手作りをしている関係上、一日に作れる豆腐の数は知れていますし、店主の方も店に買いに来られる方へ優先的に売りたいということなので、店以外では昔から付き合いのある限られた日本食料品とレストランでしか手に入りません。一時は、このサンノゼ豆腐もここで暮らす日本人にもあまり見向きもされなかった時期もあり、やがて店じまいかな?と思われていたそうですがお客の本物嗜好によって
人気が出てきた訳です。ただ、この店主はなかなか頑固な方で店を拡張する意思も、機械を増やす意思も無く、昔のまま、今も豆腐を作り続けています。ちなみに、このサンノゼ豆腐の一丁は1ドル50セントです。